( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
- 12 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:02:18.57 ID:gNnFpEI2O
- ( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
第九話。
『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
シューと共に親友であるドクオのいるアジトへ向かう途中に敵勢力に出会い、そのボスのデミタスに2人は敗北してしまったのであった。
今回の敵は!?今回の安価は!?
冬の寒さで作者のストマックが土石流なのだが、本当にちゃんと投下できるのか!?
- 18 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:04:45.41 ID:gNnFpEI2O
- ※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「〜能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。
今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
- 23 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:08:35.11 ID:gNnFpEI2O
- 廃ビル、という表現で正しいのだろう。そこにはあるグループのアジトがある。
そこに一つの足音があった
爪'ー`)y-「たっだいまー」
(`∠´)「おお。遅かったな。誰かと戦いでもしたか?」
爪'ー`)y-「いや、べつに」
(`∠´)「そうか。しかしみんな遅いな。回復タイムでしこたま酒を手に入れたんだ。早くまた飲みたいもんだ」
爪'ー`)y-「こんな廃ビルじゃ襲われる心配もないもんな」
(`∠´)「お前もどうだ?フォックスよ」
爪'ー`)y-「あー…いやさ。俺ってばタバコはいけるけど酒はからっきしなもんで。ベルさん酒強くていいよなぁ」
- 30 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:11:50.14 ID:gNnFpEI2O
- (`∠´)「はは、残念だな。この戦いに生き残ったら、いい店を紹介してやりたいんだがな」
爪'ー`)y-「ベルさんそれ死亡フラグw」
爪'ー`)y-「まぁ、実際あんた今から死ぬんだけどな」
(`∠´)「え」
ドスッ…、と何かが何かに刺さる音がする。
ベルは自分の脇腹を見る。それは実にわかりやすかった。
仲間の、フォックスの持つナイフが、自分の脇腹に刺さっている。
( ∠ ;)
いや………フォックス、じゃない
/ ,' 3「どーも偽物です」
誰だ、この老人は。
- 47 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:20:12.79 ID:gNnFpEI2O
- (`∠´;)「ぐ…あ……」
/ ,' 3「【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】、『完全模倣』。騙された事には恥じなくていい。言わばドッペルなんとかみたいなもんだからな、ワシは」
(`∠´;)「きッ…さまァァァァ!!」
/ ,' 3「あら、まだ死なないか。仕方ない。【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】…」
/ ,' 3「この、『ナイフの切れ味』」
そう言いながら、ベルの首に手刀をかます荒巻。
しかし、彼の手はおよそ人間のものとは思えない切れ味で、ベルの首を断ち切った。
/ ,' 3「………ふぅ」
これが、荒巻の力。
彼にコピー出来ないものは、何もない。
- 56 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:25:03.60 ID:gNnFpEI2O
- 体に浴びた返り血に嫌気をさしながら、荒巻は携帯電話を取り出す。
/ ,' 3「……もしもし、ドクオか?終わったぞい」
『ああ、ありがとうな。そろそろ戻ってこいよ』
電話相手は、ドクオ。彼の所属するチームのリーダー的存在だ。
/ ,' 3「そうじゃな。そうし………」
荒巻の言葉は、ふとそこで止まる。
『………どうした?』
/ ,' 3「いや、なんでもない。じゃあまた後でな」
『ああ』
ピッ、と電話を切り、荒巻は呟く。
/ ,' 3「……なんか…嫌な予感のする日じゃのぅ…」
- 65 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:31:20.99 ID:gNnFpEI2O
