523 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 00:57:40.63 ID:SYdq1WXRO
空気なんか読めないからサクサク行くよ





〜( ゚д゚ )行け!ミルナ小隊!なようです〜


527 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 00:58:47.10 ID:SYdq1WXRO

7月21日 


先行した砲撃、空挺部隊の進行に続き鮫島北部より進行する後続の歩兵部隊。

ラウンジ軍のミルナの小隊が密林地帯を行く。



533 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:00:01.03 ID:SYdq1WXRO

前方から複数の気配と共に、微かな話し声が聞こえてきた。



(α_α)「なかなかラウンジ兵に会いませんね……」


(βーβ)「他の部隊がほとんど潰したんじゃね?」


(´Ω`)「そうしてる間にもラウンジ兵が近くに来てるかもよ?」


('*3'*)「冗談キツいね」


(ΘωΘ)「もっと緊張感を……」


(γーγ)「お腹空いたんデシ」

前方から6人のVIP兵が近づいてくる。

こちらには気づいていないようだ。



538 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:02:52.75 ID:SYdq1WXRO

( ゚д゚)「オサム、ジョルジュ二人は右から回り込んで奴らをかき乱せ……
    ダイオード、お前は俺と正面から行くぞ」

 _
( ゚∀゚)【+  】/゚、。/「了解……」


( ゚д゚)「……よし、散会しろ」

オサムが木々の合間を音もなくかいくぐり、VIP兵側面へ回り込む。

少し遅れてジョルジュがそれを追う。

ミルナとダイオードは身を低くし、少しずつ前進する。

足を止め、ライフルを構えてトリガーに指を掛ける。



540 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:03:55.44 ID:SYdq1WXRO

VIP兵の足音が徐々に近づいて来る……。

汗が頬を伝い、流れ落ちた。


次の瞬間


密林の中に、連続して響きわたる銃声、それに幾つかの悲鳴が重なる。

そして、辺りは静寂に包まれた。



542 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:05:48.38 ID:SYdq1WXRO

呆気なく終わった

ラウンジの軍服を着た数人の兵士が、VIP兵の血で澱んだ土を踏みしめる。


(;α皿α)「ウギギギ……」

地に転がる数人のVIP兵、血を流してはいるが、まだ息のある兵士もいる。


【+  】「……」

無心で銃剣を背中に突き立て、止めを刺した。



546 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:09:06.48 ID:SYdq1WXRO
/゚、。/「……」

ダイオードは周囲の警戒を続ける。

 _
(;゚∀゚)「……」


(;ΘωΘ)「……、……」

隅の方でジョルジュが倒れたVIP兵の近くで何かをしているようだ。


少し気にかかり声をかけてみた。


( ゚д゚)「どうしたジョルジュ?」

 _
(;゚∀゚)「!!」

ジョルジュはビクリと体を振るわせ、立ち上がった。


( ゜д゜)「?」

 _
(;゜∀゜)「何も……、何でもないです」


549 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:09:41.28 ID:SYdq1WXRO
なんか目が変だ

550 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:11:34.00 ID:SYdq1WXRO

たしか、元神父だったか。

妙な事をしていなければいいが……。

ジョルジュに背を向け、先へ歩を進める。


( ゚д゚)「……いつまでも此処にいても意味がない
    先へ進むぞ」

隊列を組み直し、密林地帯を南下していく。

それからは、VIP兵と遭遇することも無く2日が過ぎた。



553 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:13:22.52 ID:SYdq1WXRO

7月23日 夕刻

時折足を止め、後方に気を配る。


( ゚д゚)「……」

そのとき、鼻先に水滴が当たった。


( ゚д゚)「ん……?」

空を仰ぎ見る、水滴が量を増していき軍服に斑点が出来ていく。


( ゚д゚)「雨……か」



554 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:16:00.47 ID:SYdq1WXRO

気にせず進行するが、雨はどんどん強くなっていく。

すると後ろからダイオードが駆けよってきた。


/゚、。/「ミルナ准尉……」


( ゚д゚)「何だ、ダイオード?」


/゚、。/「このあたりは地盤がゆるい……。
    この雨では進行に支障をきたすやも、一度歩を休めてみては?」



558 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:17:51.50 ID:SYdq1WXRO

そう言いながらダイオードは後続に視線を向ける。


【+ ;】「……」

 _
(;゚∀゚)「ゼェゼェ……」

二人とも肩を上下させていた。


( ゚д゚)「ふむ……、少数での進行に支障が出てはさすがに……
    仕方ない、ここで野営を組む事にする」



563 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:23:08.59 ID:SYdq1WXRO
オサムの背負う荷物を広げて、簡易テントを張っていく。

