( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
- 518 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 20:59:39.75 ID:N6oJM0L0O
- ( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
第十三話。
『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
ついにドクオと会合を果たしたが、そこにはGANTZ勢力が乱入。混乱の最中にプギャーを、戻ってきたツンと撃破。そのツンは、衝撃の言葉を口にしたのだった。
今回の敵は!?今回の安価は!?
柔道をしていて右手を痛めた作者だが、慣れないサウスポーでいつもの誤字に拍車がかかってしまわないのか!?
- 524 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:01:44.43 ID:N6oJM0L0O
- 一応、登場人物とその能力
( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
(´・ω・`)【弱者のパラダイム】(PSYREN)
ξ゚听)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
・????
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・共に逃避中
('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
从'ー'从【大嘘憑き《オールフィクション》】(めだかボックス)
・戦闘中
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
(#゚;;-゚)【幻視】(SIREN)
爪'ー`)y‐【????】(???)
・戦闘中
('、`*川【GANTZ】(GANTZ)
・???
_
( ゚∀゚)【????】(vip)
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
・????
- 530 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:04:07.16 ID:N6oJM0L0O
- ※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「〜能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。
今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
『口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力』
『どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力』
『体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力』
『すべての攻撃の対象をドクオに変える能力』
『自分の爪を折ると相手の歯が折れる能力』
- 532 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:08:00.35 ID:N6oJM0L0O
- ――――――時間軸としては、丁度ブーンがギコと戦っている時に相当する。
「『早くいった方がいいよ。ブーン君たち、今頃大変な事になってると思うよ?』」
ξ;゚听)ξ「なんでアンタが…こんな事を……?」
从'ー'从「『それを、今から教えたげるんだってば』」
目の前には、【大嘘憑き《オールフィクション》】の少女がいる。
全てが全て嘘に聞こえて、もう存在すら嘘ではないかと疑われる少女が、何故かそこにいた。
ξ;゚听)ξ「…でも、なんで…?なんで教えてくれるの…?」
从'ー'从「『……』」
彼女は、嘘つきだったけど。
从'ー'从「『もう、いいの』」
どこを取っても、嘘つきだったけど。
从 ー 从「大嘘に憑かれた私は、もう大嘘に疲れたの」
――――――その言葉だけは、嘘には聞こえなかった。
- 536 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:11:59.22 ID:N6oJM0L0O
- 「……ごめ#ね、渡◆※ん。あ■た…もう少し×か生きれな●☆」
生まれつき心臓が悪かった。
大きく運動する事もままならなかった。
そのうち、車椅子が足になった。
そのうち、病院が家になった。
そして、ベッドの上で看護婦さんに告げられた。
その頃には、みんな私から離れていった。
今まで持ってた幸せが、全て離れていった。
私にかかるお金が原因で、大好きだったママとパパも離婚した。
ママがずっと「あんたなんか生きてる価値ない」って言ってた。
ずっと。ずっとずっと。
ずっと。
価値?
…私の価値って、なに?