- 長岡ジョルジュは公園にいた。
同時に、何かの不穏な空気を感じていた。
_
( ゚∀゚)「……なんだろなぁ…」
公園のベンチに寝そべりながら、呟く。
_
( ゚∀゚)「何がこんなに、俺を不安にさせてんだか……」
「おーい!!ジョルジュー!!」
_
( ゚∀゚)「んお」
(;´∀`)「大変だモナ!ベルの一味が…潰されたって!!」
_
( ゚∀゚)「………」
(;´∀`)「あのドクオとかいうやつらのチーム、最近やたらと活発だモナ。なんか怖いモナ……」
_
( ゚∀゚)「……いや、それじゃあないんだよなぁ」
( ´∀`)「え?」
_
( ゚∀゚)「あ、いや、何もない」
- 73 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:35:07.86 ID:gNnFpEI2O
-
( ´∀`)「でもどうするモナ?僕らも、もっと仲間増やした方がいいんじゃ…」
_
( ゚∀゚)「あせんなよ。どーせザコが増えたところで一緒だっつの」
_
( ゚∀゚)「それより俺は、そろそろ出ると思ってる。そいつに、俺は会いに行きたいんだよな」
( ´∀`)「………?」
_
( ゚∀゚)「わかんねぇか?『選択者《アレンジ》』だよ。『選択者《アレンジ》』」
- 84 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:42:16.25 ID:gNnFpEI2O
- ――――ビル街
都心部の整備された道路を、男1人、女が2人走っている。
いや、正確に言うなれば男がぶさらげているノートパソコンの中の人間も男なので、男は2人だ。
ξ;゚听)ξ「はぁ…!はぁ…!…弟者!まだつかないの!?」
(´<_`;)《もうすぐだ!このあたりで間違いないんだが、どうもマップがうまく使えない!》
(;´_ゝ`)「どういう事だ!?」
(´<_`;)《俺のマップは、強いやつがいると少し乱れちまうんだ!多分、デミタスに反応してるんだと思う!》
川;゚ -゚)「そのデミタスってのは強いのか!?」
(´<_`;)《おいおい、答えはわかってんだろ》
《ありゃ、チートだよ》
- 95 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:46:48.59 ID:gNnFpEI2O
- ξ;゚听)ξ(ブーン…あんた…大丈夫なの…!?)
心配ばかりが募る少女。
ふと、その時。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ξ;゚听)ξ「!!」
川 ゚ -゚)「え!?」
(´<_` )《…!》
(;´_ゝ`)「な…!!」
目の前のビルから、とてつもない怒号が響く。
そして、その声の主をツンは知っていた。
ξ;゚听)ξ「ブーン!!!!?」
- 110 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:52:05.13 ID:gNnFpEI2O
-
…ふぅ、と一人ため息をつく男がいた。
(´・_ゝ・`)「右手はもうダメだなこりゃ…」
先の戦いで、ブーンに右腕を捻り潰されたデミタスだ。
いや、もはや腕とは呼べない。ぐちゃぐちゃした肉塊が、右肩から伸びている。
(´・_ゝ・`)「………」
取り出したのは、『神剣フラガラッハ』。
【神の卵《ハンプティ・ダンプティ》】の固有能力の一つで、刃先が単分子レベルの厚みしか持たないという、まさに鋭さだけを追求した片刃の剣だ。
その刀で、なんの躊躇いもなく右腕を切り落とした。
あまりの切れ味に、まったく痛みはなかった。
しかしその凄まじさを、そこから流れる血量が物語る。
- 118 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:57:19.49 ID:gNnFpEI2O
- (´・_ゝ・`)「………」
ふと、足元の少年を見やる。
( ω )
しかし、強かった。
もしこのブーンという男が怒り狂ってなければ、自分はいま立ってはいなかっただろうと思う。
なんなら、この子の能力も吸収しておけば良かったのかな?などとも思う。
(´・_ゝ・`)(…まぁ、そんな事しなくても十分強いからな、俺)
おごった発言ではない。
彼、デミタスは自分に出来る事を把握出来る人間なのだ。
もし戦闘に勝機が見えた中で、取捨選択に右腕が出てきたならば
それを喜んで差し出す。
そんな男だった。
- 133 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:02:04.07 ID:gNnFpEI2O
- (´・_ゝ・`)「……あーらら」
しかし利き腕を失うというのは辛いものだ。
血はARMSの力なのか、すぐ止まったが再生はしなさそうだ。
これではタバコもうまく吸えやしない。
これもあの『回復タイム』とやらで戻ってくれるのだろうか?
