('、`*川もっとも邪悪な女のようです
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 20:26:32.42 ID:z8bseU+z0
- 1.
('、`*川「ウウ、頭がイタイ……」
わたしの名前はペニサス。
ここ、公立ポッツヴィル学園の風紀委員。
最近のわたしは悩み事が多すぎて夜も眠れない。
事実昨日の夜も七時間足らずで目が覚めたし、朝食も喉を通らない。
例えば今、眼の前にはご飯とみそ汁、おしんこと焼き魚と生玉子、卵焼きにポテトサラダがあるけど、
とても食えない。
全部は食えない。
色々考えに考えて、とうとう導き出されたのは、わたしにはどうしていいのか皆目わからないという
結論だった。
も っ と も 邪 悪 な 女 の よ う で す 前編
(原作 ジム・トンプソン『ポップ1280』)
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 20:28:51.81 ID:z8bseU+z0
- 2.
学園の生徒はみんな寮住まいだけど、風紀委員には個室が与えられる。
わたしは自分の部屋で姿見を前にし、自分の格好を改めて眺めてみた。
クリーニングから帰って来たばかりのピカピカの制服姿だ。
二の腕には風紀委員のしるしが入った腕章付き。
('、`*川「ん、おk」
胸元のリボンを引っ張って形を整え、部屋を後にする。
とある休日。
わたしはこれから別の地区の風紀委員、つーに会いに行くところ。
未来を担う若い才能を発掘すべく、人工島に作られたポッツヴィル学園都市は途方もなくでっかくて、
生徒だけでも1300人はいるって話。
当然職員だけでは手の回らない、生徒間のモメ事とかが山のように湧いて出る。
わたしたち風紀委員は警官の代理みたいなもんで、生徒の投票で決まり、独自に生徒を裁く権限がある。
ま、生徒自治の延長ってとこかな。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 20:30:37.99 ID:z8bseU+z0
- 3.
休日だけあってみんな出かけているらしく、女子寮は閑散としてる。
とある部屋の前を通りかかったとき、わたしは足を止めた。
ドアが開きっぱなしになっていて、ベッドに横たわる女子生徒の姿が目に入った。
('、`*川「お」
ξ--)ξ「Zzz……」
女子寮と言えなんとまあ無防備な。
半分うつ伏せになったツンは、やや子供じみたパンツに包まれたまん丸いお尻を露わに眠っていた。
パジャマは上しか着ておらず、それもやたらに薄手で肌の白さが透けて見えるくらいだ。
('、`*川「うーん、これは誘ってるんだな、きっと」
わたしは彼女の部屋に入り、「あいつ」がいないことを確かめると、着たばっかりの制服を脱ぎ出した。
ツンってば胸はないくせに尻はやたらと綺麗なんだよね。
この程よくむっちりとした素晴らしい曲線が何とも……
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 20:32:30.87 ID:z8bseU+z0
- 4.
ξ゚听)ξ クワッ
突然ツンが起きた。
ゾンビみたいに。
ξ゚听)ξ「何やってんの?」
('、`*川「うん、えーと」
わたしはそれほど返事に詰まったりはしなかった。
ツンとはそれなりにいい仲だったって言うか、まあぶっちゃけわたしの女だと思ってたから。
いや、もっとぶっちゃけるとわたしはこの女の性格の悪さが嫌いだし、出来ることなら手を切りたいと
思ってたんだけど、まあたった今ケツに欲情したという。
つまりそういうこと。
('、`*川「わたしはこれからつーに会いに行くとこなの。
で、大分遠い地区まで行くから帰りは遅くなるわけだしね、何て言うか」
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 20:34:49.72 ID:z8bseU+z0
- 5.
('、`*川「お互い寂しい思いをしないようにね、同じベッドの中で愛を語らってからでも遅くは……」
ξ#゚听)ξ「死ねボケ!!」
うわ、オッカネ。
ξ゚听)ξ「誰があんたなんかと! あっち行けバカ! 雌猿!! このド低能」
('、`*川「それはないんじゃないかなあ。だってわたしたちはそういう仲なわけだし……」
言い合いをしてるうちに(っていうかツンが一方的に怒鳴ってたんだけど)、彼女の妹が飛び込んできた。
正しい言い方をすると、池沼の妹が。
(゚q 。川「あうあうあーww姉ちゃんwwwwどうしたのwwwwww」
('、`*川(相変わらずキメエなこいつ)
ξ゚听)ξ「カタワーちゃん! あんたカタワーちゃんに何する気よ!!」
('、`*川「え!? 何にもしてないけど」
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 20:36:47.70 ID:z8bseU+z0
- 6.
(゚q 。川「オウフwwwてめえwwwww姉ちゃんに何したんだよwwwwオウフオウフwww」
('、`*川「何にもしてないっての。この池沼」
ξ;凵G)ξ「何てこと言うのよ、池沼なのはカタワーちゃんのせいじゃないのよ!