テントといってもシートを木等に固定するだけの雨をしのげる程度の物だ。

兵器に金を回すのは良いが、こういった物もちゃんとしてほしいな。


作業の最中、ふと横を見る

 _
( ゚∀゚)「……」

ジョルジュが空を見上げ、手を止めていた。


( ゚д゚)「どうしたジョルジュ?」

 _
( ゚∀゚)「え、あ……いえ別に……」

黙々と簡易テントを張っていく。

その間の見張りはオサムに任せた。



565 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:25:19.50 ID:SYdq1WXRO
ダイオードは隅の方で夕食の準備をしている。

テントを張り終わると、私とジョルジュはその間に装備の点検を行う。


/゚、。/「飯が出来ましたよ」

皆がダイオードの下へ集まり、食料を受け取る。


【+  】ゞ゚)「ハグっ、ハムハム」

缶詰めからコンビーフをフォークで掘り出し、頬張る。


/゚、。/「ズズ、ジュルル、モニュモキュ」

飯盒の縁に残った米粒を削り落とし、中へ固形スープと湯を注ぎ啜る。



568 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:27:06.05 ID:SYdq1WXRO

( ゚д゚)「カムカムゴックン」

包みからハムを取り出し、丸かじりにする。

唾液と混ざりあって、肉のうま味が口内全体に広がっていく。

 _
( ゚∀゚)「……」

ジョルジュは握り飯片手に上の空だ……。


/゚、。/「どうした?」

ダイオードがそんなジョルジュの肩をポンと叩く。

 _
(;゚∀゚)「っ……!?」

体をビクリとさせ、握り飯が宙を舞う。



570 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:30:23.12 ID:SYdq1WXRO
 _
(;゚∀゚)「うわっ!」

ヒョコヒョコと握り飯が、お手玉のように手の上で数回跳ねた。

ジョルジュは慌ててワタワタしていたが、何とか受け止めることが出来たようだ。


/゚、。/「どうしたんだ?」

 _
(;゚∀゚)「いや……、ちょっと気分が悪くて……」


【+  】「体調管理はしっかりしておけや……」


( ゚д゚)「ジョルジュは飯を喰ったら先に寝とけ、見張りの交代も後に回す」

 _
(;゚∀゚)「……すみません」



574 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:32:41.70 ID:SYdq1WXRO
ジョルジュが隅の方で横になる。


( ゚д゚)「ふむ……」

やはり妙だ。


( ゚д゚)「ダイオード」

焚き火の燃えカスに土をかけているダイオードを呼びつけた。


/゚、。/「はい?」


( ゚д゚)「ジョルジュの様子が妙だ……、出来るだけ目を離すな?」


/゚、。/「……わかりました」


−−−



576 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:35:30.59 ID:SYdq1WXRO

7月23日深夜


/゚、。/「……」


【+  】「よぉし……、時間だ。あとは任せたぞダイオード、ジョルジュ」

 _
( ゚∀゚)「……」

ダイオードに揺すり起こされ、ジョルジュに見張りの順番が回ってきた。

オサムは薄い毛布に身をくるんで横になっる。



見張りの順番はミルナとオサムが最初起きて、ダイオードの順番がくればミルナが眠る。
そして、ジョルジュがくればオサムが眠り、最初へ戻るといったローテーションだ。



578 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:37:52.36 ID:SYdq1WXRO
/゚、。/「……」