(´・_ゝ・`)「まぁ、別に無くてもいいんだがな……」
そう言ってビルを出ようとした、その時だった。
光のように見えるが、違う。
それは、闘気。
億千の闘気が、すさまじい勢いでデミタスを襲った。
- 146 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:10:04.73 ID:gNnFpEI2O
- ツンが肩で息をしながら、そこにいた。
ξ;゚听)ξ「はぁ…!はぁ…!」
(;´_ゝ`)「やったか!?」
(´<_`;)《兄者、せっかくツンさんが全力でやったのに生存フラグをたてんな!それよりクー!お前回復系の魔法使えたよな!?》
川;゚ -゚)「残念ながら回復魔法はない…が、再生魔法なら少しある!それを応用させて治療をしてみる…」
そこに倒れていた麦わら帽子の少女の前でクーが本を開き、治療を始める。
川;゚ -゚)「傷自体は大丈夫そうだ……だが、それより出血量が……間に合うか……?」
クーの手から溢れる光が、その少女を包む。
- 162 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:15:45.20 ID:gNnFpEI2O
- ξ;゚听)ξ「それより、その子がシューちゃんでしょ!?じゃあ、ブーンは!?」
(´<_`;)《わからないが、近くにいるのは確かなハズなんだ》
ξ;゚听)ξ「ブーン!どこなのよ!いるなら、返事しなさいよ!!」
ツンが叫ぶ。しかし、返事は返ってこない。
ツンの焦りだけが、溜まっていく。
しかし兄者は、そこに何かを発見する。
(;´_ゝ`)「…おい、あれ…もしかして…」
兄者が震える指先で指した方向を、ツンも見やる。
そこには、何か赤黒ずんだ物体があった。
ξ゚听)ξ「え………」
( ω )
………ブーン?
- 171 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:19:45.28 ID:gNnFpEI2O
- ξ;゚听)ξ「あ…」
( ω )
ひどい状態だった。
右足はちぎれかけていて、あらぬ方向へ曲がっている。
左腕は、ない。どこかに消失したか……と思えば、遥かに先の場所に吹き飛んでいたのを発見する。
それが、ブーンだった。
ξ゚听)ξ「あぁ……」
ツンの会いたかった、ブーンだった。
ξ;;)ξ「あああああああ!!!」
絶望が、押し寄せてきた。
(´・_ゝ・`)「どこを見ている?」
もう一つの絶望も、押し寄せてきた。
- 188 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:24:24.75 ID:gNnFpEI2O
- ξ;;)ξ「あああああああ!!!」
涙のままに、ツンは後ろにいたデミタスへ拳を奮う。
(´・_ゝ・`)「ふん」
しかし、デミタスは消え、いつの間にか割れた窓から見える外
地上へ、降りていた。
ξ;;)ξ「………ぐすっ」
ξ゚听)ξ
(´<_`;)《みんな、もう一度いっとくぞ。そいつはデミタス。力は【神の卵《ハンプティ・ダンプティ》】。能力吸収が出来、様々な能力を持っている》
兄者の持つノートパソコンから、弟者の声だけがその場に響く。
- 206 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:32:30.78 ID:gNnFpEI2O
- 【幻獣《グリフォン》】。
超音波、超振動にて振るった対象を分子レベルから破壊する、『震動子ブレード』を持つ。
【帽子屋《マッドハッター》】
荷電粒子砲『ブリューナクの槍』を持つ。
【チェシャ猫《チェシャ・キャット》】
「空間干渉能力」にて空間転移をしたり、空間に歪みを生ませあらゆる物体を裂き破壊する「空間の断裂」、『魔剣アンサラー』を持つ。
