( ^ω^)魔女の弟子とカレーの呪いのようです
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 21:35:50.43 ID:JZnaUDx00
- >>1
代理マジでありがとう!
・1スレ完結の短編です
・大型AAを多用するので、携帯の方はAASを推奨。
それでは投下を始めます
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 21:37:10.39 ID:JZnaUDx00
-
┏┓ ┏┓
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┃ ┃
┃ ( ^ω^)魔女の弟子とカレーの呪いのようです ┃
┃ ┃
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- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 21:39:09.83 ID:JZnaUDx00
-
これは”VIP王国”という小さいけれど平和な国に起こった、ちょっとした騒動についてのお話です。
ここはVIP王国の端の方にある、誰もが迷ってしまいそうな深い深い森の中。
そんな人気のないところに、可愛らしい外観の一軒の家が建っています。
その家の居間では、黒いとんがり帽子をかぶった女の人がしかめっ面をして、
10歳ほどの男の子を正座させていました。
ξ#゚听)ξ「……」
女の人は、その大きな胸の下で腕を組み、足元の少年を睨みつけています。
この女の人こそこの家の主。人呼んで、”偉大なる魔女ツン”その人です。
( ^ω^)「……」
一方、正座をしている男の子はにこやかな表情を崩しません。
彼の名前はブーン。幼いながらも、魔女ツンの弟子としてこの家に住み込みで修業しているのです。
( ^ω^)「あの、師匠? どうして僕はこんなところで正座させられているんですかお?」
ブーンは心底不思議そうにツンに尋ねました。
するとツンは、はあ、とため息をついてから呆れた様子で言いました。
ξ#‐凵])ξ「……胸に手を当てて考えてみなさい」
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 21:41:03.43 ID:JZnaUDx00
-
_
<、 ~\ プニョン f´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
_|ニ二ニi_ .| では、お言葉に甘えまして…… |
Σξ゚听)ξ/⌒ヽ _乂______________ノ
(J )と(ω^ )
し-J ( J )
しーJ
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 21:43:10.94 ID:JZnaUDx00
- ''''' '''';;;;;;;,,,;;;;;;'''''';;;;,,,, ''';;;;,,, /´〉,、 | ̄|rヘ ,,,,,;;;;;;'''''';;;;;,,,,,,,,, ,,,,,,;;;;;;;''''''
,,,;;;'''''' '''';;;;;;,,,, '''';;;;,,,, l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/ ∧ /~7 /);''''''
''''''''' ''''''';;;;;;,,,, ''';;;; 二コ ,| r三'_」 r--、 (/ /二~|/_/∠/''''';;;;;;;,,,,,,
''''''''';;;;;;;;,,,,/__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉,,
''''';;;;;;;,,,,,,, ''';;, (__,,,-ー'' ~~ ̄ ャー-、フ /´く//>
'''''''''''';;;;;;;,,,,,,, ,,,;;;,,, `ー-、__,| `"
,,,,,,;;;;;;;;;''''';;;;;;;;,,,,,,;;;''''' ''''';;;;;;;,,,,, ,,,;;'''''';;;,,, ,,,,,;;;;''''''
,,,;;;;''' ''';;;'' ,, . f´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ;;,, ,,,;;''
,,,,;;;;;;''''''' ;' ,,,,;;;,;''' . | 何……してるのかな……? | ''';;;;;;;,,,,,,,;;;'''''
' ,,,;;;'''''' _乂____________ ノ '''';;;;;''
''';;;,,,,, ,,;;;;''' _ ;, '';,,,;';,,;''
''';;, ,,,,,,,,,,;;;;;;;'''''''' <、 ~\ f´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
'';;;;;;;'''';;;;;,,,,,,,,;;;;;;'''''''''''' _|ニ二ニi_ .| え? 言われた通り胸に手を――. .|
:ξ# )ξ/⌒ヽ _乂_______________ノ
:(J )と(ω^ :) '''';;;;; ,,,,;'';,
,;,, ,,,,,,,;;;;;;;''''''';;;,,,,,;' し-J ( J ) ,;''';,;' ;'''';;;,,,;''' ';,;'
,,,,;;;;'''''';;;;;,,,,;;;;'''''',,,,;;'' しーJ ,;'' ;' ''';;;;,,,
;;;;;'' ''';;;;;''';,,,,;;;'''; ,,,;;; '''''';;,,,,
;;;''; ''''';;;;,,,,,, ''';;,
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 21:45:04.77 ID:JZnaUDx00
- \ /
\ \ 丶 .. /⌒i /`l _ ,、
\ \ 丶 i | _,,..、 .| / ,..-、 ,、. l |/ 〉 .〈 .| ,.-、
ヽ \ \ 丶 i | l l | /´ l,、_ノ ,l | l |レ' _,,」 .`'´ 〉
ヽ \ \ 丶 i. | | i' '´_,,、 ,! L.-ヾ=,' l、_,.. 、 「Zノ
ヽ \ \ ヽ i. .| .| し''´ 」 _,.-'´ _, - '_´ ゙l_,〉
ヽ \ \ ヽ i | .| ,,.-''´ (_,.- '´| L-'´ _) /
ヽ \ | .| ,.-'´ ,.-'" /
\ ..l、_ノ {,.- '´| |
.|,i ---‐‐‐
‐‐‐‐--- _, -=''"" ̄ ̄""=-―,.、
_,=、  ̄=.、 -----‐‐‐‐‐
ー―――――――― 彡 "" - , ゛、゜¨∩_
____________ > ヽ 、ハ,∴∵ / つ)-
二二二 :" .__=__  ̄=.、 \ ^ < て ./ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / 彡⌒ | |、  ̄=--,、 ヽ ./'Y''~ヾ し'⌒∪ ̄ ̄ ̄
--------‐‐‐‐‐‐‐‐ /彡" /~ニ | j||ニ二ニi_ "ヽ ヽ ‐‐‐‐‐‐‐‐-----
. / ( /_/ |#゚Д゚)ξ .\ ミ
---‐‐‐‐‐ ヽ ミ .|ヽ,- ⌒ヽ. ,_ ミ ,i ‐‐‐‐---
.  ̄| ミ ノ|ヽ Y|三) ヽ .| 、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人
/ / | | / \_ノ |ミ ij _) (_
/ / /ヽ ヽ | | |i _)テメエの胸にじゃこのボケ弟子がぁぁッ!(_
/ / / "ー、 | | ノ ) (
/ / / / ヽ ヽ ノ / / ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
/ / / / ヽ ヽ // / \ \
/ / / / / ) / / 丶 \ \
/ / / / / / 丶 \ \
/ / / | | 丶 \
\_|
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 21:47:05.60 ID:JZnaUDx00
-
(:::)ω;)「……ざいじょがらぞういっでくだざいお」
ξ#゚д゚)ξ「どこの世界に弟子に胸触らせて反省させる魔女がいるのよ!