 _
( ゚∀゚)「……」


静寂。


/゚、。/「……」

 _
( ゚∀゚)「……」


静寂。

 _
( ゚∀゚)「ちょっと……、用を足してきます」

/゚、。/「あぁ……」

 _
( ゚∀゚)「すぐ、戻りますから」



583 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:42:18.60 ID:SYdq1WXRO
/゚、。/「交代までの時間も無いから、さっさと済ませよ」

 _
( ゚∀゚)「はい」

そう返事をするとジョルジュは草むらへ向かって行った。

ガサガサと草が揺れる音……

ゴソゴソと服が擦れる音の後、ジョボジョボと大地に向けて発射される音が聞こえてきた。


数十秒音が続く……


/゚、。/「……」


二分後、未だに音は聞こえている……。


/゚、。/「妙だぞ……」

立ち上がり、草むらへ向かう。


586 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:43:56.88 ID:SYdq1WXRO

/゚、。/「ジョルジュ、いつまで出してんだ……?」

草むらをかき分け、そこで見たものは……


木へ逆さに吊された空の水筒と、今し方出来たばかりであろう水たまり。


/゚、。;/「これは……!? あの野郎っ……」

ダイオードはキャンプへと駆け戻る。


589 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:44:42.78 ID:SYdq1WXRO


木陰からその様子を伺うジョルジュ……

 _
( ゚∀゚)「行ったかな……」

ダイオードが去っていくのを見届けると、ジョルジュは密林の奥へと一人消えていった。



−−−


590 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:47:25.29 ID:SYdq1WXRO
7月24日 夜明け前


【+  】「ジョルジュが居ないだぁ……!?」


( ゚д゚)「……」

やはりか……。


(゚、。;)「すまない……、私の不注意だ。本当に申し訳ない……」

ダイオードが帽子を脱ぎ、スキンヘッドを露わにして頭を深々と下げる


【+  】「もっと気ぃ張りやがれや」

オサムはダイオードの頭をペチペチと叩く。



592 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:50:54.60 ID:SYdq1WXRO
( ゚д゚)「ふむ……、起こってしまった事はしかたないだろう……
    切り替えていくしかあるまい」

そう言うと、出発の為の準備を黙々と始めた。

幸い、ジョルジュは作戦に必要な物は全て置いていったようだ。


【+ ;】「しかしジョルジュが抜けた穴をどうしろと……」


( ゚д゚)「ジョルジュは戦死した。
    そう考える方が現状に対しての対応もしやすかろう?
    当然見つけ次第その場で銃殺だがな」


【+ ;】「……」


(゜、。;)「……」



598 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:54:30.25 ID:SYdq1WXRO
( ゚д゚ )「いつまでボーっと突っ立ってる!?
     早く準備を済ませて先行部隊との合流地点へ行くぞ!」


【+  】「……はい」


(゚、。)「わかりました」


【+  】「とりあえず帽子被れよ」


/゚、。/「……」

ダイオードは帽子を被り直した


オサムとダイオードも直ぐに出発の準備を済ませ、ミルナの小隊は鮫島南部へと進み行く。


−−−


600 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 01:57:11.01 ID:SYdq1WXRO
7月28日 夕刻


(;゚д゚)「なんだこれは……」


【+ ;】「こいつぁ……」


/゚、。;/「どういう事だ!?」

ミルナの小隊は先行部隊との合流地点に到着するが、そこで信じられない光景を目にする。

そこには焼け焦げた血肉の臭いが漂わせるラウンジ兵の死体の山と、
まだ新しい、いくつもの砲弾で地面が抉れた跡の残る野営地だった場所……。


604 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:00:48.13 ID:SYdq1WXRO
不意にミルナが何かに気付き、視線をそちらに向けた。


( ゚д゚ )「……!!」


近付く風切り音


(;゚д゚)「伏せろおおお!!」


/゚、。/「!?」

【+  】「!?」

素早く反応し、地面に飛びつくように伏せる。

同時に爆発音と激しい衝撃が眼と鼻の先で炸裂した。


610 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:05:56.11 ID:SYdq1WXRO
焼け焦げた土が巻き上げられ、バラバラと頭上から降り注ぐ。