こんな天使みたいな子に何てひどいことを! この悪魔!!」
ツンはカタワーを抱き寄せる。
電車の時間が迫ってきた。
こりゃいかん、関わっちゃいらんない。
わたしは部屋を出た。
('、`*川「えーと、まあ、何か悪かったよ。じゃあ時間だから」
ξ゚听)ξ「車に轢かれて死んじゃえ!」
(゚q 。川「ペニサスwwwなんかwww死んじゃえwwwwあひひwww」
ありがたいお言葉をおケツで受けながら廊下を進み、エレベーターを使って寮を後にする。
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 20:38:41.83 ID:z8bseU+z0
- 7.
まあツンは性格の悪い女だけど、一応わたしたちは世間的に付き合ってるって事になってる。
いやまあ、同性愛ってのはここで公にしてもあんまり得することでもないから、“そういう人たち”の
間ではそういうことになってる。
となれば風紀委員って立場のわたしが何かとツンに世話を焼いてやんなきゃなんない。
わたしは精一杯ツンを女房のように扱ってきたつもりなんだけどね。
('、`*川「やれやれ。何であんな女と付き合っちゃったんだろう」
電車に乗って移動しながら、あの女に引っ掛かってしまった不運を呪った。
池沼の妹がいるなんてのも付き合う前は知らなかったんだ。
つまりツンはわたしの、何て言うかこう、つまりぶっちゃけ、性欲の虜になりやすい性格を知ってたんだ。
で、あっさりわたしはハメられたと。
いやハメたんですけどね。ハメたらハメられたと。
上手くないか。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 20:40:51.45 ID:z8bseU+z0
- 8.
('、`*川(あの女、計画済みだったんだろうなあ。
風紀委員と付き合ってるとなると、かなり強力な後ろ盾持ってるわけだし……)
ああ、また頭痛がしてくる。
気分を直そうと窓の外の風景を眺めると、またもや頭痛の種が見えた。
町はずれの川っぺりにある、災害時のための物資倉庫だ。
まあ倉庫とは名ばかりの空家なんだけど、その前に置かれたテーブルに二人の男子生徒が座ってた。
_
( ゚∀゚)「あー今日も元気だ。酒がうめえ」
(´・ω・`)「風紀ルートで手に入れた上物だからね」
あの空き家は一部の女子生徒が売春するのに使ってて、あの二人がその管理人をしてる。
風紀委員としては黙っちゃいられないんだが……まあ色々あるのよホント。
('、`*川(あれホント何とかしなきゃなあ。ああ、頭イタイ)
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 20:44:24.85 ID:z8bseU+z0
- 9.
ゴチャゴチャ考えてるうちにふと、視界の隅に見知った顔が見えた。
('、`*川「お」
川 ゚ -゚)
旧華族の血筋を引く上、学園一の秀才と名高いクーさんじゃないですか。
わたしは椅子からおケツを持ち上げ、そっちへ行った。
('、`*川「どうもどうも。相変わらず麗しゅうございますな」
川 ゚ -゚)
こんなあからさまな無視ってないよね。
('、`*川「ごめん。冗談」
川 ゚ -゚)
('、`*川「会いたかったんだよほんと。ほんとに。ずっと」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 20:48:44.29 ID:z8bseU+z0
- 10.
('、`*川「ねえ、わたし本当にちゃんと説明したかったわけよ。
ほんっっとに深い理由があってね、だから……つまりさあ、ツンにハメられたのよ。わたし。
あの女とハメて……いやハメられて……だからねえ、えーと……」
川 ゚ -゚)「何にも聞きたくない」
クーは席を立った。
('、`*川「あれ? どこへ?」
川 ゚ -゚)「お前みたいなケダモノと同じ空気を吸いたくないんだよ」
('、`*川「お願いだからちゃんと話を聞いてよぉ。
わたしほんとあなたと付き合いたかったのよ、浮気なんかじゃないの。
ほんとツンのことなんかどうも思ってないの」
川 ゚ -゚)「思ってないなら何でくっついたままなんだ? 何であの女をフラない?」
あちゃー、痛い質問だなあ。
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 20:51:33.45 ID:z8bseU+z0
- 11.
あの女はわたしを毎日罵倒しまくって来るが、本気で別れようとはしない。
風紀委員の“彼氏(この言い方正しい? 彼女って言うべき? ベッドの上じゃわたしが一応……
いやまあ、いいか。どうでも)”がいれば、これはもう相当の融通が効くからだ。
マリファナだってオトナの玩具だっていくらでも島の外から取り寄せできるし(普通なら水際で
取り上げられるが風紀委員だけが使える特別なルートがあんの)、ちょっと危ないお店だって顔パス。
何より他の生徒にナメられないんだ。
閉鎖された環境ではこれがとにかくでかい。
('、`*川「だからね、その辺も含めてちゃんと説明を……」
電車が止まった。
クーは席を立ち、電車を出て行く。
わたしはあわてて後を追った。
('、`*川「ねえ、クー。わたしは……」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 20:55:01.99 ID:z8bseU+z0
- 12.