- 541 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:17:07.22 ID:N6oJM0L0O
- そして、この世界に飛ばされた。
能力を与えられた。
不完全だけど、心臓病もなかった事に出来た。
いろんなものが。いろんなものが。いろんなものが。
無価値な自分に、価値が。
('、`*;川「ナベちゃん!?あなた…立ってて大丈夫なの…?」
从'ー'从「『あ、ペニちゃん。うん、痛くない。痛くないよ』」
価値が。
('、`*川「ホントに!?良かった!良かったね!!」
从'ー'从「『もう違うんだよ。全部戻ってきたよ。価値あるんだよ。』」
('、`*;川「あぁ良かっ…?」
从'ー'从「『今までのしみったれた無価値な人生が、ぜんぶ《なかった事》になるんだよ』」
('、`*;川「え゛」
ぐぢゅり。
( 、 *川「う゛っ…!!!」
ずっと優しかったペニちゃんも、いらないと思えるくらいの、価値が。
- 548 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:23:54.32 ID:N6oJM0L0O
- ( 、 *川
あなたが見下してたのくらい、知ってるんだよペニちゃん。
クラスで私を池沼扱いして楽しいでたの、知ってるんだよペニちゃん。
从'ー'从「『………』」
私は、憑かれた。
从'ー'从「『ごめんねペニちゃん。友達だったけど』」
从'ー'从「『あなたの事は3秒くらいなら忘れ、あれ誰お前?』」
从'ー'从「『なんてね。』」
从'ー'从「『………【大嘘憑き】《オールフィクション》か。球磨川君はこんな気持ちだったのかな?』」
――――――結局、無価値だった時の私と、何も変わらなかった。
私は、疲れた。
あれ、わたし
いきてるかちないじゃん。
- 553 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:27:04.05 ID:N6oJM0L0O
- ――――――公園の外れ。
どこまで移動しただろう。
もう、荒巻達やブーン達の姿は見えない。
そこには、爆音だけが響いていた。
('A`)「うらぁッ!!」
【一方通行《アクセラレータ》】を持つドクオの右手が、横薙ぎの一撃として渡辺を襲う。
深く握られたわけじゃない。手刀というわけじゃない。
しかし、それは防御不可能。触れれば『反射』され、必ず標的を潰す。
の、はずが。
从'ー'从「『―――その威力を、《なかった事にする》』」
トン、と。
渡辺の体に触れたその右手は、まったく力を及ぼす事はなかった。
【大嘘憑き《オールフィクション》】により、衝撃が虚構へ為ったからだ。
('A`)「またかよ……」
もう戦い始めてから何分立つだろうか。
互いの体には、傷一つない。
- 560 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:31:40.68 ID:N6oJM0L0O
- 从'ー'从「『どーどーめぐりってやつだね。これじゃ』」
('A`)「……」
从'ー'从「『あ、どーどーめぐりとどーてーまくりって似てない?ねぇ似てない?似てないね』」
('A`)「……」
从'ー'从「『あ、やばいどーてーとか言ってたら濡れてきた。ねぇドクオ君。抱いてくれない?』」
('A`)「……」
从'ー'从「『無視?』」
('A`)「……あ、もしかしてなんか言ってる?今、音も『反射』してるから聞こえないんだわ」
从'ー'从「『……あらあら、うふふ』」
- 574 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:36:46.68 ID:N6oJM0L0O
- 从'ー'从「『そんなに音を聞きたくないなら、あなたの《聴覚をなかった事》にして』」
从'ー'从「『ネジふせてあげちゃうよん』」
そう言い、ネジを構えて走る渡辺。
だがそこに介入したものがいる。
(´<_` )《…演算終了。アップデートしようか、ドクオ》
一台の、パソコン。
('A`)「あ、終わった?」
从'ー'从「『おい、聞こえてんじゃねえか』」
('A`)「あぁうん、さっきの嘘」
从'ー'从「『まじかよびびったぜひゃっほう!』」
- 581 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:42:19.98 ID:N6oJM0L0O
- ('A`)「さぁて、俺の嘘を信じてくれてた純真無垢な渡辺さんにプレゼント」
从'ー'从「『…そりゃあ、ありがたいね』」
('A`)「俺の能力について、な」
('A`)「実を言うと、受動的に使う分には何の問題もないんだ」
('A`)「ただ、能動的に応用的に自分から大きな操作をしようと思うと、恥ずかしいが知力がまったく足りない」
('A`)「それを補ってくれるのが後ろにいる弟者なわけだが…」
(´<_` )「…」
从'ー'从「『……』」
('A`)「弟者の力もなかなかのチートでな。なんせ呼吸のように計算をしちゃうんだから」
('A`)「…どうやら、それでは止まらなかったみたいだな」
ドクオが、先ほどと同じように向かってくる。
中途半端に握られた右手を、手刀のように一閃。
- 586 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:51:15.04 ID:N6oJM0L0O
- 対する渡辺も、やる事は変わらない。
从'ー'从「『―――威力を、《なかった事》に――!』」