視線の先には視線の先に、かすかだが黙視出来た。

地面から突き出した半球とそれから伸びる長い砲頭。


( ゚д゚)「あんな物は、報告には無かったな……。
    アレの射程内に合流点を置くとは、上の奴らは能無しか?」


【+  】「さすが、軍事拠点ってだけはあるじゃないの」


/゚、。/「固定砲台、トーチカの類か……厄介ですね。
    どうします?」



611 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:07:49.56 ID:SYdq1WXRO
( ゚д゚)「無論、潰すに決まっている」


/゚、。;/「なっ!?」


( ゚д゚)「狼狽えるな、ダイオード伍長。
    相手は戦車でも戦闘機でも無い、たかが固定砲台だ。すぐに片付く」


【+  】「ν速戦線以来だな……、こんな無茶するのはよぉ」



−−−


615 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:14:01.37 ID:SYdq1WXRO
固定砲台、VIPキムチ中隊


( `ハ´)「やったアルか?」


<ヽ`∀´>「ニダか?」


(-◎_◎)「いえ、よくわかりやせん……」


( `ハ´)「なら、もっと! もっと撃つアル!
     VIPの防衛線を抜けさせるわけには行かないヨ!!」


<ヽ`∀´>「ニダニダよ!!」

固定砲台からは、次々と砲弾が放たれていく。



618 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:15:41.75 ID:SYdq1WXRO
そのとき、突如として固定砲台の内部が煙で充満していく。


<;`Д´>「煙いニダっ!! こりゃタマランヨ!!」


(;-◎_◎)「いけません! ニダー伍長警戒をっ!!」

眼鏡の兵の制止を振り切り、エラが角張った兵が外へ飛び出す。


「ああああああああ!!」

続く断末魔。

煙の向こう側で首がはね飛ぶ人影が見えた。


620 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:16:37.77 ID:SYdq1WXRO
(;`ハ´)「っ!!
     き、貴様等……何処から入った……アルk」


【+  】「セッ……!」

オサムが煙いの充満する固定砲台へ飛び混み、髭の男に銃剣を突き刺した。


(;゚パ)「ぐぎゅっ……!!」


【+  】「……」

そのまま射撃、弾丸を撃ち込むと同時に銃剣を引き抜く。
返り血が霧のようにオサムに降りかかった。


622 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:19:06.45 ID:SYdq1WXRO
(;-◎Д◎)「ヒィアアアアアア!」

眼鏡の兵が床を這うように逃げまどう。


( ゚д゚)「若いな……だが、悪く思うなよ? これは戦争だからな」


(;-◎_◎)「ヒッ!?」

逃げまどうそいつの背を踏みつけ、動きを止める。
拳銃で頭を狙いを定め、弾丸を二発撃ち込んむ。


625 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:21:51.54 ID:SYdq1WXRO
煙幕の煙が晴れていき、ダイオードがナイフに付着した血を拭き取りながらやって来た。


固定砲台の周りには、10名程で構成されたVIPの中隊が配置されていたが、
どの兵も徴兵されて間もない者がほとんどだったのか、掃討には大した時間はかからなかった。


/゚、。/「あっけなかったですね……」


【+  】「煙幕程度でパニックになるとはな……
     少し哀れだったぞ」

心にもない事を……


626 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:25:29.74 ID:SYdq1WXRO

( ゜д゜)「徴兵したというのに、まともな訓練を受けられなかったか……
    人員不足なのはわからんでも無いが……」


【+  】「VIPは資源も無し、兵も無しでよくこんな戦争をやr」

言いかけて、オサムが頭から鮮血をまきちらしながらその場に倒れた。


/゚、。;/「な!?」


(;゚д゚)「くっ……。物陰に身を隠せっ!」


629 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:28:40.55 ID:SYdq1WXRO
固定砲台の裏手に回り込み、そこから倒れたオサムに視線を向けた。