痴女かアタシは!?」
(*:::)ω^)+パアアア「あ、でも、柔らかくて気持ちよkξ#゚д゚)ξ「いいからとっととやれえッ!」
ツンの怒鳴り声にせかされて、ブーンは慌てて自分の胸に手をおきました。
そして、目をつむってツンが何故怒っているのか心当たりを思い浮かべます。
( ‐ω‐)「……お」
どうやら思い当たることがあったようです。
ブーンは目を開くと、申し訳なさそうにツンの方を向きました。
( ´ω`)「……ごめんなさいですお」
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 21:49:05.89 ID:JZnaUDx00
-
ツンはため息をついてから、優しくブーンに語りかけます。
ξ‐凵])ξ「わかったならいいのよ。
大体、どうしてこんなことしたの?」
( ´ω`)「みんなが喜ぶと思ってつい……」
ξ゚听)ξ「(みんな?)いや、それでも一ヶ月続けてはないでしょうよ」
(; ^ω^)「え? 日程は予定通り二日で終わりましたお?」
ξ;゚听)ξ「……話の流れが見えてこないんだけど」
( ^ω^)「コミケで師匠をモデルにした百合同人出したことじゃないのかお?」
ξ゚听)ξ「てめえそんなことしてたのか」
( ^ω^)「誘導尋問とは……なかなかやりおるではないか」
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 21:51:01.23 ID:JZnaUDx00
-
┌───────────────────────────────┐
│ ズドドドドドドドドドド!!! .....│
│ ゜ヾ´ ″ ....│
│ =―≡ ̄`:∵∧_∧´‘ ....│
│ _ Λ_≡―=', ( ∴∵゛、゜¨ ..│
│ , ≡ ) ( ゜Д゜r⌒) _/ / ̄ _ │
│ ´∴‘≡く / ∧ | y'⌒ ⌒ ヽ _Λ( ≡―=‥、,、 ....│
│ ″″ \/ Λ_| />> | ゜Д゜ )`=―≡―?? .│
│ “ ( ゜Дー' | |ヾノ // │
│ =―≡ ̄`:, | , | ( ̄=―≒‥,, .│
│ ,゛“=―≡―=',/ ノ )∵`=≡―= .....│
│ ∴/´/ / | | ,'ゞ │
│ ゛〃/ / / \| | ヾ マックノウチ ....│
│ /( | ( | マックノウチ .│
│ / | | |\ \ │
│ / / | | | ヽ/⌒〉 .│
│ (_ 「 _) (_〈_/ │
│ ....│
│ Now Boxing ... │
│ ....│
│ しばらく幕之内コールでお待ちください。 .│
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- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 21:53:05.04 ID:JZnaUDx00
-
:(:::)ω(:::):「前が見えねえ」
ξ#゚听)ξ「ッたく、ホントにロクなことしないんだから!」
ツンは手をパンパンと払いながら、足元で痙攣しているブーンに吐き捨てました。
(:::)ω^)「で、師匠は一体どうして怒ってたんですかお?」
ブーンはゆっくりと立ち上がりながら、ツンに尋ねました。
すると、ツンはギロリとブーンを睨みつけ、怒鳴り声を上げます。
ξ#゚听)ξ「食事のことよ! しょ! く! じ!
アンタ昨日の献立朝昼晩なんだったか言ってみなさい!」
( ;ω;)「師匠……とうとう何食べたかも思い出せないほどボケてしまったんですかお……
僕のDSi貸しますから、いまからでも脳トレでボケ防止を――」
ξ# )ξ「……どうやら殴り足らなかったようね」
(; ゚ω゚)ゝ「昨日は朝昼晩と三食カレーです! マム!」
ブーンは背筋をビシっと伸ばし、敬礼をしながら声を張り上げました。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 21:55:06.25 ID:JZnaUDx00
-
ξ#゚听)ξ「じゃあ一昨日は!?」
( ^ω^)「一昨日も三食カレーですお」
ξ#゚听)ξ「その前日!」
(; ^ω^)「その日もカレー……」
ξ#゚听)ξ「その前の日は!?」
(; ゚ω゚)「……三食カレー」
ξ゚听)ξ9m「次に、お前は”カレーばっかりだお”という!」ズキュ―――z__ン!!
(; ゚ω゚)「カレーばっかりだお……ハッ!?」
ブーンはツンの言葉通りになったことに驚き、その場にへたりこみました。
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 21:57:07.78 ID:JZnaUDx00
-
ξ#゚听)ξ「わかった!? ここ一ヶ月全部カレーなのよ!?
いい加減飽きるっつーの!! つーか自覚なかったの!?」
(; ゚ω゚)グニャアア「そんなっ……! そんなばかなっ……!
なんでこんなことがっ……!!
なんでこんなあってはならないことが……!
どうしてっ……! なんで……こんなっ……!」
ξ#゚听)ξ「福本漫画のパロはいいから、とっとと昼飯作りやがれ!
カレー以外のな!」
(; ´ω`)「は、はいわかりましたお。
……僕、そんなカレーばっか作ってたのかお」
ブーンはぼやきながら立ちあがり、キッチンへと歩いていきます。
無意識に偏った献立を続けていたのがショックだったのか、その足取りは重そうです。
ξ゚听)ξ「ちょっと待ちなさい、何を作るつもりなの?」
( ^ω^)「えーと、こないだひき肉と卵が安かったから……
ハンバーグにでもしますかお?」
ξ*゚听)ξ「それでいいわ。久々にカレー以外のものが食べられそうね」
ツンは嬉しそうにそう言って、キッチンへと向かうブーンの背中を見送りました。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 21:59:08.21 ID:JZnaUDx00
-
――
時刻はお昼時。
午前中のお勤めを終え、午後からの仕事の活力となるお昼ご飯を食べる時間です。
それは魔女の家も例外ではなく、彼女の居間には食欲を掻き立てるような香辛料の香りが漂っています。
ξ#゚听)ξ「おいてめえ、これはどういうことだコラ」
しかし、何故かツンはご機嫌斜め。
それもそのはず。テーブルの上にはまたしても、
辛くて美味しそうなカレーライスが乗っかっていたのですから。
(; ^ω^)「……あ、あれですお! 今日はカレー曜日――」
ξ#゚听)ξ「次くだらねえこと言ってみろ。
貴様のイチモツをすり潰すぞ」
(; ゚ω゚)「ひぃッ!?」
股ぐらに寒さを感じたブーンは、慌てて両手で口を押えます。
_, ._
ξ゚听)ξ「ん?」
そのとき、ツンは少し表情を曇らせ、ブーンの右手に手を伸ばしました。
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:01:07.39 ID:JZnaUDx00
-
( ;ω;)「ごごごごごご、ごべんなざいいいい!
どうか、どうか僕のフランクフルトちゃんだけはご勘弁を――」
ξ゚听)ξ「ポークビッツが何を粋がってんのよ。
……じゃなくて、アンタ。この指どうしたの?」
ツンはブーンの右手を取り、まじまじと観察してから、
ブーンの親指の先を指差しました。
( ;ω;)「……へ? 指?」
ブーンはツンに促されるまま、自分の親指を覗きこみます。
すると、ごくわずかですが、親指の周囲の空気が歪んでいるのがわかりました。
(; ^ω^)「あるぇー? 何だおこれ?」
ξ゚听)ξ「これはね、呪いよ」
( ^ω^)「? 別にすばやさを犠牲にしてこうげきとぼうぎょを上げてないですお」
ξ;゚听)ξ「ポケモンの話じゃねえ! 呪術とかの呪いよ!
まったく……アタシの弟子とあろう者が……
どこのアバズレからもらってきたんだか……」
(; ^ω^)「性病みたく言わないでくれません!?」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:03:26.90 ID:JZnaUDx00
-
ξ゚听)ξ「それにしても……ここまで小さくて分かりにくい呪いなんて珍しいわね。
これを仕掛けた奴は相当の腕ね……」
(; ^ω^)「あの、師匠? 僕大丈夫なんですかお?」
ξ‐凵])ξ「んー、そのままでも死んだりはしないんじゃない?
……たぶん」
(; ゚ω゚)「たぶん!?」
ξ゚听)ξ「あー、もしかしたら体の内側を徐々に腐らせていくような奴かも……」
( ;ω;)「マジで!?」
ξ゚听)ξ「まーまー、びびりなさんな。
アンタの師匠が誰だと思ってんの?
この”偉大なる魔女”ツン様が直々に解呪してあげるのよ?」
(* ^ω^)「あ、ありがとうございますお!!」
ブーンは先ほどまで泣きべそをかいていたのが嘘のように、嬉しそうな笑顔を見せました。
ですが、ツンはブーンの手を離し、おもむろにスプーンを掴みます。
ξ゚听)ξ「ご飯食べてからねー」
( ^ω^)
( ^ω^ )
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:05:27.11 ID:JZnaUDx00
-
――
ξ;゚听)ξ「……アンタなんかやつれた?」
( ヽ゚ω゚)「あんな脅ししておいてのんびり昼飯食うとか……
マジ鬼畜ですお……」
ξ゚听)ξ「人間そんなすぐに死にゃあしないわよ。
……じゃ、始めますか」
そう言って、ツンは右手の指をパチンと威勢よく鳴らしました。
すると、ボフン、という音と共にテーブルの上が煙に包まれます。
その煙が晴れていき、中から現れたのは――
,.、 ,.、
(`ヽ ! ヽ()() ,.-- 、 i i
| } ヽ ヽ _,,.. -―-、 ヽ、_ ヽ / /
/ / i i ヽ、__,.、_〉 //`'ノ /
r' ! へ! ! { '-' /
`ー' `ヽ、ノ `ヽ、_ノ
_
<、 ~\
_|ニ二ニi_
ξ゚听)ξ
_____(__つ_/ ̄ ̄ ̄/__
旦 \/___/
一台のノートパソコンでした。
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:08:11.22 ID:JZnaUDx00
-
( ^ω^)「解呪にPCって……この世界狂ってるよNE!」
ξ゚听)ξ「シッ! 言っちゃいけません!