クーがわたしにくるりと向き直った。
川 ゚ -゚)「ひとつだけ言っとくことがあった、ペニサス」
('、`*川「は……はい」
川 ゚ -゚)「あの池沼の悪癖を何とかしろ」
('、`*川「え? カタワーのこと?」
カタワーには覗きという趣味ってか犯罪の性癖があった。
覗くのは美少女ばっかりらしいわけだから、まあ、うん。遺伝だよね。
川 ゚ -゚)「今度あいつがわたしの部屋覗いてたら訴えるからな。忘れるなよ」
('、`*川「わかった、わかったよぉ。ちゃんと言い聞かせとくからさ」
川 ゚ -゚)「結構。あとお前は金輪際わたしに話しかけるな。それが一番嬉しい」
('、`*川「……」
悲しいぜ。悲しいよね、ほんと。
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 20:57:20.25 ID:z8bseU+z0
- 13.
失意のまま次の次の次の駅で降りたわたしは、とぼとぼ風紀委員の事務所に向かった。
事務所つっても生徒会執行部の一部にあるちっちゃいスペースだけど。
休日だけど結構人はいて、つーは奥で後輩の風紀委員、ドクオと話していた。
('、`*川「ちわっす」
('A`)「こりゃどうも」
(*゚∀゚)「やー! 久し振りだね、どうしたの」
('、`*川「うーんとね、困ってるんだ最近。ほんとに。ちょっと相談があってね」
(*゚∀゚)「いいよいいよ。まあ座ってよ」
わたしは折り畳み式の椅子に腰を下ろした。
('、`*川「“ホテル”のことなんだ」
(*゚∀゚)「ホテル?」
('A`)「売春宿のことかな」
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:01:00.64 ID:z8bseU+z0
- 14.
つーは昔、うちの地区を担当していたことがある。
ショボンとジョルジュとも顔見知りってわけ。
引き継ぎの時にわたしと彼女は知り合って、それから友達になったんだ。
('、`*川「そーそー、そうなの。
あいつらねーほんと、どんだけ注意してもダメなの。
わたしナメられちゃって、何にも言うこと聞かないの」
(*゚∀゚)「ふむふむ。まあ、ありがちなことではあるね」
('A`)「教師に言ったらどうなんですか。教師でなくても他の大人とか」
(*゚∀゚)「このボケ。何のための自治組織だよ!
下手に通報すっと風紀委員の権利が取り上げられるかも知んないじゃない。
『やっぱり教師が介入すべきだ』とか何とか言ってさー。
それにチクりは他の生徒の信用を失う。そんなのはダメだね」
('A`)「ははあ、なるほど。つーさんの言う通りですな」
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:03:22.39 ID:z8bseU+z0
- 15.
(*゚∀゚)「まったくボケが」
('、`*川(うーん、頼りになるぜ)
これだからやっぱりつーに相談すべきだったんだな。
でも後輩への暴言はちょっとひどいな。
('、`*川「あのね、あんまり後輩のことをねえ、バカにしちゃいけないと思うけど……
ほらね、やっぱり、一緒に頑張ってくれるお友達なわけだし」
(*゚∀゚)「いいから話を続けろっての!」
('、`*川「う……うん。それであいつら、わたしをバカにするの。
わたしも言い返したいんだけど、わたし……その、悪口とか得意じゃないし……
そもそも何を言っていいのかわかんないし……頭の回転が追い付かないって言うか」
(*゚∀゚)「ふむふむ」
('、`*川「それにねーあいつら、こないだ登校中、わたしにわざとぶつかったの。
それも雨が降った翌朝に!」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:06:27.86 ID:z8bseU+z0
- 16.
('、`*川「わたしぬかるみで転んじゃって、制服着替えに一度帰らなきゃならなくって。
遅刻しちゃったの。
ね、ひどいでしょ?」
(*゚∀゚)「ちょ、ちょっと待て、ちょっと待て」
つーがわたしの言葉を遮った。
(*゚∀゚)「あんた、そんだけやられて何で何にもしなかったわけ?!」
('、`*川「だ、だって〜〜……」
(*゚∀゚)「だってじゃないだろまったく! しょうがないなあ、もう」
('、`*川「そんなわけでね、こうして相談に来たの。
つーちゃんなら頭も良いし勇気もあるしほら、何と言っても機転が利くじゃない。
わたしなんかじゃもうどうしようもないんだよぉ」
(*゚∀゚)「わかった、わかった。じゃあちょっと立ってみ」
('、`*川「へ?」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:09:34.41 ID:z8bseU+z0
- 17.