【+ ;】「う……が……」

まだ息がある……。

どうやら弾丸は右頬に命中し、下顎骨を砕いてそのまま貫通していったようだ。


(;゚д゚)「息はあるな……? じっとしてろ、奴を片付けたら助けてやる……っ!?」


【+ ;】「うがぁ……!」

オサムが立ち上がり、ライフルを脇に構えて乱射しだした。


【+ ;】「あうがっ……、ぃうぁあああああ!!」

オサムのライフルが激しく唸りを上げる。


635 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:30:27.82 ID:SYdq1WXRO
弾が付き、オサムが弾装を取り出そうと腰に左手を伸ばす。

が、


【+ ;】「ぅあ……!?」

左手の指が飛んだ。

手から血が吹き出す。

オサムがライフルを投げだし、右手を抱え込む。


【+ ;】ゞ゚)「ああああああああああ!!?」

次の瞬間、オサムの後頭部から真っ赤な液体と薄桃色の物体が飛び出す。

そのまま体が弾かれたように後方へ仰け反り倒れると、オサムは動かなくなった。


639 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:35:23.20 ID:SYdq1WXRO
(;゚д゚)「っ〜〜!?」


/゚、。;/「隊長!? 軍曹は!? オサム軍曹はっ!?」

ダイオードの位置からはオサムが見えない、指示を出そうにも状況が悪すぎる。


(;゚д゚)「オサムはやられた。ダイオードは物陰に隠れて敵の隙を伺え!」

ダイオードに指示を出し、顎に手を当て考える。

( ゚д゚)「弾薬は……、さっきの掃討で尽きたようなものか、補給部隊を潰されたしな。
   それに、相手の戦力がわからん、どうする……?」


642 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:36:02.56 ID:SYdq1WXRO
ミルナ達とは逆方向の草むら。


(;^Д^)「まさか、今の奴が起きてくるとは……、狙いが甘かったか?
     弾薬も尽きかけてるってのに……」

一人のVIP兵、プギャーがライフルの弾装を外し、残弾数を確認した。


(;^Д^)「あと7発かよ……、だが泣き言を言ってる場合でも無いな」

弾装をライフルにはめ直し、構えた。


643 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:37:14.09 ID:SYdq1WXRO
( ^Д^)「VIPとしてもそうなりゃ痛いが……、所詮負け戦だ。
     それだけなら、こんな場所から逃げちまいてぇ……だが、
     このラインを越えると、あの場所に行かれちまう可能性がある。
     貴様等を行かせるわけにゃいかねぇんだよ!!」

そのまま、草むらから飛び出して行った。



/゚、。/「来たっ……!」

草むらから人影が飛び出してくる。

すかさずダイオードがそれに狙いを定め、ライフルのトリガーを引く。

弾丸が何発も命中し、鮮血をまき散らしながら倒れる。


648 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:38:04.06 ID:SYdq1WXRO
/゚、。;/「!?」

弾丸をばら撒いた。

しかし倒れているのは首を掻き切られた痕のある死体……。


/゚、。;/「これは……!?」


( ^Д^)「トラップだ。わりぃな……」

後ろから声、振り向く間も無く背中から何かがズブリと入ってくる。


649 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:39:03.85 ID:SYdq1WXRO
/゚、。;/「ぐっ……」

それが焼けるように熱くなり、体の中心を抜けていく。

冷たい汗が体中から流れ出す。


/゚、。;/「グブっ……」

血を吐きながら、視線をゆっくりと下に下げる。

血で真っ赤に染まった刃が胸の辺りから突き出していた。


652 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:41:36.95 ID:SYdq1WXRO
/゚、。;/「ぐっ……、んっ……」

刃に力が込められ、体が少しずつ浮かされる。

つま先で立つほどに体が持ち上げられ、激痛で意識が飛びそうになる。


( ^Д^)「……」

銃剣でダイオードを串刺しにしたまま、ライフルのトリガーを数回引いた。


/、。;/「ぐっ、ぶっ、づぁっ……!」

一度引く度に体がビクリとダイオードの体が痙攣し、胸部から血が吹き出した。

銃剣を引き抜くと、糸の切れた人形のように倒れ伏せた。


( ^Д^)「あと4発……」

ライフルを構え直し辺りを見渡す。


656 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:42:59.17 ID:SYdq1WXRO
離れた位置でガサリと草をかき分ける音、視線を向けるが既に人影は無し。