ほら、御託はいいから隣に座りなさい」
ブーンはツンの言う通りに隣に座り、呪いのかけられた手を差し出しました。
ツンはその手をとると、目をつむって何事かを呟きます。
すると、ブーンの手とノートパソコンの間に、白い光の帯が現れました。
ξ゚听)ξ「よし、接続完了。これより解呪を行うわ」
、__人__人__人__人__人__人__,
_) (_
_) ゲーハハハハハハッ!(_ 、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
) ( _) (_
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ _) VIPのスーパーハカーと呼ばれた (_
_) 私の解呪の腕を見せてくれるわ!(_
) (
_ ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
<、 ~\ズダダダダッ!!
_i|ニ二ニi_
\、|i ゚∀゚)ξ|i /⌒ヽ
-=)从./ ̄ ̄ ̄/ (^ω^ :)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄、-/___/ ̄(_/ ̄(_/ ̄ ̄ ̄ ̄
o
O
f´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
| 解呪っていうかハッキングじゃねーかお…… .|
乂__________________ 丿
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:11:17.27 ID:JZnaUDx00
-
ξ゚∀゚)ξ「よし、とりあえず効果の欄を御開帳ね!
えーとなになに……?」
一心不乱にキーボードを叩きつつ、ツンはディスプレイに映し出された文字を読みだします。
ξ;゚д゚)ξ「”カレーしか料理できなくなる”……?
なんてくだらない内容なのかしら……」
(; ^ω^)「え? じゃあ僕が一ヶ月カレー作ってたのって」
ξ;--)ξ「間違いなくこれのせいでしょうね。
しかも、作ってる本人にそのことを意識させないよう、高度な精神操作までしかけてあるわ。
内容はともかく、これを作った奴はホント変態じみた実力を持ってるわね……」
ツンはそこまで言うと、キーボードを叩いていた手をさらに加速させました。
部屋の中に滝の音のような怒涛のタイピング音が響き渡ります。
ξ゚∀゚)ξ「しかし! このアタシにかかればどんな呪いも紙くず同然よ!
アハハハハハハハハハハハ!!」
(; ^ω^)(やべえ、なんか変なスイッチ入ってる)
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:14:02.08 ID:JZnaUDx00
-
しかし、ツンの勢いよくキーボードを叩いていた手は、
ある時を境にぴたりと止まってしまいました。
ξ;゚听)ξ「……は?」
(; ^ω^)「ど、どうしたんですかお」
ブーンは不安そうな表情でツンに尋ねます。
すると、ツンは力なく笑いながらブーンの方にゆっくりと顔を向けました。
ξ;゚∀゚)ξニヘラァ「あはははははははは……
解呪には声紋認証が必要ですって……」
(; ^ω^)「……つまりどういうことだってばお!?」
ξ;゚∀゚)ξ「呪いをかけた
本人にしか
解けない」
(; ゚ω゚)「ええ!? じゃ、じゃあ僕はどうなるんですかお!?」
ξ;゚听)ξ「一生……カレーを作り続けることになるわね……」
\( ^ω^)/「\(^o^)/」
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:16:04.87 ID:JZnaUDx00
-
σξ;‐凵])ξ「はあ……呪いに声紋認証?
そんなの今まで聞いたことないわよ……
この術式作った奴、天才通り越してキチガイだわ……」
( ;ω;)「師匠……カレー以外の料理がしたいです……」
床に手をついてがっくりうなだれるブーン。
そんなブーンに、ツンは優しく言いました。
ξ@僉)ξ「諦めたら?」
(# ;ω;)「眼鏡かけるぐらいだったら、
『諦めたらそこで試合終了ですよ』
ぐらい言えよおおおおおおッ!」
泣きわめくブーンを見て、ツンは両腕をその大きな胸の下で組み、
困ったような表情を浮かべます。
ξ;゚ ‐゚)ξ「うーん、まあアタシもいい加減カレー以外の料理が食べたいしねえ。
……その呪いのかかった指でも詰める?」
(# ;ω;)「アンタは鬼か!?」
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:18:04.21 ID:JZnaUDx00
-
ξ゚听)ξ「じゃあ仕方ないわね。
ユー、呪いをかけた奴を捜しちゃいなよ」
(; ^ω^)「何故ジャニーさん!?
っていうか、捜す?」
ξ゚听)ξ「ええ、その呪いはかけた本人にしか解けない呪い。
ならその本人を捜しだして、呪いを解かせるしかないでしょ?」
(; ^ω^)「師匠は手伝ってくれるんですかお?」
ξ゚听)ξ「めんどいからいかない」
(これは試練よ! 一人前の魔法使いになるためのね!)
( ^ω^)「おい、本音と建前逆になってんぞ」
ξ#゚听)ξ「う、うるさいわね! いいからさっさと行きなさいよ!」
( ;ω;)「無理だお〜!
師匠でも解けない呪いを作るような奴を、
僕にどうやって捕まえろっていうんですかお〜!」
ブーンはその場で寝転がり、手足をジタバタとさせながら泣きわめきました。
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:20:06.36 ID:JZnaUDx00
-
そんな様子のブーンを見かねたツンは、少しその場で考えました。
σξ;‐凵])ξ「まあそれもそうね……仕方ないわ。
ブーン、ちょっとついてきなさい」
( ;ω;)「お? どこに行くんですかお?」
ξ゚听)ξ「研究室よ」
ツンは踵を返し、さっそうと居間から出て行きました。
( ;ω;)「おーん! 待ってくださいお〜!」
ブーンは慌てて起き上がり、急いでツンの後を追いかけました。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:22:18.79 ID:JZnaUDx00
-
――
ここはツンの家の地下にある実験室。
部屋の壁際には怪しげな道具が散乱しており、
真ん中にある流しのついた大きな机の上には、様々な魔導書が積み上げられています。
(; ^ω^)「師匠? いったい実験室に何しにきたんですかお?」
ξ゚听)ξ「これよ」
ツンはそう言って、部屋の隅にあった布をかけられた大きな何かに近寄ります。
そして、ツンはその布を掴み、勢いよく取っ払いました。
そこには――
___
<____>
┌--――|_. エ_+ェ|―┬--┐
,| i | _ト.`´`´-|_ ! |\
,-/ |. ̄工  ̄Т ̄ / ̄ ̄7/ ,>―- 、
/ (_/ヽ_ __┬_|__工工_ / \/ ._ |
iヽ+工/ ∨__| ⊥⊥_/ / ̄  ̄ヽ
Vっし / −二二 工エ| l⌒l⌒.l⌒l⌒l
 ̄ /\__l T__/\ i\_|_|__/_/
/ T /  ̄ _> ヽ`-―´
| ̄工 エ|_ | `ー ´\
/`ー一 ´/| \_二二l
|二二二二/
土で出来た大きな人形がたたずんでいました。
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:25:04.50 ID:JZnaUDx00
-
( ^ω^)「なんとも痛恨の一撃を繰り出しそうなデザインで……
というかコレは一体何ですかお?」
ブーンは不思議そうな表情で土の人形を眺めます。
そんなブーンにツンは得意げになってその大きな胸を張りました。
ξ゚听)ξ「これはね、アタシが長年研究していた魔法人形の試作品よ。
人形自身が意志を持ち、勝手に動いてくれるの。
これが完成したら、危険な作業は全部この人形に任せられるわ」
( ^ω^)「普及したらいたずらに雇用を減らしそうですNE!!」
ξ;゚听)ξ「……もっと子供らしい反応をしたらどうなのよ」
( ^ω^)「でも、動いてないですお? 完成してないんですかお?」
ξ゚听)ξ「これから仕上げをするのよ。見てなさい」
そう言うと、ツンは机の上の本の山から一冊の魔導書を引っ張りだしました。
そして、土の人形の前に立ってから、魔導書を開き、読み上げ始めました。
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:27:06.12 ID:JZnaUDx00
-
ξ゚听)ξ「△◇▲○×▼□……」
するとどうでしょう。土の人形がほのかに光り始め、