はずが。
从;'ー'从「『―――――!?』」
ぞくり、と。
寿命が縮むような音がした。
渡辺は、急激にバックステップで距離を置く。
('A`)「…わかった?」
从;'ー'从「『い、いまの……』」
渡辺は、すんでの所で気づく事が出来たのだ。
今の一撃を、『なかった事に出来なかった』のを。
と、言うより。
『なかった事にする能力が、弾き返された』という事を。
('A`)「弟者のおかげさ」
- 598 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:55:05.40 ID:N6oJM0L0O
- ('A`)「今回のアップデートにより、俺は魔術等の知らない法則率で動くもの、果てはちょっとした概念操作系をも『反射』出来るようになった。」
从;'ー'从「『………』」
……つまり、【大嘘憑き《オールフィクション》】が効かない。
('A`)「もはやこれは『反射』と言うより、『拒絶』に達するんじゃねえの?しかも……」
(´<_` )《……》
('A`)「弟者の計算は、まだ終わってないみたいだ。これだと、俺も近いうちになれるかもな」
('A`)「【選択者《アレンジ》】ってやつによ」
从;'ー'从(『……ちょ、やばくね……?』)
再び、二人の戦いがスタートする。
そしてこの後、ここにまた少しの邪魔が入るのだが、それはまた後に語る。
- 611 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:03:30.74 ID:N6oJM0L0O
- ――――――公園より逃避中。
ξ゚听)ξ「まず、そのペニサスは【GANTZ】の力で人々を生き返らせた。最初は普通に、今までの戦いで死んだ人達をね」
【GANTZ】。
それは、現代科学を遥かに超えた黒い球体を指す。
死んだ人間を蘇らせ、「星人」と呼ばれる正体不明の怪物と戦うミッションに強制的に参加させるというものだ。
ミッションは点数制で、100点取った人間はミッションを終了出来たり、より強い武器を得れたりする。
(;^ω^)「そんな能力が……」
ツンは、続ける。
ξ゚听)ξ「でも、やっぱりそこはチート集団。脳に爆弾をつけられてるから言う事には従うけど、指令以外はやりたい放題らしいわ」
ξ゚听)ξ「だから、ペニサスは自分に都合のいい手足が必要になった」
- 617 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:09:27.85 ID:N6oJM0L0O
- ( ^ω^)「それが、渡辺だったのかお?だったら裏切りなんか出来っこないんじゃ…」
ξ゚听)ξ「…あの子は何回も言った。『自分の価値は、もう無いんだ』って」
(;´・ω・`)「?」
ξ゚听)ξ「大量生産されたのよ。完全に支配できて、かつ信頼できる手駒」
ξ゚听)ξ「『記憶と心を《なかった事》にした、渡辺のコピー』が」
(;^ω^)「え………?」
- 629 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:14:01.89 ID:N6oJM0L0O
- ――――「あ、頭の中の爆弾消そうとしたら危ないよ」
从;'ー'从「『!!』」
('、`*川「馬鹿なの?私の能力で生き返ってんのに、その私の能力をなかった事にしたら大変な事になるってわからない?」
从;'ー'从「『……』」
('、`*川「さてと、そんな私を殺してさらに今、裏切ろうとしたナベちゃんですが、私は優しいのでチャンスをあげます」
从;'ー'从「『え?』」
('、`*川「私は自分を守ってくれる人が欲しいの。守ってくれて、かつ手足のように動いてくれる人が」
('、`*川「でもさぁ、なんか皆チート能力者じゃん?正直、あたしの能力なんかひっくり返されて然るべきだと思うんだわ」
从;'ー'从「『……』」
('、`*川「だから、出来れば能力ナシであたしのガンツスーツを着てガンツウェポンで戦ってくれる人が欲しいの。そしたらあたしは裏切られても傷つかないし、安心じゃん?」
('、`*川「それを、ナベちゃんのコピーにしてもらいたいと思いまーす」
- 634 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:21:40.06 ID:N6oJM0L0O
- ('、`*川「見ててね」
ペニサスがその場に止まる。
すると、ジジジ…と、何かが下から作り上げられていく。
何秒かして、それは完成。
从 ー 从
それは、渡辺。
从;'ー'从「え!!?」
('、`*川「こうやってさ、あたしの中じゃ人間なんかただの情報だから。コピー出来んのよ」
从 ー 从
从;'ー'从「『………』」
('、`*川「この子はいまのナベちゃんとまったく一緒のクローン。まだまだいっぱい作るよ。でもさ、あんたみたいな能力者がいっぱいいたらあたしも脳処理に困るんだわ。だからさ」
('、`*川「今からナベちゃんに、出てくる自分のクローン一体一体の《記憶と心をなかった事》にして欲しいのよ」
- 643 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:26:34.31 ID:N6oJM0L0O
- ('、`*川「ほら、記憶が消えたら能力の使い方も完全抹消されんじゃん?そしたらこっちとしても、操り易いからさ」
从;'ー'从「『……』」
('、`*川「あ、ちなみに」
('、`*川「反対すると、こうだからね☆」
从 ー 从 ヴッ
从 ー※∴・; ドブジャアッ!!