(*゚∀゚)「立つってのはそのでかいおケツを椅子から持ち上げることを言うんだよ」
('、`*川「そりゃ知ってますとも。知ってますけどね……」
わたしが椅子から立ち上がると、デスクの正面にいたつーも立ってわたしの隣にやってきた。
(*゚∀゚)「今度、そいつらが生意気な口を利いたらね……」
('、`*川「うんうん」
(*゚∀゚)「こうだっ」
つーは思い切りわたしのおケツを蹴り飛ばした。
形についてはツンに勝るとも劣らない評価を頂いている、プリンのようなおケツを。
(゚、゚;川「いやんっ!?」
これは子供が肛門から産まれたかのような痛み。
わたしは思わずデスクに突っ伏した。
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:12:27.84 ID:z8bseU+z0
- 18.
('、`;川「い、痛い!! とても痛い!」
(*゚∀゚)「もしも誰かがあんたにこんなことしたとして、あんたならどうする?」
('、`*川「ど、どうって……きっとわたしのおケツに何か蹴られるべき理由があったとしか……」
(*゚∀゚)「そうじゃないだろボケ!」
おケツをさするわたしにつーは怒鳴った。
(*゚∀゚)「いいか、そんなことされたら倍にして返すんだよ。倍に!
よくわかってないっぽいからもっかい」
('、`;川「え!? えっと、出来れば口で説明してくれると嬉しいんだけど……」
(*゚∀゚)「ドクオ!」
('A`)「へーい」
ドクオとつーはわたしを挟むようにして両側に立った。
(*゚∀゚)('A`)「せーの」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:15:39.21 ID:z8bseU+z0
- 19.
再びケツバット炸裂。
しかもダブルで。
わたしはデスクに突っ伏すばかりか、勢い余って反対側に落っこちてしまった。
(;、;川「い、痛い! ぱねぇ!!」
つーの手を借りて起き上がったものの、わたしはしばらく椅子に座ることが出来なかった。
おケツが二倍の大きさに腫れ上がってしまっていたから。
(*゚∀゚)「今度からその……何つったっけ、そいつら??」
('、`*川「ジョルジュとショボン」
(*゚∀゚)「そいつらがふざけたことしたら、こうしてやれっての」
('、`*川「う、うーん。わたし体が硬いからなあ。相手のケツまで足が持ち上がるかなあ」
(*゚∀゚)「別にケツバットじゃなくってもいいの。それ何の為に持ってんのさ?」
つーはわたしの腰に顎をしゃくった。
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:19:39.14 ID:z8bseU+z0
- 20.
わたしの腰に巻かれたガンベルトには風紀委員だけが持つことを許されるテイザー(電気銃)と
催涙ガスが下がっている。
(*゚∀゚)「口で言ってもわかんなきゃ体で思い知らせてやりな。
連中の頭の程度は動物と同じだから、ぶっ叩かなきゃしつけられないんだよ。わかった?」
('、`*川「う、うーん」
(*゚∀゚)「まだわかってないか? しょうがない、もう一回」
('、`;川「すっごく良くわかった!」
(*゚∀゚)「ほほう、じゃあ教訓を言ってごらんよ」
('、`*川「だからね、えーと。つまりこういうこと。
問題がきっちり片付くように、始末をつけろと。
一番わかりやすくて強力で、二度とわたしを困らせることのないように」
('A`)「つーさん、ちゃんとわかったみたいですよ」
(*゚∀゚)「そうだな。んじゃドクオ、駅までお連れしてあげて。わたしはまだ仕事があるから」
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:23:01.91 ID:z8bseU+z0
- 21.
('A`)「ういーす。じゃ、行きましょうか、ペニサスさん」
('、`*川「ど、どうも色々とありがとう。とっても参考になったよ。
い、いたた、いたたたた……」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
痛むおケツを引きずってわたしは自分の寮に戻った。
あー痛い。もー本気で蹴るんだからなー。
日中はおケツの療養に当ててベッドで静かに過ごし、日が落ちてからわたしは寮を出た。
('、`*川「お出かけ、お出かけと……」
ポッツヴィル学園都市は夜間はわずかな街灯を残して完全に明かりがなくなる。
学生は風紀委員を除いて夜の外出は許されていないし(まあそれでもみんなこっそりしてるんだけど)、
夜やってる店なんかもまったくない。
たった一か所、例外はあるんだけど。
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:25:27.29 ID:z8bseU+z0
- 22.
わたしは真っ暗闇を一路、目的地に向かって真っすぐ進む。
自分の地区なら目をつぶっていたってどこへでも行けるから、どれだけ暗くても平気。
路地裏の狭い道をいくつかくぐって、やがて倉庫にたどりついた。
_
( ゚∀゚)「ん? 誰だ?」
(´・ω・`)「あっ。ペニサスだよ、ジョルジュくん」
_
( ゚∀゚)「あんだと?!」
('、`*川「こんばんわ、こんばんわ」
思った通り、安酒でぐでんぐでんに酔っぱらってる。
んで二人がいるテーブルは川の近くにあり、倉庫からは10mほど離れてる。
倉庫の窓からは光が漏れていて、まあ中では今夜もそういうことをしてるんだろう。うん。
_
( ゚∀゚)「ここへは週に一回しか来るなっつってんだろ!