同じようにツンの持つ魔導書もぼんやりと光を放ち始めました。
(; ^ω^)ゴクリ……
ブーンはツンの後ろから固唾を飲んで見守ります。
実験室に響くのは、ツンの声とページをめくる音だけ。
ξ;゚听)ξ「★○▲◇! ▼△■◇▲○!」
次第に語気が荒くなり、ツンはうっすらと汗をかき始めました。
それに合わせて土の人形が放つ光も強くなっていきます。
ξ;゚д゚)ξ「◎△★▲◇□ッ!!」
そして、魔導書の最後のページを読み終えました。
その途端、耳をつんざくような大きな音と共に、土の人形が爆発したのです。
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:29:02.95 ID:JZnaUDx00
-
ξ;><)ξ「きゃあッ!?」
(; ゚ω゚)「へぶッ!?」
ツンは爆発に勢いよく吹き飛ばされました。
その後ろにいたブーンは、吹っ飛んできたツンの形のよいお尻に押しつぶされてしまいました。
ξ;凵G)ξ「ゲホッ、ゲホッ……し、失敗しちゃった……?」
ヽ(メ;゚ω゚)ノジタバタ「ししょーう! 早くどいてくださいおー!」
ツンはブーンの上に尻もちをついたまま、煙が充満した実験室を見回しました。
煙は少しずつ晴れていき、おぼろげながらも物の形が見える様になってきました。
すると驚いたことに、先ほど土の人形があった辺りには、人影のようなものが見えるではありませんか。
ξ;゚听)ξ「……あれほど派手な爆発だったのに。
もしかして、成功……?」
ヽ(メ;゚ω゚)ノジタバタ「い、いいから早くどいてー!」
ξ;゚听)ξ「あ、ゴメン」
ツンはブーンの上からどくと、土の人形のほうに目を凝らしました。
煙が完全に晴れ、その中から姿を現したのは――
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:31:07.36 ID:JZnaUDx00
- ,, - ―- 、 _人_ *
,. '" _,,. -…; ヽ Y ┼
(i'"((´ __ 〈 } +
|__ r=_ニニ`ヽfハ } ┌───────────┐
ヾ|! ┴' }|トi } │ 全裸のいい男でした .│
|! ,,_ {' } └───────────┘
「´r__ァ ./ 彡ハ、__ ,...,___ ┼
ヽ ‐' / "'ヽ/ '´ `丶、 _人_
ヽ__,.. ' / , ′ iヽ + Y ┼
/ ヽ ‐、 / '/// ! ',
,.イ l \ /__ i ,' i _人_ *
/ !| ., ' ´ ,={ / 亅 Y ┼
,. -'ァ‐==ニ_‐-v′ ^ヘ / ,′ +
/ /- ._ 〃, ', _,.イ / ┼ _人_
/ ハ` ミ {/ 〉 ´ i !イ{ Y +
i ,イ` _,,.t' / 亅 ノ ! ',
! ,厶ヘ ヘ. ,′ .' / |
v' / ヽ -_込._ { ' , j
/ h \__,,.. ァ'´ { `¨¨¬ / / / *
,′ ! ', ヘ._,. 个、___,,. }__ー‐'´ v' / _人_ _人_
{ ', ハ ノ ,、,.-‐'´ ) V// Y + Y
∨ ,ハ. / ,{ ヽ-‐'/ / {/
(⌒;;;;,,.⌒):::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;-、く ハ ノ_/ _,,. -‐;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: (;; `)⌒;;,,.⌒)
(⌒;;;;;⌒;ソ ⌒;;):::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;:.:.:`77了´ -‐'_,.-‐'´ ;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::;;;;;:: (⌒;;⌒ヽ;; `)⌒;;,,.⌒
;;;; )(⌒;;ヽ;;`)⌒;;,,.⌒)::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.j:{:::{ ´ ::::::::::::::::::::::::::::::(⌒;;;ソ ⌒)(⌒;;ヽ;;`)⌒;;,,.")
⌒;ソ⌒;;;;''')ヽ);;;;;;;,,,,,,)ソ''⌒;;)⌒ニー厶!い __,,.. -―  ̄ )⌒;ソ⌒;;;;!"''')ヽ);;;;;ソ;;,,,,,,)ソ''⌒
⌒;;;;!"''')ヽ);;;;;ソ;;,,,,,,)ソ;ソ⌒)(⌒;;‐く. ヽヽ ̄-r¬::T" ̄ ̄l⌒;;ヽ;;;;;''')ヽ);;;;;;;,,,,,,)ソ '';`)⌒;;;;''')ヽ);;;;;;;
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:34:07.24 ID:JZnaUDx00
-
ξ;゚д゚)ξ「いや、誰ええええええええッ!?」
N| "゚'` {"゚`lリ「おっと、自分で創り出しておいて”誰”とは随分なご挨拶じゃないの」
いい男はそう言うと、ツン達の方へと歩み寄ります。
歩くたびに、彼の股にぶら下がる立派なマグナムがぶらりぶらり。
(; ゚ω゚)「え……? じゃあアンタがあの魔法人形?」
ξ//д/)ξ「つーか何か着ろおおおおおおおッ!」
N| "゚'` {"゚`lリ「やれやれ……どうやら俺のご主人様はかなりのわがまま娘のようだな。
俺としてはせっかくもらったこの美しい肉体を見せびらかしたいんだがね」
いい男は仕方なさそうにそう言うと、足元にあった布に目をつけました。
その布は、魔法人形の覆いとして使われていたものです。
いい男はかがんで布を拾うと、腰のあたりにしっかりと巻きつけました。
その姿は、まるで美術の教科書に出てくる彫像のような美しさでした。
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:36:26.22 ID:JZnaUDx00
-
N| "゚'` {"゚`lリ「さてと、じゃあ言われた通りイチモツも隠したし、自己紹介でもしておこうじゃないの。
俺の名前は阿部高和。気さくに阿部さんって呼んでもいいんだぜ?」
阿部さんと名乗ったいい男は、そう言って二人に向けてウィンクをしました。
(; ^ω^)「な、なんか自分で名前決めちゃってるお……」
ξ;゚听)ξ「自我の形成にちょっと問題があったみたいね……まあ悪い奴ではなさそうだけど。
あ、アタシがアンタのマスターのツンよ。で、こっちのちっこいのが弟子のブーン」
(; ^ω^)「よ、よろしくだお」
二人は戸惑いながらも阿部さんに自己紹介をします。
N| "゚'` {"゚`lリ「で、ご主人はどうして俺を創り出したんだい?
大人のオモチャとしての御利用なら力になれないと思うぜ?
悪いが俺は女性をそういう対象としては見れないんだ」
( ;ω;)「し、師匠……彼氏いない歴=年齢だからってこんなのに頼って……」
ξ#゚д゚)ξ「誰がそんな目的で創るか!!
つーかお前ガチホモかよ!?」
N| "゚'` {"゚`lリ「うほっ、こんな近くにいいショタが。
や ら な ξ#゚д゚)ξ「言わせねーよ!?」
( ^ω^)「やべえ、身の危険を感じた」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:39:09.26 ID:JZnaUDx00
-
ξ;゚听)ξ「ハア、ハア……と、とにかくアンタを創り出した目的ね」
ツンは怒鳴ったせいで乱れた呼吸を整えながら、阿部さんに言いました。
ξ゚听)ξ「このブーンと一緒に呪いをかけた奴を捜しだしてほしいの。
言うなれば、コイツの護衛をしてほしいってこと」
N| "゚'` {"゚`lリ「ヒュー……呪いとは穏やかな話じゃないねえ。
まあ、任せてもらおうじゃないの」
言葉とは裏腹に阿部さんは楽しそうな表情を見せます。
一方、ブーンは血相を変えてツンにくってかかりました。
(; ゚ω゚)「し、師匠!? マジで言ってんですかお!?」
ξ゚听)ξ「マジに決まってるでしょ。
コイツならかなり頑丈に創ってあるからそんじょそこらの奴には負けないわ。
阿部さんと一緒ならアンタも安心して犯人探しができるでしょ?」
(; ^ω^)「不安ですお! 特に僕の純潔に関して!」
ξ゚听)ξ「? 散らせばいいじゃない」
( ^ω^)「コイツ……正気か……?」
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:42:04.89 ID:JZnaUDx00
-
ツンに意見を一蹴されても、ブーンはなお粘ります。
(; ^ω^)「あ、あれですお! ボケとボケでツッコミがいませんお!