渡辺のクローンの脳内爆弾が、作動。
顔面が弾け、脳から何かが覗いた。
从;'ー'从「『きゃあああああああああああああああ!!?』」
('、`*川「わかったね。そゆこと」
- 659 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:34:19.39 ID:N6oJM0L0O
- 渡辺は、頭がおかしくなりそうだった。
目の前で自分とまったく同じ固体が死ぬ。
それに対し止めどなく溢れてくる気持ちが何かはわからないが、それは予想以上に心に響くものだったらしい。
从; ー 从「『わか…った……わかったよ…』」
('、`*川「…なんか嘘っぽく聞こえるね」
ゴッ!と鈍音。
从; ー 从「『あ゛っ………』」
ペニサスは渡辺の頬に、女性とは思えないような本気のグーパンチをぶつけたのだった。
そして倒れ込んだ渡辺を、足蹴にした。
('、`*川「…ちょ、私はチャンスあげてんだよ?感謝されるべきなんだよ?なんで嫌そうなの?」
('、`*川「昔っから池沼みたいに価値価値ほざいてたあんたに、あたしが価値を与えてやってんのよ。ほら、喜べよ」
('、`*川「喜べよ!!!」
渡辺を踏みつけたまま、そう言った。
- 676 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:42:04.11 ID:N6oJM0L0O
- ――――――
ξ゚听)ξ「渡辺はずっと呟いてた」
ξ゚听)ξ「『もう自分に価値なんてない』って」
(;´・ω・`)「……なんて事だ…」
ξ゚听)ξ「めんどくさい事になったけど、まだ最悪とは言えないわね。あいつが何を考えてるのかわからないけど、私達を逃してくれた」
ξ゚听)ξ「私達に、その価値ってやつを見つけたんじゃないかな」
( ω )「………」
ξ゚听)ξ「……ブーン?」
( ω )
ブーンは、
走るスピードが少し遅くなった。
- 685 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:45:37.39 ID:N6oJM0L0O
-
lw´‐ _‐ノv「……ブーン…?どうしたの?」
( ω )
( ω )「悪い、みんな」
( ^ω^)「ちょっとトイレすましてくるから先行ってて」
ブーンは、反転。
来た道へと、走り出す。
ξ;゚听)ξ「ちょ、ブーン!!?」
- 703 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:50:00.18 ID:N6oJM0L0O
- ξ;゚听)ξ「あんた!話聞いてた!!?もう、公園には複数のクローンが――――」
「行かせてあげて」
ξ;゚听)ξ
ツンを、制する小さな手があった。
lw´‐ _‐ノv
ξ;゚听)ξ「シュー?」
lw´‐ _‐ノv「私は、ブーンを信じてる」
ξ;゚听)ξ「……そんな問題じゃ…」
lw´‐ _‐ノv「……」
ξ;゚听)ξ「………」
- 716 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:53:45.43 ID:N6oJM0L0O
- ――――――なぁ、ブーン
俺って生きてる価値、あるのかな――――――
(; ω )「…嫌な事思い出させやがって…」
ブーンは走る。走る。
公園を目指して、まっすぐに。
(; ω )「他人からどんなに足蹴にされようが………てめぇの価値は……」
(; ω )「てめぇの価値は、てめぇが決めるもんじゃねーだろうがお!!」
ブーンが、走る。
公園を目指して、まっすぐに。
それを見ていた人影が、あった。
从'ー'从 从'ー'从 从'ー'从
「『………あ』」
- 735 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:58:09.38 ID:N6oJM0L0O
- ――――――公園
(;^ω^)「ハァ…ハァ……」
着いた。
のだが、渡辺はもうそこにはいなかった。
痛々しく掘り下げられた地面だけが、戦闘の痕跡として残った。
(;^ω^)「渡辺ー!!!!どこだおー!!!!」
それでもブーンは、叫ぶ。
どこかにいる、渡辺を目掛けて。
その思いは、通じたのかも知れない。
从'ー'从从'ー'从从'ー'从
「『はぁい』」
黒いスーツにくるまれた、渡辺が3人。
- 746 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:02:25.38 ID:N6oJM0L0O
- 从'ー'从
一人が、スッと何かを前に出す。
それは、ハンドガンサイズのまるでおもちゃに見えるような銃。
しかしそれは、一つのガンツウェポン。
(;゚ω゚)(『Xガン』――――!!)