【三月兎《マーチ・ヘア》】
ホログラムやビームを放つ「バロールの魔眼」を持つ。
【神の卵《ハンプティ・ダンプティ》】は、その全てを持つ。
(´<_`;)《…といっても、これは俺の知る限りの情報だ。能力吸収が出来るなら、今はそれ以上かも…》
(´・_ゝ・`)「それはないよ」
(´<_`;)《!?》
否定したのは、意外にも本人だった
- 217 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:37:57.34 ID:gNnFpEI2O
- (´・_ゝ・`)「俺はわかってる。俺が今のままでも、十分他を圧倒出来る事を。だから、これ以上の力は欲さない」
(´・_ゝ・`)「俺は奢らない。いつだって自分に出来る事をやる」
(´・_ゝ・`)「俺は負けない。だって俺は、負けないから」
ξ゚听)ξ「うあああああああああ!!!」
ツンが二度目の遠距離波動を放つ。
北斗伸拳奥義、北斗剛掌派。
それが、デミタスに襲いかかる。
(´・_ゝ・`)「……『ブリューナクの槍』」
対するは荷電粒子砲、『ブリューナクの槍』。
二つは正面衝突しながら、激しい余波を生み、辺りに衝撃を撒き散らした。
- 226 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:44:48.96 ID:gNnFpEI2O
- (´・_ゝ・`)「あーらら。今日はそんなに暴れるつもりはなかったのになぁ」
(´<_` )《兄者!!》
( ´_ゝ`)「わかってるよ。ちょっくら逝ってきます!」
兄者が弟者のいるノートパソコンを置き、ツンの元へ駆け寄っていく。
川;゚ -゚)「弟者!シューちゃんの方、終わったぞ!!」
(´<_` )《よくやった!!直ぐ様、このブーンってのに取りかかれ!!》
川;゚ -゚)「おいおい、ひどいなこりゃ。私の力はあくまで『再生』の応用だから、傷が癒えるんじゃなく消えるだけだぞ?こんなの、もし再生したって生きてられるか……」
(´<_` )《つべこべ言うな!早く!》
川;゚ -゚)「把握………!!」
シューにやった事を、今度は同じくブーンにもやる。
光が、壊れたブーンを包む。
- 238 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:53:31.45 ID:gNnFpEI2O
- ξ;゚听)ξ「はぁ…!はぁ…!」
(´・_ゝ・`)「いけ。『空間の断裂』」
ξ;゚听)ξ「!!」
その言葉に、ツンが左へ回避。
すると、右にあったビルが綺麗に真っ二つに裂ける。
(´・_ゝ・`)「ふ……!!」
しかし、ツンが避けた間にもデミタスはツンに接近していた。
ξ;゚听)ξ「やば…!!」
(´・_ゝ・`)「ふん。『ブリューナクの槍』」
( ´_ゝ`)「遅ぇよ!!それは既に『規制対象』だ!!」
そこで動いたのが兄者だった。
放たれるはずの『ブリューナクの槍』が、出ない。
(;´・_ゝ・`)「!?」
ξ゚听)ξ「うあああああああああ!!!」
その一瞬の隙をつき、ツンが拳をふるう。
その最強の拳を、目の前にいるデミタスのこめかみに。
- 257 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:01:42.73 ID:gNnFpEI2O
- (;´・_ゝ・`)「ぐっ…あーららぁ…!!」
その拳の勢いで、隣にあったビルにもの凄い勢いで突っ込んでいくデミタス。
ξ゚听)ξ「ありがと、兄者!あなたの力…」
( ´_ゝ`)「あぁ、説明いるか?敵としてしか使った事ないもんな」
( ´_ゝ`)「俺の能力は【強制規制《ストッパーテイク》】。俺が見た中で『自分に害がある』と思ったものが自分や自分の近くに向いた時、それを強制的に停止させる力さ」