この先会話がカオスになっちゃいますお!」
ξ;゚听)ξ「いや、そんなメタな話をされても……
ツッコミぐらいアンタやりなさいよ……」
\ / キラーン☆
\ 丶 i. | / ./ /
\ ヽ i. .| 、 `  ̄ ̄ `' ,/ r´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
\ ヽ /⌒ ー-、 i、‐-┬-ー-r i | おっと、突っ込みなら得意だぜ?|
\ / ヾ 、、、ヽ〉 |},_ _,,| | 乂_____________丿
.// 7ヽ_|」」ノ l´゚゛{ `'゚゛ |Z -‐
ー / ,′ / ! _''__, i.イ 、__人__人__人__人__人__,
__ / ,ム-.、 ト. ー /l ゙i _) (_
二ヽ  ̄  ̄⌒ヽ_,ィ! , ̄ / ヽ.、 = 二 _) 言うと思ったお!!(_.
 ̄ \ ヽ、__.. 、 !、 /., ___,,`ー-.、 ) (
-‐ `ヽ、-== 、 У /´ 〃 ', ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y .
`ー-、/ / l 、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
/ ,'、 ,′ ,ィ、 ハ _) (_
/ l,゚' ,;l;, 、。, ;ノハ `ー-'' ', \ _) 少しは自重しろこのガチホモ!! .(_.
/ }`ー‐个ー -‐ '' ノ | l ) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ .
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:44:24.05 ID:JZnaUDx00
-
ツンはボケの応酬でカオスになった場の空気を、咳払いで落ち着かせました。
ξ;゚听)ξ「と、とにかく、アンタにはこの阿部さんと一緒に呪いをかけた犯人を捜してきなさい」
(; ´ω`)「は、ハイ……わかりましたお」
N| "゚'` {"゚`lリ「しかし、犯人を捜すといっても手掛かりがないじゃないの。
やみくもに捜すのはスマートとは言えないぜ?」
ξ゚听)ξ「ま、それくらいはアタシが手伝いましょうかね」
ツンはそう言うと、再び指をパチンと鳴らしました。
今度は実験室の机の上に、ノートパソコンが現れます。
ξ゚听)ξ「ブーン、もっかい手を出しなさい。
その呪いをいつどこで受けたのか調べるわ」
そう言って、ツンは再びキーボードを叩き散らし始めました。
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:47:11.71 ID:JZnaUDx00
- 、__人__人__人__人__人__人__,
_) (_
_) ゲハハハハハハハッ!(
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
r´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
| おいおい、大丈夫なのかい? ウチのご主人は…… |
乂______________________丿
O
o _
, ‐―‐-、 .<、 ~\ズダダダダッ!!
l ,.-‐‐-, l _i|ニ二ニi_
ni;`Ii iIh \、|i ゚∀゚)ξ|i /⌒ヽ
ゝ、___ノ,ヽ .-=)从./ ̄ ̄ ̄/ (^ω^ :)
 ̄ ̄ ̄/ r ( ̄ン ̄ ̄ ̄、-/___/ ̄(_/ ̄(_/ ̄ ̄ ̄ ̄
、__)
o
O
f´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
| 発作みてーなもんだから諦めろお .|
乂______________ 丿
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:50:16.34 ID:JZnaUDx00
-
ξ゚听)ξ「――っと。よし、なんとか記録を拾えたわ。
んー、呪いをかけられたのはひと月前か。
場所は……なんだ、近所のスーパーの近くじゃない」
ヽ(* ^ω^)ノ「あそこ業務用スーパーだから買い溜めするのにお得なんだお」
N| "゚'` {"゚`lリ「魔女がいるような世界にスーパーって……」
ξ゚听)ξ「おっと、その話はそこまでよ。
とにかく手掛かりは与えたわ。後は自分たちで頑張りなさい」
(; ´ω`)「じゃあとりあえずスーパーまで行ってみますかお……
でも不安だお〜……」
しょげた顔をしながらブーンは俯きます。
そんなブーンを見た阿部さんは、ブーンの肩に優しく手を置いて言いました。
N| "゚'` {"゚`lリ「安心しな。俺がついてるじゃないの。
ハッテン場に入ったつもりでどんと構えてな」
( ^ω^)「不安が一層増したんだけど」
こうして魔女の弟子ブーンは、魔法人形の阿部さんと共に、
犯人を捜すためスーパーへと向かったのでした。
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:53:10.66 ID:JZnaUDx00
-
;ヾ、,.、,、.、rツ ッッシ、:':' r':' _,、-'゙_, や 業 近 そ
,、,、,ミッン、,._ _,、-'゙_,、-'゙. っ 務. ん
、ィッ ,:、 ゙''ゞ=ミ、~.: _,、-'゙_,、-'゙ __, て 用 所 な
}; ヾ ゙' {!li;:,. _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,::|_| 来 ス に わ
ゞァ''゙ぐ _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,、-''" .|_ た | あ け
,ヘ:'_,、-'゙_,、-'゙..::「┴_,エ ┴ ''"_|_| の. パ る で
└i'゙-ニ,ニエ,.:|ニ「 _エ ┴ ''"_|_ だ |
|エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ __.|_|_ に
|エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ 「fj.||__|__| _|
|エ | ニエ, |[8] _エ ┴ └‐_|_|__l__,|⊥ |__
|エ | ニエ, |二 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
|エ | ニエ, |┴ _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__|
|エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
|エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__
-,-=''┷━━|┬ニエ ┬-- .|__|__| _|_|_
''ーニ_''ー::、_ ゙┷ 工_二'‐-、,_|_|__l__,|⊥ |__
二二二`''ーニ`_''ー-、_¨''━、L|__|__| _|_|_
二二二二二二二`''ーニ_''ー 、_ |⊥ |__
※画像はイメージです
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:56:12.94 ID:JZnaUDx00
-
休日だからなのか、スーパーにはひっきりなしに結構な数の人が出入りしていきます。
そのせいかもわかりませんが、スーパーの周りには大きな人の流れができていました。
( ^ω^)「今日も人が多いおー」
ブーンは大きめのエコバックを片手に人だかりを見て言いました。
犯人探しのついでに買い物をして帰るつもりなのです。
N|;"゚'` {"゚`lリ「おいおい、ちょっと待ってくれ。
俺たちは深い森の中にいたはずだよな?
なんで迷わずに10分かそこらで森の外に出られたんだい?」
先ほどのセクシーな格好とは違い、青いツナギを着た阿部さんが尋ねました。
この服は、ツンがTPOをわきまえろと魔法で用意してくれたものです。
( ^ω^)「ああ、あーいう森には自殺志願者がたくさん来ちゃうんだお。
それで、師匠が家の周りに死体が転がるのが嫌だからって、
森全体に絶対迷わない魔法をかけたんだお」
N|;"゚'` {"゚`lリ「ウチのご主人はとんでもない人なんだな……
女にしておくのがもったいないぜ。
……ん?」
阿部さんはふとスーパーの前にいた、ある男の方を見ました。
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 22:59:01.23 ID:JZnaUDx00
-
('A`)イラッシャイマセー
スーパーの従業員の制服を着たその男は、手にたくさんのチラシを抱えており、
スーパーに出入りする人達にそのチラシを一枚一枚配っています。
( ^ω^)「阿部さん、どうしたんだお?」
N| "゚'` {"゚`lリ「変だとは思わないかい? ブーン。
新聞折り込みに入ってるチラシをわざわざ店前で配るなんて。
下手したら店の前にホイホイ捨てられて、景観を損なっちまう恐れがあるじゃないの」
(; ^ω^)「お? でもチラシを持ってない人もいるかもしれないし……
特売商品を確認しながら買い物したい人もいるかもしれないお」
N| "゚'` {"゚`lリ「まあそこは100歩譲ってありえるとしよう。
だが、買い物を終えた人にまで配るのはおかしいんじゃないのかい?