(;^Д^)「っ!? 林を抜ける気か、行かせねぇぞ……!!」

それを追い、林の中へと駆け出した。


−−−


661 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:48:31.91 ID:SYdq1WXRO
( ゚д゚)「そうだ、追って来い。奴ら……全員潰してやるぞ」

ミルナが木々の影からプギャーを待ち伏せする。


( ^Д^)「何処だ……」

徐々にミルナの潜む場所へ近づく。


(;゚д゚)(一人っ!? 残りは林の外か……? まぁ良い、殺す事には変わりないからな)

ミルナが狙いを定め、ライフルのトリガーを引き絞る。


( ゚д゚ )(死ねぇっ!)

トリガーを引いた。

金属音が響く。


(;^Д^)「!?」


662 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:49:33.61 ID:SYdq1WXRO
だが……、弾丸がライフルから放たれる事は無かった。


(;゚д゚)「た、弾詰まりだとおおおおおお!?」


(;^Д^)「そこかっ!!」

プギャーがミルナへライフルを向け、トリガーを引く。

3発の弾丸が放たれるが木に妨げられミルナには命中しなかった。


664 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:51:32.92 ID:SYdq1WXRO
(;゚д゚)「くそっ、くそっ! なんてツキが悪いっ……」

ミルナは身を隠しながら弾装をガチャガチャといじり回すが直りそうもない。


( ^Д^)「出てきやがれっ! 貴様の息の根止めてやるぜラウンジ野郎!!」

銃口をミルナが身を隠す方へ向け叫ぶ。


(;^Д^)(とはいえ、残るはあと1発か……)

手に汗が滲む。


(;゚д゚)「イチバチだ……、覚悟を決めろミルナ」

銃剣の取り付け箇所を念入りに確認した。


(;゚д゚)「よし……」

ライフルを握りしめ、立ち上がる。


(;^Д^)(外せねぇ、外せねぇ、外せねぇ……)


665 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:52:38.36 ID:SYdq1WXRO
木の影からミルナが飛び出してきた。


(#゚д゚)「るぁあああああああああ!!」

銃剣を構え、駆け出す。


(#^Д^)「あああああああああ!!」

トリガーを引いた。

弾丸が放たれる。

真っ直ぐミルナへ向かう。


670 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:54:52.65 ID:SYdq1WXRO
(;゚д゚)「くっ……」

弾丸はミルナの右肩を掠めていった。


(;^Д^)「ちっ……、外した」

プギャーもライフルを構え直し、銃剣をミルナへ向ける。


( ゜д゜)「うるぁ!」

銃剣が突き出される。


( ^Д^)「うおおおっ!」


673 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:55:31.28 ID:SYdq1WXRO
紙一重で受け流し、銃底でミルナの顎を跳ね上げた。


( ゚д゚)「グブっ……、つぁあああ!」

血を噴きながらミルナは銃剣を振るい、プギャーの胸部を斜めに斬り裂く。


(;^Д^)「ぐぅっ……」

浅い。


( ゚д゚)「うおっ!」


( ^Д^)「かあぁ!」

676 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:58:25.49 ID:SYdq1WXRO
更にお互いの距離を詰め、銃底、銃の腹で打ち合う。


( ゚д;゚)「ぐぁっ」

顔面を打ち据えられ、鼻血が噴き出しす。


( ^Д(#)「ぶはっ!」

横っ面を殴打されて左目の辺りが腫れてきた。

そのまま十数秒打ち合う。

端から見るとガキのチャンバラだ……。

不意に互いの距離を離す。


( ;#д;゜)「ぐ……、あぐぁ……」


( ^;Д(#)「う……、うお……」


677 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 02:59:01.18 ID:SYdq1WXRO
睨み合い、ライフルを握り直す。

地を蹴り同時に駆け出した。


( ;#д;゚ )「うあああああああああ!!」


( ^;Д(#)「ぐおおおおおおおおお!!」

お互いの銃剣がぶつかり合い、交差する。


−−−


683 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 03:02:28.22 ID:SYdq1WXRO