ξ゚听)ξ「なかなか便利なもんじゃない…」
( ´_ゝ`)「あとは簡単。ツンさんがあいつの力を全て引き出してくれりゃ、俺が全て『規制』する。そうなりゃ、俺らの勝ちさ」
ξ゚听)ξ「倒さなくていいってのは、ありがたい事ね…!!でも…」
デミタスの突っ込んでいったビルから爆音が鳴り響く。
中から出てきたのは、当然のようにデミタスだ。
(´・_ゝ・`)「………」
ξ゚听)ξ「向こうもやる気みたいよ…!!」
- 272 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:08:55.54 ID:gNnFpEI2O
- (´・_ゝ・`)「……!!」
デミタスは、走るわけでもなく、立っていただけだ。
ξ゚听)ξ「……」
しかし
( ´_ゝ`)「【強制規制《ストッパーテイク》】!!」
(;´・_ゝ・`)「!!?」
デミタスが、ガクンと膝を崩しかける。
( ´_ゝ`)「甘いよ。俺に見えないその『空間転移』ってやつなら規制にひっかからないと思ったか?」
デミタスは『空間転移』…すなわちテレポートを使い、二人の後ろに回りこもうとしていたのだ。
しかし、それは先ほど、戦いが始まった当初に兄者が見ていた。
ξ゚听)ξ「隙あり!!」
そこにまた、ツンが飛び込む。
ξ゚听)ξ「うらぁぁぁぁぁぁ!!!」
後ろ回し蹴り。すさまじい速度で打ち出されたそれを、デミタスは回避出来なかった。
- 303 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:15:38.00 ID:gNnFpEI2O
-
ツンの回された踵が、正確にデミタスの脇腹を貫いた。
はずだった、が。
三三三三・`)
ξ;゚听)ξ「え!!?」
そのデミタスは、光の影を作り、そして消える。
空振りしたツンが驚き、体が一旦硬直する。
(;´_ゝ`)「しまった!ホログラム―――!!」
(´・_ゝ・`)「正解」
(;´_ゝ`)
本体は、後ろにいた。
そしてその左手からは、対象を必ず分子レベルから破壊する、震動子ブレード。
ξ;゚听)ξ「兄者――――――」
- 314 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:18:21.68 ID:gNnFpEI2O
- (´・_ゝ・`)「これ、見てなかったよな?」
(;´_ゝ`)(やば………!!)
その震動子ブレードが、
ξ;゚听)ξ「兄者ァ!!!」
兄者の腹へ突き刺さる。
- 335 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:22:55.82 ID:gNnFpEI2O
- (´・_ゝ・`)「あーらら。こいつ、死んじゃったかな?」
(; _ゝ )「がっ………はァ゛……!!!」
デミタスがそのまま剣を横に降り、兄者は地面に投げ捨てられる。
その紅い血を吹き出す腹には、風穴が空いていた。
ξ;゚听)ξ「兄者ぁぁぁぁ!!!」
(´・_ゝ・`)「これで、規制は使えないな」
(´・_ゝ・`)「さて………」
――――――今度はお前の番だよ、小娘。
- 354 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:28:07.90 ID:gNnFpEI2O
-
ふぁーあ…。なんかよく寝たお。
あれ、ここはどこだお?
何が、どうなってるんだ?
川;゚ -゚)
この女の子は誰だ?かわいい。自分に向かって何かをしているのは見えるが、体が動かないからよくわからない。
(´<_`;)
あ、パソコンだ。この世界でも見れるのかな。ならvipに行きたいな。今日こそは腹筋スレ踏まねーぞ。
(; _ゝ )
うわ。人が死にかけてる。やばいな。お腹に穴空いてるじゃん。なんでこんな事になってんだお?