それも――」
阿部さんは足元に落ちていたチラシの一枚を拾い、それをブーンに見せました。
N| "゚'` {"゚`lリ「今日の分の特売情報しかかかれていない奴をな」
(; ^ω^)「ほ、ホントだお……じゃああの人はなんのために……ん?」
ブーンは何かに気付いたのか、阿部さんの大きな手からチラシを勢いよくひったくりました。
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:02:20.32 ID:JZnaUDx00
-
(; ゚ω゚)「こ、これ。呪いがかかってるお!」
ブーンはチラシの隅の方を指さし、阿部さんに見せました。
よく見ると、ブーンの呪われた指と同じように、周りの空気がわずかに歪んでいるじゃありませんか。
N| "゚'` {"゚`lリ「なるほど、チラシに触った奴に呪いがかかるようになっているのか……
ヒュー! 来て早々当たりのようじゃないの。
さあ、ブーン。アイツを問い詰めにイこうぜ」
(; ゚ω゚)「え? ちょ、まだ心の準備が……ぬわーッ!?」
阿部さんはブーンを脇に抱えると、大股でチラシを配っている男の方へと近づいていきます。
男は、近づいてきた阿部さんの方を見ましたが、その大きな体にも動じずに言いました。
('A`)「……何か御用ですか?」
N| "゚'` {"゚`lリ「ちょいとお尋ねしたいんだが……
アンタんとこのスーパーはチラシと一緒に呪いもサービスしてくれるのかい?」
('A`)「!」
男は一瞬表情を曇らせます。
ですが、男はすぐに取り繕うように言いました。
('A`)「呪い……? 一体何のことだかわかりませんが……」
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:05:15.27 ID:JZnaUDx00
-
N| "゚'` {"゚`lリ「おっと、とぼけても無駄だぜ。
既に証拠は上がってるんだ」
阿部さんはブーンの持っていたチラシを、
ブーンごと男の前にひょいと突きつけました。
N| "゚'` {"゚`lリ「それに、アンタの持ってるそのチラシ。
よく見りゃ随分と禍々しい空気を放っているじゃないの」
そう言って、阿部さんは男の持っているチラシを指差します。
阿部さんの言う通り、そのチラシの束の周りには、わずかな空気の歪みが見えました。
( A )「……ふ」
男はチラシを抱えていた腕を、力が抜けたようにだらんと下げました。
そのせいで、持っていたチラシが辺りに散らばります。
(; ^ω^)「お?」
(゚∀゚)「ふははははははッ!? バレちまったああああ!
終わりだ! もう終わりだ! 俺は終わりなんだああッ!」
男は狂ったように笑い出しました。
突然の出来事に、ブーンは戸惑います。
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:08:01.07 ID:JZnaUDx00
-
(; ^ω^)「い、一体どうしたんだお?」
(゚A゚)「アハハハハハハ――」
突然笑い出したかと思えば、今度は突然黙りこみました。
するとどうしたことでしょう。
(;゚A゚)∴“:;「が――あがッ――ブハァッ!」
男はその身を悶え、苦しみ始め、ついには血を吐き、その場に倒れこみました。
(; ゚ω゚)「あ、アンタ! 大丈夫かお!?」
N|;"゚'` {"゚`lリ「これは一体……」
ブーンと阿部さんは男を仰向けにし、事情を聞こうとします。
ですが、男は苦しみながら悪態をつくだけでした。
(;゚A゚)「お前らの……せいだ……からな……
がふッ―――ぐああああああッ!?」
男は喉を押さえ、なお苦しがります。
そして、恐ろしいことに、体からゴキゴキという鈍い音が聞こえはじめました。
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:09:55.69 ID:JZnaUDx00
-
(; ゚ω゚)「へ、変形していく……」
痛そうな音が鳴るごとに、男の体は徐々に奇妙な形へと姿を変貌させていきます。
いつの間にか彼らの周りを囲んでいた野次馬達の中からも、その様子に驚いたのか悲鳴があがります。
N|;"゚'` {"゚`lリ「おい! お前さん! しっかりしろッ!」
阿部さんの懸命の励ましにも、男はもう反応もできません。
そして、
(゚A゚)「あああああああああああッ――!」
男は断末魔のような叫び声をあげました。
その瞬間、男の体が眩く光って――
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:12:12.33 ID:JZnaUDx00
-
| ̄) γヽ .|\ |
| ̄ ヽ丿 | .\| ☆
γ ⌒ ⌒ `ヘ
イ "" ⌒ ヾ ヾ
/ ( ⌒.ィハx ヽ )ヽ
( *(‘‘)* ヾ )
ゞ (. ノ( ヘヘノ. .ノ .ノ
ゝ、、ゝ ノ ノソ
ゝ、、ゝノ ,, ノ
( ^ω^)
N| "゚'` {"゚`lリ
おめでとう! おとこ は ようじょ に しんかした!
( ^ω^)「納得できるか」
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:15:45.29 ID:JZnaUDx00
-
*(;;)*「ああ、やっぱり幼女になってしまった……
これから親友だと思っていた男に惚れられたりする、
女体化イチャラブコメディーが始まってしまうのかッ……」
( ^ω^)「女体化スレ住民乙。
どっちかっていうと、親友の男の養女になる流れだと思うお」
N|;"゚'` {"゚`lリ「懐かしいが……今分かる奴いるのかねえそれ……
しかし、お前さん。これは一体どういうことなんだ?」
阿部さんは男もとい幼女に尋ねました。
ですが、幼女はだぶだぶになった服の袖を顔に押し当て、さめざめと泣いてばかり。
「ふはははは! そ奴は任務に失敗した報いを受けたのである!」
しかし、そのとき、どこからともなく叫び声が聞こえてきました。
N| "゚'` {"゚`lリ「! 誰だッ!」
(; ^ω^)二ア「阿部さん! あそこ!」
ブーンはスーパーの屋根の上を指差しました。
阿部さんはすかさずブーンの言う方向に目を向けました。
そこにいたのは――
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:19:09.72 ID:JZnaUDx00
- 、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
_) (_
\::::::::::::ヽ _) 大魔王杉浦ロマネスク! 参上であるッ!.(_.
\:::::::::ヽ ) ( ,
, ヽ:::::::::ヽ ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y .
\\、 ヽ::::::::ヽ /::::::::::::/ ,...ィイ´ll、_::::<´
\::`lへ,,‐-,、_ ヾ::::::::l ∧_∧ /::::::::::/ , -‐´´ ll | /l `>'
/ノll ll ll ``‐-、 ヾ::::::l ,、./:::::::::::::::',ll\ /::::::::/, -´ , -┴ ┴'
`´ └┴┴、_ ``‐-、 ヾ:::V::ll |:::Ф:::Ф:ll:::::::〉/:::::/´´ _, -‐ ´
 ̄``‐-、_ ``‐-、ヾ::::::::ゝ\:ω:://::::/::::/ _, -‐´
``‐、 ヾ::::::、:ヾ⊂ノノ:/:::/´‐´
`` \::\::........:::::::イ ´
l``┐ィ ´´ /
l lll / ┌─────────────┐
| lll l .│ 黒ずくめの、変態さんでした .│
l lll l └─────────────┘
/ lll /
/ 川 /
/ ノヘヽ へ
/ // ヽヽ | \
_ -┤// ヽl l \
, -‐ ´ |l l ∩ ll | ヽ、
, - ´ l ll l.| ll | ヽ、
_ -‐ ´ l ll l| ll | ヽ、
, -‐ ´ l ll | ll | ヽ、
l ll l ll | ヽ、
( ^ω^)N| "゚'` {"゚`lリ((うわあ……))
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:22:05.48 ID:JZnaUDx00
- \::::::::::::ヽ /::::::::::::::::::::/
┌──────────────┐ /::::::::::::::::::/ ,
│ 大魔王杉浦ロマネスク―― ...│ /:::::::::::::::/ , ,....イ´::::〉
└──────────────┘ /::::::::::::/ ,...ィイ´ll、_::::<´
\::`lへ,,‐-,、_ ヾ::::::::l ∧_∧ /::::::::::/ , -‐´´ ll | /l `>'
/ノll ll ll ``‐-、 ヾ::::::l ,、./:::::::::::::::',ll\ /::::::::/, -´ , -┴ ┴'
`´ └┴┴、_ ``‐-、 ヾ:::V::ll |:::Ф:::Ф:ll:::::::〉/:::::/´┌────────────────┐
 ̄``‐-、_ ``‐-、ヾ::::::::ゝ\:ω:://::::/::::/ _,. │ その絶大な魔力を背景に ...│
``‐、 ヾ::::::、:ヾ⊂ノノ:/:::/´‐´ .│ 魔王軍鰍統率する最強の魔族.....│
`` \::\::........:::::::イ ´. .└────────────────┘
l``┐ィ ´´ / 、__人__人__人__,
┌─────────────────┐ll / _) (_
│ 天才的な手腕と莫大な資産を用い │l l _) 梶I? (_.