何しに来やがったんだ」
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:28:05.70 ID:z8bseU+z0
- 23.
(´・ω・`)「やっちゃおうよジョルジュくん、やっちゃってよ」
_
( ゚∀゚)「女買いにか? それとも俺らに抱かれたくなったってか?
俺の大鑑巨砲主義を味わいたいのかコラ」
('、`*川「下品だなあもう。やめてよ」
_
( ゚∀゚)「何が下品だこの悪党!」
('、`*川「悪党? わたしが?」
わたしは意外だなって顔をした。
('、`*川「そりゃ、自信を持って善人は言い切れないけど、でもね、物には言い方ってものがね」
_
( ゚∀゚)「うるせんだよ、アホが! 脳みそ入ってねえみたいな喋り方しやがって。
今週の売り上げの20%はもう納めただろうが、とっとと消えろ!」
(´・ω・`)「そうだそうだ。20%もぼったくりやがって」
('、`*川「ボッタクリなんかじゃないよぉ、だってあんたたちが大儲けしちゃうとわたしと権力が
逆転しちゃうもん。しょうがなくやってるんだよぉ」
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:31:20.24 ID:z8bseU+z0
- 24.
わたしは腕時計を見た。
そろそろすぐそばにある線路を、貨物列車が通る時間だ。
_
( ゚∀゚)「何がしょうがな……く、だ……」
テイザーを抜き、ジョルジュに狙いをつける。
(;´・ω・)「!?」
_
( ゚∀゚)「お、おいおいおい?! 何のつもりだ、やめろ!」
列車が来た。
引き金を引くとテイザーの端子が発射される。
圧縮ガスだから銃声はまったくしないんだけど、かなり耳障りな電子音が放たれる。
これは「わざと」で、テイザーをこっそり(不正に)使ったり出来ないようにという工夫。
ま、電車の通過に合わせてるからどっちみち掻き消されてるけど。
ビ―――ッ!!
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:34:33.65 ID:z8bseU+z0
- 25.
_
(;゚∀゚)「えぐっ!?」
端子はわたしが握り込んでいる本体とコードで繋がっていて、着弾と同時に電流を放つ。
ジョルジュが体を仰け反らせて気絶(ほんとは放心・弛緩状態らしいんだけど)したのを見届けると、
今度は呆然としているショボンに向けて撃った。
もう一つのソケットに収まっていた端子が発射され、ショボンに食らいつく。
(´;ω;`)「あばばばば!!」
ショボンもジョルジュの後を追って倒れた。
('、`*川「ふう。結構やるな、わたしって」
当たって良かった。
この銃、端子が二発しか入らない仕組みなんだよね。
さあ、これからが大仕事だ。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:37:54.21 ID:z8bseU+z0
- 44.で終わりだから、10時くらいには終わるんじゃね。
26.
('、`*川「よっと! うひー、重たい」
まず先にジョルジュを抱えて川の方へ引きずって行った。
コンクリートで舗装された川のふちまで来ると、顔を水辺に押し付ける。
しばらく彼の体はがくがくと痙攣していた。
まるで体は動かずとも魂が死に抵抗してるみたいに。
時計を見て10分ほど経過したのを確認してから、ジョルジュを水の中に放り込んだ。
続いてショボンも同じようにする。
('、`*川「きっちり片付いたぞ。どんなもんだい」
手をぱんぱんと叩いて埃を落とすと、わたしは意気揚々と引き揚げた。
本日のパトロール終了ってな顔で寮に入り、食堂で遅めの夕食を食べる。
('、`*川(とにもかくにも、これで問題が一つはなくなった。やれやれ、ほっとした!)
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:42:43.89 ID:z8bseU+z0
- 27.
体がちょっとだけ軽くなったような気がするし、布団もいつもよりも柔らかく思える。
そう、今のわたしは全世界の人々に優しく出来る。
さあ、眠るとしようかな。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ところが気分良くグッスリ眠れた、とは行かなかった。
わたしは久々に悪夢を見た。
母親が死んでからずっと見続けていた、あの夢を。
夢の中でわたしはお母さんに怒られてる。
怒られてるというか、なじられ続けている。
ひたすらわたしのことを、まるで人間になりそこねた人間モドキみたいに言うの。
(;;;;;)「なんでみんなみたいに出来ないの?!」
(;;;;;)「なんであんただけ……もう頭痛がする」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:45:31.53 ID:z8bseU+z0
- 28.
お母さんは人よりちょっとトロくて“人並み以下”だったわたしのことが許せなかったんだと思う。
それに人前では決まってわたしのことを馬鹿にして笑い物にした。
いつもわたしの事で悩むフリしてた。
お母さんは自分自身の問題から目を反らすため、わたしの悪いところばかり見ていた。
('、`*川「う、うーん……うーん」
今ではもう恨んでいないし、憎んでもいないと思ってたいたのに、またこの夢だ。
わたしは散々うなされて夜中に眼を覚ました。
('、`*川「……」
この夢を見た時はいつもと同じ、汗びっしょりで泣きながら気がつく。
そして布団に横たわりながら、これが現実であるという事を認識するまでぴくりとも動けない。
やっと金縛りが解けたと思ったころにドアがノックされた。
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:48:03.86 ID:z8bseU+z0
- 29.