ξ;゚听)ξ
あれ
ツンだ。
- 389 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:33:31.44 ID:gNnFpEI2O
- ――――公園
( ´∀`)「そういやジョルジュ。その、選択者《アレンジ》ってなんなの?まだ聞いた事なかったけど、それってかなり重要モナ?」
_
( ゚∀゚)「あ?おお、言った事なかったっけか。気になる?」
( ´∀`)「そう何べんも会話に使われちゃ、気にすんなってのが無理モナ」
_
( ゚∀゚)「まぁそうさな。じゃあ、教えてやるとするか」
二人の男が、ベンチの上で会話していた。
颯爽と風が吹き抜ける中、一呼吸置いてジョルジュが話し出す。
_
( ゚∀゚)「『選択者《アレンジ》』ってのは、簡単に言や『自分の持つチートを強化したやつ』みたいなもんさ」
- 425 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:40:22.23 ID:gNnFpEI2O
- (;´∀`)「そ、そんな都合のいいやつがいるモナ?」
_
( ゚∀゚)「今はまだいない。俺がどこぞのパソコン馬鹿から聞いた話じゃ、『主謀者《オリジナル》』と『模倣者《フェイク》』が相互干渉をしてうんたらかんたら、そして進化したやつを『選択者《アレンジ》』って呼ぶんだとよ」
(;´∀`)「ちょ、なんかちょっと重要なとこがアバウト……」
_
( ゚∀゚)「仕方ねーだろ。あくまでこんなの噂の域で聞いとけ。まぁあのパソコン馬鹿は、『マスター』達のとこに直接ハックしてそのデータを見たらしいがな」
(;´∀`)「モナ………」
_
( ゚∀゚)「重要なのは、そのトリガー。何をすればいいのか知らんが、未だに自分の能力を進化させたやつはいない。それだけは事実だ」
( ´∀`)「……でも、じゃあなんでさっき『そろそろ出るぞ』みたいな事言ったモナ?」
_
( ゚∀゚)「………」
_
( ゚∀゚)「何か、嫌な予感がすんのさ。俺も一応主謀者《オリジナル》なんだからな」
- 440 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:43:41.76 ID:gNnFpEI2O
-
(´・_ゝ・`)
あれは、僕を倒した敵だ。
名前は確か、デミタス。
ξ;゚听)ξ
ああ神様。
あなたは、僕から、ツンも奪っていくのかお?
シューを守れなかった僕から。
今度はツンまで奪っていくのかお?
そんなの、嫌だお
――――――力が欲しい。
- 463 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:46:39.60 ID:gNnFpEI2O
- デミタスは、こう思う。
人間ならば、殺せる。例えば空気を吸えなくなる、例えばものを食えなくなる、内蔵を潰す、頭を破壊する。そんな理由で、簡単に人は死ぬ。
だから自分は今まで生きてた。どんな相手もいつかは死ぬから。知恵を駆使し、取捨選択を正しく、かつ迅速に。
それが彼が生きてきた道だった。
だが。
(;´・_ゝ・`)(……だが…)
あいつ、ホントに人間か?
(# ω )「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
- 496 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:50:26.92 ID:gNnFpEI2O
- その事実に、一番驚愕していたのはクーだった。
川;゚ -゚)「な……!」
おかしい、とクーは素直に思う。
だって、クーはブーンを治療していた。
だからわかる。
彼はまだ、2割ほどしか再生が出来てなかったはずだ。
なのに、彼は五体満足で立っている。
今戦っている少女を助けに、前線に立っている。
これが………
川;゚ -゚)「これが、覚醒………!!?」
(# ω )「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
- 539 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:55:44.91 ID:gNnFpEI2O
- ( ω )「………」
ブーンの絶叫が止む。
川;゚ -゚)
しかしその代わりにブーンの体を、
キィィィィィ…と言う音を発しながら光が収束する。
(;´・_ゝ・`)
その光が両手の回りに集中し
(´<_`;)
そして。
(; _ゝ )
光は、大きな手のひらの形になり、ブーンが広げた手に纏うように漂っている。
- 550 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:57:01.17 ID:gNnFpEI2O
- ( ω )「………」
広げた両手の先にある、その光の手。
纏われたその両手の光が、より一層輝きを放つ。
そして、ブーンが一言発する。
――――――「【自分次第《アンカーコール》】」
- 575 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:58:51.27 ID:gNnFpEI2O
-
( ω )
( ω )「みんな…」
( ^ω^)「ただいま」
――――――指定アンカー、右手に>>590左手に>>595
- 590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 23:59:18.59 ID:0JIWPfKo0
- 口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力
- 595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 23:59:20.76 ID:ZCe7/+YB0
- どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力
- 745 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:06:47.86 ID:gNnFpEI2O
- (# ω )「おおおおお!!!」
光が、収束。
まず光ったのは、ブーンの手の先にある『光の左手』。
(;´・_ゝ・`)「なんだ!?」
異変に気付くのは早かった。なぜなら、辺りがいきなり光を失ったから。
突如、頭上から
フワッフワのパンケーキ1ホールが、悪魔のように降り注ぐ。
- 24 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:43:18.79 ID:oHkXx/KEO
-
その差は、口に出すまでもなく圧倒的だった。
(;´・_ゝ・`)「………」
道路に走る、亀裂、亀裂、亀裂。
一面に渡る、パンケーキ、パンケーキ、パンケーキ。
その全てを、この数分間で作り出した男が、この目の前のブーンだ。
(;´・_ゝ・`)「あーららぁ……」
デミタスは、口癖にもなったその言葉を呟く。
もう、どうしようもない。
攻撃するにも、フワッフワのパンケーキがそれを阻害する。
力づくで行くにも、腐った牛乳にはかなわない。
(# ω )
「チェックメイト、だお」
ブーンは小さく、そう呟いた。
- 33 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:47:31.52 ID:oHkXx/KEO
- (´・_ゝ・`)
堅実に生きる。
それが、デミタスの生きる道だった。
無難な学校生活を乗り越え
平凡な成績を打ち出し
そこそこの会社勤めをし
まぁまぁな役割で生きる。
彼の生きる道はそれだった。
楽しい楽しくない、ではない。
生きる道だったのだ。
しかし
だからこそ、と彼は思う。
だからこそ
(´・_ゝ・`)「こんな世界でこんな状況。一回くらい、生きる道なんかかなぐり捨ててもいいんじゃねえか?」
( ω )「無駄だお」
(´・_ゝ・`)「言ってろ」
最後が、始まる。
- 51 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:53:17.48 ID:oHkXx/KEO
- (´・_ゝ・`)
( ω )
(#´・_ゝ・`)「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
男が走る。
理屈でなく打算でもなく、ただ純粋な思いのみで。
( ω )「ふん」
ブーンはそのままに、光の左手と、光の右手
両手が、光輝く。
(#´・_ゝ・`)「うらぁ!!!」
空間の断裂。
しかし、フワッフワのパンケーキがその断裂を許さない。
ブーンは無傷のまま、パンケーキが3等分された。
- 56 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:54:47.65 ID:oHkXx/KEO
-
そして、頭上から流星群のように降るのは、
ブーンの最後の攻撃。
口からもの凄い勢いで吐き出された腐った牛乳で作られた、フワッフワのパンケーキ。
- 84 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:59:27.28 ID:oHkXx/KEO
-
(;´・_ゝ・`)「くそ、くそぉ………!!」
(;´・_ゝ・`)「うわああああああああああああああああああ!!!!」
ズシィィィィィン、と鈍い音がして
デミタスは生き埋めになる。
まだ生きてるのかも知れないが、もう無理だろう。
彼がいかなる攻撃手段を使ったところで
彼が空間転移を使ったところで
このパンケーキの厚みは、破れない。
( ω )「………」
戦いが、終わった。
- 110 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 01:03:47.57 ID:oHkXx/KEO
- ( ω )
シュウウウウウ、と
( ^ω^)
光が消えて
( ^ω^)「……お…」
いつものブーンが、戻ってきた。
ξ;゚听)ξ「ブーン!!」
( ^ω^)「……ツン…無事で」
( ω )「…よ…かっ…」
フラッと、ブーンはそこで倒れる。
- 144 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 01:10:59.57 ID:oHkXx/KEO
- ξ;゚听)ξ「ブーン!?」
倒れたブーンに駆け寄るツン。いきなり強くなったかと思えば、今度は倒れる。こいつはいったいどうなってるのかと、頭はそれにしか回転しない。
( ω )「……すー…すー………」
ξ;゚听)ξ「……」
ただ単に、過労で寝てるだけだった。
ξ;゚听)ξ「まったくこいつは……」
しかし、ツンは何かを感じていた。
置いていかれたような、もう二度と取り戻せないような、何かを。
ξ゚听)ξ「……ブーン…あんた………」
――――――いったい、なんなの………?
突如起きた何かの片鱗が、この後に全てを大きく変えるトリガーだった。
それを知るものは、まだ誰もいない。
第九話、終わり。
- 158 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 01:12:57.52 ID:oHkXx/KEO
- 以上です。
ホンっト、ブーン君のかっこいいかっこいい覚醒編なのにこんなgdgdなって申し訳ない
反省して今からパンケーキ作ってきます
ありがとうございました
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