│ 市場の自由競争を勝ち抜いてきた ...│ l ) (
└─────────────────┘ / ⌒Y⌒Y⌒Y⌒ .
/ 川 /
/ ノヘヽ へ.┌─────────────────┐
/ // ヽヽ | │ 市場の頂点を目指す野心家である ......│
_ -┤// ヽl l .└─────────────────┘
, -‐ ´ |l l ∩ ll | 、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
, - ´ l ll l.| ll | _) (_
_ -‐ ´ l ll l| ll | _) 案外健全な稼業じゃねーか!! .(_.
, -‐ ´ l ll | ll | ) (
l ll l ll | ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ .
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:25:06.52 ID:JZnaUDx00
-
┌────────────────────────────┐
│ ちなみに、彼の秘書であるlw´‐ _‐ノv嬢とは現在熱愛中である .│
└────────────────────────────┘
ィハx
*(‘‘)* カタカタ
______(_つ_/ ̄ ̄/__
旦 \/__/
、__人__人__人__人__人__人__人__人__,
_) (_
_) ナレーションお前かよ!! .(_.
) ( 、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ . _) (_
_) つーかそんな情報いらねーお!! .(_.
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ .
- 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:28:04.15 ID:JZnaUDx00
-
( ФωФ)「とうッ!」
大魔王ロマネスクと名乗った男は、スーパーの屋根から颯爽と跳び下りて、
ブーン達の前へと綺麗に着地しました。
( ФωФ)「ぬははははは。よくぞ我が呪いを見破ったな。
その慧眼を敬し、褒めてやるのである」
(; ^ω^)「ええっ? あのくだらない呪い作ったのアンタだったのかお!?」
(# ФωФ)「く、くだらない言うな!
あの呪いは我輩の壮大な計画の仕込みなのである!」
N| "゚'` {"゚`lリ「壮大な……計画ねえ」
(* ФωФ)「聞きたいのであるか?」
( ^ω^)「うわ、このおっさんうぜえ……」
(* ФωФ)「よろしい! ならば聞かせてやるのである!」
( ^ω^)「聞いちゃいねえ」
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:31:02.38 ID:JZnaUDx00
-
ロマネスクは嬉々として自分の計画を語り始めました。
( ФωФ)「今度、我が魔王軍はカレーの全国チェーン店を開店するのである。
そのために、愚かなる民衆どもにカレーの呪いをかけ、
全国の小売店からカレーの材料をなくしてしまうことを思いついたのである。
そうすれば、材料を失いカレーに餓えた民衆は我らの店舗に集まらざるを得ず、
魔王カレーは最高のスタートダッシュを切れるのである!
ぐははははは、どうだ! 驚いただろう!」
(^ω^ )...テクテク「今日の晩御飯何にするかおー」
ll"゚'`} "゚` |N...テクテク「うどんなんてどうだい?」
(; ФωФ)「ちょっと!? スルーはないんじゃね!?」
スーパーに向かおうとする二人を、ロマネスクは慌てて引きとめました。
N| "゚'` {"゚`lリ「いや、だって……なあ?」
( ^ω^)「あまりにも内容がくだらな過ぎて……
それに、呪いのせいでみんなカレーには飽きてると思うから、
売上そんな伸びないんじゃないかお?」
( ФωФ)
_| ̄|(!llФωФ)ズウウウン
(; ^ω^)N|;"゚'` {"゚`lリ((気づいてなかったのか――))
- 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:34:47.50 ID:JZnaUDx00
-
N| "゚'` {"゚`lリ「まあ、アンタの計画の成否はどうでもいい。
いますぐそのはた迷惑な呪いを解いて く れ な い か 」
(ФωФ。 )彡プイッ「いやである! こうなったら意地でも成功させるのである!」
ロマネスクは駄々をこねる子供のようにそっぽを向きました。
その大きな眼は悔し涙で滲んでいます。
(; ^ω^)「いや、マジで解いてもらわないと困るんだお!
僕もいい加減カレー以外の物を作りたいんだお!」
ヽ( ФωФ)ノ「ふーんだ! 呪いにかかるのが悪いのである!
ベロベロバー!」
( ^ω^)「こいつマジ大人げねえ」
N| "゚'` {"゚`lリ「お前さんはこういう大人になっちゃ駄目だぜ?」
ロマネスクはひとしきりブーン達をあおった後、
急にその纏っていた雰囲気を変えてから言いました。
( ФωФ)「大体大魔王に言うこと聞かせたかったら――」
- 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:37:05.91 ID:JZnaUDx00
- ∧
∧ /::.∧
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/:::::::::::::::∧-‐====::::::::::::::::::::.∧ r´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::,,.-'"::::.∧:::::::::::::::∧ | 実力でねじふせるのが道理であろう?|
/:::::.l:::::::::/l"_::r‐'":::::::::::::::::,l i'"`:::::::::::i 乂________________丿
i:::::/:::::: / .iヾ (:::::::::::::_,,.-='==-、ヽ::::::::::l
l......i へ_l_l ヽゝ=-'"/ ● _,,>:::::::::.l
l::::::/ / ●> ='''"::: ̄ ̄l゛i:::::::::::::::::l 、__人__人__人__人__人__,
l:::::::::.ヽ-‐l''"!::::::::::::::::::::::::ヽ !/:::::::::::::::::l _) (_
i::::::::::::::.i:::::::::::人_:::::::::::ノ:::::::::::::::::::::::::l ,r‐"':, _) 何その理屈!? (_.
i::::::::::::::::.' ,_,,ノエエエェェ了:::::::::::::::::::::::::::l ヾ;,::::::\ ) (
i::::::::::::::::::::::::じエ='='='" ',:::::::::::::::::::::::/ ,r- .., ヽ::::::::ゝ ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ .
',::::::::::::::::::::::::(___,,..----':::::::::::::::::::::/ (:::::::::::ヽ、 ゞ::: ヾ
'ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ \:::::::::::\ 'l:: -゛キ
ヽ、_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ .i,""'::, "i,,:::. キ /:: |
'ュ,ノ'",;l `ゞ ::``ー-::-‐'"´::: i:::::::ヽ 'ヾ,"'" .ヽイ ソ ⌒〉
シニi;∠(ヽ、':..:::::::::::::::::::::::::::::: '";;_,,_'l:::::::::::i;, 'l,, l:::: i /
ミ/::i:i:l'::::::\::: ,,,__.. ;;,.::::i;::::::ヽ,,,_ 'キ:::-=.::\ l::. "'i::::: )
/:::::/,l:::::::::::;;'i-:..,,_,,r‐‐'"::::::::,;ii;:r⌒ヽ:::::::\:::.... \r'-‐''" ..::::::::/
::::::l':;"';,,::::::::l' l':::::::::::::;;;;ii//ヽ、:::ヽ、:::::\ "' ::::...:::::::::::::l'
i:::::,l;;':::::"'i;;-l-..,,_,,..l;;;:::::r'":://:::::::ヽ,:::::::::,,_:::::::::>= ノ ..::::::::::::::::::ノl;,
l:::,ll::::ヽ:::l:o;;:::::::::ノii;;;.......;;;;//:::::::::::::.'i.::::: ノ..""'"-; ...::::::::::::::::;;:/ヽl;,
:::::ll::::::::::l'::ヾ:::::::/:'"::'"::::::;//,;.::::::::::::::"''‐- t..,, /::::::::::::::::::::::../ ノ i;;
:::,;ll::ヽ:::l';;:::::::::/:::::::::::::;;;; //::::::::::::::::::::::::::::::::::::"'';;"::::::::::::::::::::ノ /;;;/;
::;;ll:::::ヽl,::;;;:::::/:::::;;:::::::::: //::::;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::/〆"''""" ̄ /;;;//;
- 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:40:15.68 ID:JZnaUDx00
- ,, -'''''゙゙ ̄丶;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ゙゙̄''''ー ..,_
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,,へ;;;;;;,..,,.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`x
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,,―'''''゙~゛ ./ ;;;;;./ ,,,,,-.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; l
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| .;;.! / ,,x‐";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.,..iンy''ゞ“'(、;; !
l .;;;ゞ ...,i'''´ `''ヘ........,;;_,..-'''ri./ ケ'″ !;;;;│ r´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/ ./ ...;./ .,..-ー'''"´ ." ゛/ !;;;;;;;} | いいぜ――叩きつぶしてやろうじゃないの |
/ ;./ ;; .,/゛ / 〃;;;│ 乂___________________丿
./ .;i彡-'"゛ _.. rZ゙ネ ,....、l";;;│
./ .,/" .,..-'´ .″ ゙ ,,...... -ー'''"´ _,,,王;;;│
,r′ _ン'´;;;;;;..... 、 .,i,!彡-;;ッ━'''''リ.l./ !;;,iT、、
,i′ く..,_;;;;;;;;;;;;;;;..ゝ "´ iニニy;;ン‐ .レ゙,..、 .|
./  ゙̄''、;;;;;;, .. `''ゝ i|'" "/ 、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
/ ,..,,,,,,,,,,. l.;;;;} ,iリヽ / _) (_
./ / ;;;;;;;;/ /;;;│ レ′ ./ _) アレ!? アンタもやる気なの!? .(_.