こんな夜中に誰だろう?
('、`*川「はいはい。誰ですか、こんな夜中に」
ドアを開けるとツンがいた。
ξ゚听)ξ「ちょっと、ペニサス」
('、`*川「勘弁してよ、明日学校じゃんか。バイブ貸してあげるから一人でしてよ。
あ、ちゃんと洗って返してね」
ξ#゚听)ξ「ほんっっっとムカつくわねあんた。
誰があんたなんかに夜這いかけるもんですか!!」
('、`*川「じゃあ何なのさ」
ξ゚听)ξ「人が来てんのよ。あんたの友達」
その時、ツンを押し退けてつーがわたしの部屋に飛び込んできた。
後ろでにぴっちりドアを閉めてツンを締め出してから、わたしに掴みかかる。
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:51:21.15 ID:z8bseU+z0
- 30.
(*゚∀゚)「ま、まだやってないよね!? やってないよな?!?!」
('、`*川「へ?」
(*゚∀゚)「へ? じゃねーんだよボケッ!! あいつらのことだよ、殺したのか!?」
('、`*川「ころ……殺すって? ちょっとちょっと、何の事?」
(*゚∀゚)「いいからわたしの質問に答えろってんだよ、あの売春宿の連中だよ!!
昼間アドバイスした……」
わたしはつーを無理やりベッドに座らせると、部屋の奥にある冷蔵庫を開いた。
中に隠しておいたチューハイを取り出してきて彼女に飲ませる。
(*゚∀゚)「あ、ありがたい。グビグビグビ」
あーあ、ここじゃお酒は貴重なんだけどなあ。
まるまる一本一気飲みするとようやく落ち着いたらしく、つーは大きくため息をついた。
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:54:20.33 ID:z8bseU+z0
- 31.
(*゚∀゚)「それで、だ。誰も殺してないんだな?」
('、`*川「そんなわけないじゃんか。わたしは今日は虫一匹殺してないよ」
(*゚∀゚)「そうか、そうか。それを聞いて安心したよ。スゲー安心した」
('、`*川「いったい何だってそんなふうに考えたのさ?」
(*゚∀゚)「ん。ドクオの奴がさぁ、あんたが帰ってしばらくしてから言うわけよ。
『ペニサスさん、先輩の言ったこと曲解してませんかねえ? もしかしたら売春宿の
管理人を殺す気なのかも……それがもし露見したら、先輩タダじゃ済まないッスよ』って」
わたしは笑い出した。
('、`*川「あはははは」
(#゚∀゚)「笑いごとじゃねえ!!」
('、`*川「ごめんなさい。あーあーなるほどねー。
わたしが始末をつけるとか何とか言ったからそんな風に考えちゃったんだ?
当の本人……えーとつまりわたしは、勇気が持てなくて結局何にもできなかったのにねー」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:57:01.74 ID:z8bseU+z0
- 32.
(*゚∀゚)「何だ……何にもしてないのか?」
('、`*川「怖いんだもん……」
(*゚∀゚)「あー、ああ。そうか。うん、まあ、いい。
疲れたよ。めちゃくちゃ疲れた」
つーはベッドに仰向けに倒れた。
('、`*川「こんな時間に電車ないでしょ。どうやって来たの?」
(*゚∀゚)「貨物列車に乗せてもらった。賄賂でね」
('、`*川「そっか」
(*゚∀゚)「泊めてくれるでしょ? もう動けないよ」
('、`*川「そうしたいんだけど、ベッドがねー」
(*゚∀゚)「ちょっとちょっと、今から帰れっての?
もうへとへとなんだよ。どっか空いてる部屋は?」
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 21:58:38.65 ID:z8bseU+z0
- 33.
('、`*川「んー、みんな埋まってるんだよねえ……ああ、ホテルならあるけど」
(*゚∀゚)「ホテル? ホテルって……」
('、`*川「そ。その“ホテル”。でも、まあ、あんまオススメできないけどね。
最近あそこはウブな新入生が専門になってねー、それも粒揃いのカワイイ子ばっか揃ってんの」
(*゚∀゚)「……ゴクリ」
つーはそわそわし始めた。
('、`*川「色んなこと覚えたての娘ばっかりだし、そりゃもう客に体中の色んなスイッチを
押してもらいたがってるわけ。
行ったら一晩中相手させられるよ、だからお疲れならあんまり……」
(*゚∀゚)「うん、まあ、でもね、そこしか泊まるとこがないなら仕方ないかな!
さあ行こう、すぐ行こう」
やれやれ、この都市は現代のソドムとゴモラだな。
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 22:01:32.51 ID:z8bseU+z0
- 34.