咄嗟にブーンは、右へ転ぶように回避。
从'ー'从「『あは』」
ギョーンギョーン
そんな不気味な音がし
数秒の後、ブーンがいた場所の地面が爆ぜた。
- 755 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:06:07.87 ID:N6oJM0L0O
-
(;゚ω゚)「――――!!」
背筋が凍る。もし回避が遅れていたら、ブーンの頭は内部から爆発しそこらへんに飛び散っていただろう。
从'ー'从
もう一人が向かってくる。
ガンツスーツによって異常なまでに強化された、その脚力で。
垂直飛びでそこらの家を簡単に飛び越える、その脚力で。
(;^ω^)「……くっそ!!!」
- 774 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:12:13.19 ID:N6oJM0L0O
- (;^ω^)「なぁコピー!本当はな、お前らも救ってやりたいんだお!!」
(;^ω^)「けどな、やっぱ違うんだお!!」
(;^ω^)「お前らが細胞レベルで同じのクローンだろうと!!オリジナルの渡辺のがずっとずっと可愛かったから!!」
「そっちを優先させてもらうお――――!!」
(#゚ω゚)「【気分次第《アンカーテイク》】!!!!」
- 785 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:14:20.06 ID:N6oJM0L0O
- (;^ω^)「さてと!今回の敵はコピー渡辺!!」
(;^ω^)「救いたいやつのクローンという戦い難い相手!!」
(;^ω^)「そんなこいつらを圧倒する、あなたの厨二妄想を!!指定アンカーは………」
――――――>>805!!
- 805 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/09(火) 23:14:38.92 ID:Z+P+EybD0
- 脈絡なく死を与える能力
- 871 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:17:05.81 ID:N6oJM0L0O
- 『能力が決定しました。』
>>805 脈絡なく死を与える能力
(;^ω^)「あらあらこりゃまた!」
(;^ω^)「ずいぶんと身勝手なチートだお!」
- 30 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:27:02.28 ID:N6oJM0L0O
- ( ^ω^)「お」
ブーンは何も言わなかった。
ブーンは何もしなかった。
なのに。
自分に向かってきた、一人の渡辺が
从; ー 从
いきなり、崩れ落ちた。
从'ー'从从'ー'从
「『あれれぇ〜??』」
- 57 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:32:24.84 ID:N6oJM0L0O
- ( ^ω^)「やめとけお。そこの二人」
( ^ω^)「僕の能力は、なんの脈絡もなく死を与えてしまう」
( ^ω^)「君たちには、どうしようもないお」
从;'ー'从从;'ー'从
( ^ω^)「こうはなりたくないだろ?」
( ^ω^)「この子みたいに」
从;'ー'从ウッ……
( ^ω^)「ガンツスーツと、手足の神経に脈絡なく死を与えられたくないだろ?」
死んでは、いなかった。
ブーンは、すんでのところで殺すのを躊躇ってしまったのだ。
- 84 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:41:12.27 ID:N6oJM0L0O
-
が。
从;'ー'从从;'ー'从「『!!?』」
「『う………』」
「『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』」
从; ー 从 从; ー 从
(;^ω^)「え!!?」
二人の渡辺は、それでも襲いかかってくる。
推測だが、理由は簡単だ。
(;^ω^)(まさか、頭の爆弾を――――!!?)