( ;#д;゜)「うぅ……、まさか本当に一人だとはな……」

血が溢れ出る腹部を押さえ、仰向けになって倒れるミルナ。


( ^;Д(#)「……」

自分の右腕に包帯を巻きながらそれをプギャーと名乗ったVIP兵が見下ろす。


( ;#д;゜)「どうした、早く殺せ……」


( ^;Д(#)「そうしてぇが、手持ちの武器が尽きちまったんだ。
     武器拾ってきて戻ってくるのも面倒だしな」


684 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 03:03:18.93 ID:SYdq1WXRO
( ;#д;゜)「苦しんで……、死ね……ということか……?」


( ^;Д(#)「そう受け取ってもらっても構わんぜ……。
     じゃ、行くわ。俺にはまだ守りたい人たちが居る。
     それを守り抜かなきゃならねぇからな……」


( ;#д;゜)「意外だな……」


( ^;Д(#)「んぁ……?」


( ;#д;゜)「VIP兵は傲慢な殺人凶だらけと聞いたが……」


( ^;Д(#)「戦争になりゃ誰でもそうなるんじゃねえか……?」


( ;#д;゜)「否定できんな……、現に私はそうなった……」


686 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 03:04:40.72 ID:SYdq1WXRO
( ^;Д(#)「だが、俺はそうなっちまうのが嫌だった……。
     いや、怖かったと言うべきか?」


( ^;Д(#)「戦争が始まってしばらく島内をさ迷ったよ……戦いから逃げまくってた。
     そして、俺は戦う理由を見つけた。それを守りたいと思ったから戦ったんだ」


( ;#д;゜)「守りたい……か」


( ^;Д(#)「ああ、だから俺はここにいるんだ……」


( ;#д;゜)「俺には……、何も無かった……な……」


689 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 03:07:25.10 ID:SYdq1WXRO
( ^;Д(#)「俺はもう行くぞ……」

自分の応急手当てを終え、プギャーが背を向け、歩き始めた。


( ;#д;゜)「ぐ……、待て……」


( ^;Д(#)「?」

プギャーが振り向くとミルナが半身を起こし、片手で拳銃を構えていた。


( ;#д;゜)「……」


( ^;Д(#)「……」


睨み合い、空気が張りつめる。


691 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 03:08:37.51 ID:SYdq1WXRO
( ;#д;゜)「持ってけ……」

拳銃を手元で回転させてグリップをプギャーに向けた。


( ^;Д(#)「……」


( ;#д;゜)「守り遂げてみせろ……、決めたんなら最後までな……」


( ^;Д(#)「おう……」

プギャーが拳銃を受け取り、ベルトに差し込む。

そのまま背を向け、プギャーは林の中へ消えていった。


694 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 03:12:11.37 ID:SYdq1WXRO
プギャーの姿が見えなくなると、ミルナはゆっくりと仰向けに体を横たえ、空を見つめた。


( ;#д;゜)「……」

木漏れ日と、風で揺れる木々のざわめきに目を細める。

どこからか鳥の囀りが聞こえてきた。


( ;#д;゜)「鳥が、島に戻ってきたか……。この戦争もそろそろ終わるか……」

視界にもやが掛かっていく。

傷の痛みが無くなり、何故だか気分が晴れ晴れしている。


( ;#д;゜)「疲れたな……、少し眠るか……」

ゆっくりと眼を閉じた。



ミルナは深い、深い眠りに着いた。



−−−


699 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 03:15:57.57 ID:SYdq1WXRO
ミルナは死に、プギャーの行方を知るものも居ない。

戦争で何千、何万もの兵士が死んでいった。

人が数え切れない程死んだ。

戦う兵士は戦う内に戦う理由を忘れ、ただ殺し合う。

それだけの事。

それだけの話。

だが、それがあったから、戦争があったから今がある。

未来がある。



生きよう





700 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 03:17:03.78 ID:SYdq1WXRO



〜( ゚д゚ )行け!ミルナ小隊!なようです〜

おわり

711 名前:( ゚д゚) ◆8pP6SaUBG6 :2007/08/28(火) 03:19:35.81 ID:SYdq1WXRO
私の投下は終わりです。


ありがとうございました

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