わたしとつーは消灯時間がとっくに過ぎた夜の街に出た。
つーはやたら早足で、わたしはついてくのがやっと。
('、`*川「この道を線路沿いに行くと川に出るから。あとはすぐにわかると思う」
(*゚∀゚)「そ、そう。ありがと。じゃあね! ああ、早く休みたいなあ」
('、`*川「待って待って」
わたしははやるつーを押しとどめた。
(*゚∀゚)「な、なに!? 早く休みたいんだけど!」
('、`*川「昼間言ったじゃんかぁ。性悪の二人組が管理人やってんだよー」
(*゚∀゚)「ジョルジュとショボンだろ? あいつらのことなら任せとけって!」
前の任期にちゃーんとしつけといてやったんだから」
('、`*川「いや、んーとね、多分あいつら今頃どっかに飲みに行っちゃってると思うな。
他の悪ガキどもと一緒にさー。それに明日はきっと学校休んで昼まで帰ってこないよ」
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 22:04:03.75 ID:z8bseU+z0
- 35.
('、`*川「だからねーこうすればいいと思うの」
わたしは両手の平を胸の前で合わせ、続けた。
('、`*川「あっちについたらホテルの女の子にね、『ジョルジュとショボンならわたしが
思い知らせてやった』って言うの。
女の子たちも上前ハネるあいつらのこと嫌ってるし、あいつらの目も届かないってことになるし、
そりゃもう後はサービスタイム三昧ってわけ」
(*゚∀゚)「……なるほど、そりゃ悪くない」
つーはしきりに感心し、それからまた早足に歩き始めた。
わたしは手を振ってつーを見送った。
('、`*川「明日の始業前に戻って来てね。待ってるから」
(*゚∀゚)「わかった。色々ありがとね! ほんとに世話になった」
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 22:07:11.05 ID:z8bseU+z0
- 36.
つーは一目散に線路沿いの道を進むと、川っぺりに“ホテル”の明かりを見つけ、そこへ向かった。
角砂糖を見つけたアリみたいに、一路。
('、`*川「喜んでくれてはる、良かった良かった」
わたしは鼻歌を歌いながら家に戻った。
ツンの激しい詮索と嫉妬の嫌味をたっぷり聞いてからベッドに入る。
もう夢は見なかった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
さて、翌朝。
風紀委員にはみんなより先に登校して校門の前で待ち構え、服装やら生徒手帳の携帯やらを
チェックするという毎度の仕事があるが、今日はわたしの当番じゃないのでのんびり起きた。
('、`*川「ウウ、寝不足だ」
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 22:10:06.92 ID:z8bseU+z0
- 37.
夜中起こされたせいであやうく寝過ごしかけたが、わたしはちゃんと起きた。えらいよね。
髪型を正し、着替え、装備を身につけ、食堂で朝食を済ませて寮の門へ向かう。
腕時計を気にしながら待っているとつーがやってきた。
(ヽ゚∀゚) ゲッソリ
('、`*川(うわー、あからさまに干からびてる)
(ヽ゚∀゚)「お、おはよー」
('、`*川「ゆうべ は おたのしみ でしたね」
(ヽ゚∀゚)「い、いやー。一晩で一クラス分くらい相手にしちゃったよ」
('、`*川「ほら、これでもお飲みなさい。元気出るよ」
わたしがカフェイン入り栄養ドリンクを渡すと、つーは豪快に一気飲みをした。
するとほんのり頬に赤みが戻ってきた。
(*゚∀゚)「ありがたい」
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 22:12:18.17 ID:z8bseU+z0
- 38.
('、`*川「もう一本あるけど」
(*゚∀゚)「うん、もらっとこうかな。グビグビ」
つーはカフェインでにわかにカラ元気を取り戻し、ハイになってきた。
いや、徹夜だからかな?
(*゚∀゚)「ファイト一発! これからそのまんま学校に行けるぜ!」
('、`*川「駅まで送るよー。あ、でもその前に」
(*゚∀゚)「?」
('、`*川「みんなに挨拶してったら? ここら久し振りでしょう。
わたしもねー、つーちゃんと友達ってことは鼻が高いの。
ね、お願い! あんたと一緒にいるトコみんなに見せびらかしたいのよー」
わたしの必殺お願いポーズに、つーはうなずいた。
(*゚∀゚)「いいとも!」
- 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 22:15:04.25 ID:z8bseU+z0
- 39.
登校途中の友達や売店のおばさん、おじさん、それに教員にもわたしはつーを紹介しまくった。
一部の生徒にはこんなことも言った。
('、`*川「実はねー、つーちゃんがあの“ホテル”の管理人に思い知らせてやったんだよ」
( ´∀`)「へー、あのチンピラどもにモナ?」
(*゚∀゚)「?」
つーは何言ってんだこいつ、という顔をしたが、わたしは彼女にウインクして脇を肘で突いた。
「そういうことにしとこうよ」って顔で。
(*゚∀゚)「そ、そうとも! やってやったぜ」
( ´∀`)「大したもんだモナ」
('、`*川「じゃね、モナーくん。別の人にもつーちゃん紹介したいから」
( ´∀`)「うん、またモナ。いやー、あのチンピラに目に物見せてやるとはねえモナ」
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 22:18:05.99 ID:z8bseU+z0
- 40.