恐らく、この二人の頭には響いているのだろう。
ピンポロパンポン、ピンポロパンポンという
爆弾起動への、悪魔のアラームが。
- 110 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:51:05.94 ID:N6oJM0L0O
- 从 ー 从
一人はバタッと、その場に倒れた。
先ほどの渡辺と同じ死を与え、さらに
脳内の爆弾に、死を与えた。
( ^ω^)「これで万事解決、かお……」
从 ー 从
最後の一人は、立ち止まったままだった。
脳内の爆弾に死を与え、そして
それ以外は、何もしていない。
( ^ω^)「なぁ」
( ^ω^)「本物の渡辺」
从'ー'从「『………いつから、気付いてたの?』」
- 132 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:56:48.35 ID:N6oJM0L0O
-
それは、本物だった。
从'ー'从「『せっかく擦りかわってドクオ君から逃げてきたのに、まさかこっちのがやばいとはね』」
从'ー'从「『とは言え、私達、みんな同じ細胞で出来た同じ人間だよ?』」
从'ー'从「『ねぇ、なんで、わかったの?』」
( ^ω^)「わかんねーのかお?」
ブーンは自信満々に
( ^ω^)「嘘つきの嘘は、いつかバレるんだお」
そう、吐き捨てた。
从'ー'从「『………』」
- 148 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:00:34.33 ID:9/8GtECfO
- ( ^ω^)「爆弾は死んだお。ほら、お前は自由だ」
( ^ω^)「それより、やる事があるんじゃないかお?」
从'ー'从「『………』」
渡辺は、クローンに近づいて
从'ー'从「『君たちの手足の死を、《なかった事にする》。』」
そう言い放った。
从'ー'从
クローンは立ち上がり、体を確かめる。
どうやら、異常はなくなったようだ。
( ^ω^)「ほら」
( ^ω^)「今のは、お前にしか出来ない。お前にしか、その子らは救えなかったんだお」
( ^ω^)「価値、あったじゃねえか」
从'ー'从「『………』」
- 181 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:11:48.63 ID:9/8GtECfO
-
「ありがとう」
「『誰も頼んでないよ。おせっかい』」
「本当に、ありがとう」
「『本当に死んじゃえばいいんだ』」
「助けてくれて、ありがとう」
「『ブーン君なんか』」
「『大っ嫌い』」。
ブーンには、渡辺の吐いた言葉のどれが嘘でどれが本当なのか、わからなかった。
まぁ、渡辺らしく、ぜんぶ嘘…オールフィクションなのかもしれないけど。
- 205 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:15:52.00 ID:9/8GtECfO
-
しかし、渡辺の頭が消えかかっていく。
从;'ー'从「『え――――?』」
(;^ω^)「な……!!」
違う、消えているんじゃない。
これは
(;^ω^)「転送!!?」
送られている。
ガンツの元へ。
- 222 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:19:35.12 ID:9/8GtECfO
- 从;'ー'从「『あ――――――』」
渡辺がこっちに手を伸ばす。
助けて、と言わんばかりに。
(;゚ω゚)「お――――!!」
ブーンも手を伸ばす。
しかし
遅かった。
渡辺の姿は、消えた。
(;゚ω゚)「渡辺ェェェェェェ!!!!」
- 240 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:25:16.55 ID:9/8GtECfO
- ('、`*川「はいはい、ストロベるのも大概にしてねー」
从;'ー'从「『あ』」
ゴツッ、と聞き覚えのある重音がする。
渡辺が、転送されたと同時にペニサスに蹴られていた。
('、`*川「今更ラブコメとかムシよすぎ。あんた、今まで何人の人間を絶望に追いやったのよ?」
('、`*川「そんなクズがよォ!!」
从; ー 从「『あぎっ!!』」
右目をえぐるように、爪先で蹴る。
悲鳴にも聞こえない悲鳴をあげる、渡辺。
- 260 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:30:25.10 ID:9/8GtECfO
- 以上です。ありがとうございましたー
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