二人だけになった時、つーが声をかけてきた。
(*゚∀゚)「おいおい、いいの? わたしは何にもしてないよ」
('、`*川「いいのいいの。そういうことにしといて、もっとみんなに言ってやってくれない?」
(*゚∀゚)「ん。まあ、別にいいけど」
つーもまんざらでもなさそう。
それから彼女は人に引き合わせるごとに自分からホテルのことを話し、管理人に思い知らせてやったと
言った。
そりゃあ彼女はいい気分さ。
おまけに徹夜とカフェインのテンションでこの世に敵なしみたいな気分になってるし。
やがて駅につき、わたしたちの別れの時がやってきた。
(*゚∀゚)「あんたいいやつだなー。先輩の顔を立てるってこと、わかってるよ!
きっと出世すると思うな、うん」
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 22:20:45.59 ID:z8bseU+z0
- 41.
('、`*川「いやいや。こちらこそほんとありがとね」
電車が来るまでまだ後2分くらいある。
('、`*川「うぷぷ」
(*゚∀゚)「?」
('、`*川「いやー、つーちゃんが夜中に飛び込んできたときの形相を思い出しちゃってねー」
(*゚∀゚)「あはは。ほんとにねー。バカな話だよ、あんたが人殺しだなんてね」
('、`*川「わたしにそんな度胸あるわけないって。でもつーちゃんにはあるかもね」
(*゚∀゚)「おいおい」
('、`*川「え? だって自分で言ったじゃない、今さっきみんなに」
(*゚∀゚)「……??」
('、`*川「あのねつーちゃん、もしもの話だけどね、もしも誰かがジョルジュとショボンを
殺しちゃってたら、それが誰であれ、もう犯人はつーちゃんしかいないと思うの」
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 22:24:53.74 ID:z8bseU+z0
- 42.
つーの顔色からスポイトで抜かれてるみたいに血の気が失せてく。
(* ∀ )「お、お前……まさか!!」
('、`*川「まあこんな状況だし。
つーちゃんは前任であいつらと知り合いなわけでー、風紀委員と売春宿のチンピラだし、
過去にトラブルは山ほどあっただろうし、となるといくらで動機がねぇー」
(*゚∀゚)「は、ハメやがったな!?」
('、`*川「ハメたのはあんたでしょ。性的な意味で、なんつって」
あれ、ウケないな。
まったくわたしの空気の読めなさってのもちょっとしたもんだな。
('、`*川「大丈夫だよ、死体はきっと見つからないよ。
海まで流れてサメとかヤドカリに食べられてなくなっちゃうって!
元気出してよ、そんな顔しないでさ」
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 22:27:41.93 ID:z8bseU+z0
- 43.
(;゚∀゚)
ベルが鳴る。電車が来た。
放心状態のつーを電車に押し込み、わたしは彼女に手を振って見送った。
とっておきのスマイル付きで。
誰だって友達を送り出す風景に見えるだろう。
('、`*川「んーっ……」
わたしは晴れ晴れした気分で思いっきり伸びをした。
ほんといっぱい伸びをしたんだ。
制服の上着がめくれておへそが見えちゃうくらいに。
('、`*川(おお、一か月ぶりの便秘が解消したかのような気分だ)
ほんとすっきり。さあ、学校へ行かなきゃね。
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 22:30:28.68 ID:z8bseU+z0
- 44.
腕時計を見るとすでに時間がまずいことになってた。
ありゃりゃ、こりゃつーちゃんも遅刻だな。
('、`*川「うひー、遅れるぅ」
跳ねるように街を駆け抜ける。
この調子で残りの問題が片付いていくといいな。
あ、“ホテル”の新しい管理人を見つけとかないとなー。
今度は前のやつらみたいに50%を20%に値切ったりしないようなやつを選ばないとね。
ペニサス伊藤17歳!
風紀委員として、ポッツヴィルの生徒として、今日も一日がんばりまっす!
続く(逃亡しなければ)
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 22:33:43.76 ID:z8bseU+z0
- おわりです
支援どうもでした
皆様の応援が創作の活力です
おまけ
('、`*川は原作ではニック・コーリーという保安官のおっさんで、舞台は
昔のアメリカの片田舎にあるポッツヴィルという小さな町です。
当然同性愛者でもなく、ツンとかクーとかつーに当たる人物はみんな男です。
原作すんごい面白いんで暇だったら読んでみてください。
文調が小学生でも読めるくらいユルいのですらすら読めます。
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/27(土) 22:35:03.68 ID:z8bseU+z0
- いや違った、ツンクーは女でつーが男なんだ。
どうも性別転換は混乱して困るアッー