./ / ;;;;;;; l ./;;;;; ! |,. / ) (
.″ / ;;;;;;;;;;;;;;ゝ r";;;;;;;} j゙/ ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ .
,/丶;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;′ l゛
_.. ‐'" ^.l.;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; . ‐″ ./|
,.‐'´ . _|ぃ;;;;;;;;;;;;;;; / ト-、
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/ .,./ ;;;;;;/;;;;、ヽ,;;;;;;;. ,....... .,./ ヽ `''-..、
;;i′ / ;;;;;;;;;;,!;;;;;;.l;;;;;ヽ.;;;;;. _/ .、 ゙ュ, .`'''―-┐
;; ! .,/;;;;;;;;;;;; !;;;;;;l,;;.l;;;;;;;;`''-..、 _.. ‐´ .|; .lヽ /
;;;;iト;;ッぐ;;;;;;;;;;;;;;;;,i";;;;;;; l;;;.l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`'''''''''゙゙´;;;; !; .} ..l.゙゙'ー 、
...;;;;;レ'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;./ ;;;;;;;;;;;;.!;;;.l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;..;;;;;;;;;;;; l; .! ヽ `'''
....;;;;;;,!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;.!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.l;;;;;;;;;; / ! ヽ
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:43:40.01 ID:JZnaUDx00
-
バチバチバチッ
N| "゚'` {"゚`lリ・・・☆・・・(ФωФ #)
場の空気が一瞬で引き締まり、二人の間には目に見えない火花が散っています。
まさに一触即発の雰囲気。何かきっかけがあれば即座に二人の闘いが始まりそうです。
(; ^ω^)「ちょ、二人ともここスーパーの前だからね?
人の迷惑になるからやm*(‘‘)*「Fight!!」
ダッ≡N| "゚'` {"゚`lリ (ФωФ #)≡ダダッ
幼女の合図で二人は一斉に駆け出しました。
壮絶な闘いの始まりです。
*(><)*「……てへっ☆」
(# ゚ω゚)「”てへっ”じゃねえよこの馬鹿あああッ!」
ブーンが幼女を怒鳴りつけてる間にも、二人は既にいくつかの攻防を交わしていました。
阿部さんがラッシュを繰り出せば、ロマネスクはそれを全て耐え、
ロマネスクが魔法弾を放てば、阿部さんはそれを上空へと弾き飛ばします。
- 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:48:14.64 ID:JZnaUDx00
-
スーパーの前はド級の危険地帯に変わり果ててしまいました。
ですが、周りにいた野次馬達は引くことを知りません。
_
( ゚∀゚)o彡゜「いいぞーッ! どっちも頑張れええッ!」
(; ゚ω゚)「応援しとる場合か! とっとと避難しろお!」
(*゚ー゚)从'ー'从(*゚∀゚)「ロマネスク様ぁ〜、頑張ってぇ〜」
(; ^ω^)「あのおっさんこんなモテてんのかお!?
っていうか早くここから離れてえ!」
(=゚ω゚)ノ「カーチャン、あの人たち何してんだょぅ?」
J( 'ー`)し「漢同士の闘いさ、刮目して見な!」
(; ゚ω゚)「そこは”見ちゃいけません”って言って離れとけおおおッ!」
*(‘‘)*「さあさあ現在のオッズは7:3!
ロマネスクが優勢だよ! はったはった!」
( ^ω^)「てめえは少し黙れ」
- 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/12(火) 23:52:22.22 ID:JZnaUDx00
-
N|メ"゚'` {"゚`lリ「ぐあッ!?」
そうこうしているうちに、阿部さんがブーンの足元へと転がってきました。
その体はボロボロで、立ち上がるのがやっとのようです。
(; ゚ω゚)「あ、阿部さん!?」
N|メ"゚'` {"゚`lリ「ふ……流石は大魔王……意外にやるじゃないの。
しかしまいったな。隙が見つからないぜ。
やっこさんの背後にさえ回ることができりゃあな……」
(メ ФωФ)「どうした? もう終わりであるか?
なんならそこの小僧の手を借りてもいいのだぞ?」
ロマネスクは指先で手招きをしながらそう言いました。
N|メ"゚'` {"゚`lリ「ならそうさせてもらおうじゃないの。
ブーン、お前さん魔女の弟子だろ? 何かこう言う時に役立つ魔法はないのかい?」
(; ^ω^)「え? 僕の魔法かお?
”狭い隙間のほこりをごっそりとる魔法”とか……
あと、”しつこい食器の油汚れをとりやすくする魔法”とかしか……」
N|メ"゚'` {"゚`lリ「主夫かお前は」
- 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 00:06:37.61 ID:DCmDaLGC0
-
N|メ"゚'` {"゚`lリ「まあいい、何でもいいから魔法で奴の動きを止めてくれ。
一瞬でいいんだ」
(; ^ω^)「わ、わかったお! なんとかやってみるお!」
N|メ"゚'` {"゚`lリ「じゃあ頼んだぜ。
イクぜ! 大魔王!」
阿部さんは再びロマネスクの方へと飛び出して行きました。
そして、全身の力を振り絞って、これまでにない手数のラッシュを繰り出します。
(メ ФωФ)「むうん! まだまだやれるではないか!
楽しくなってきたのである!」
しかし、大魔王も一筋縄ではいきません。
阿部さんのラッシュの一つ一つをしっかりと手で受け止めます。
(; ‐ω‐)「△■▲○★★▼▲――」
その横で、ブーンは呪文の詠唱を始めました。
阿部さんを勝利へと導くために。
- 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 00:10:00.61 ID:DCmDaLGC0
-
N|メ"゚'` {"゚`lリ(ぐ……これ以上は……)
阿部さんのラッシュは徐々に失速していきます。
体力の限界が近づいてきたのです。
(メ ФωФ)「遅いッ!」
阿部さんのラッシュの隙間を縫って、ロマネスクのボディブローが突き刺さりました。
N|メ"゚'` {"゚`lリ「ぐぼッ!?」
その場に膝をついてしまった阿部さん。
疲労のせいか、すぐに立ちあがることができません。
(メ ФωФ)「我輩相手によくここまで闘ったのう。
しかし、それもここで終わりである!」
ロマネスクは、足元の阿部さんに向かって拳を振りかぶりました。
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 00:13:05.77 ID:DCmDaLGC0
-
そのときです。
(メ;ФωФ)「むうッ!? こ、これはッ!?」
ロマネスクの体全体を、光の帯が螺旋状に縛りつけました。
ロマネスクは拳を振り上げたままその場に固まってしまったのです。
( ^ω^)「見たか! これぞ”洗濯物が風で飛ばされにくくなる魔法”だお!」
┌───────────────────────────┐
│ 説明しよう! 洗濯物が飛ばされにくくなる魔法とは、 .│
│ 物干しざおに光の帯を螺旋状に巻きつけ、 │
│ その光の帯にハンガーをひっかけることによって、 │
│ ハンガーが物干しざおから離れることを防ぐ魔法なのだ! .│
└───────────────────────────┘
ィハx
*(‘‘)* カタカタ
、__人__人__人__人__人_, ______(_つ_/ ̄ ̄/__
_) (_ 旦 \/__/
_) しょぼッ!! .(_. 、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
) ( _) (_
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ . _) ていうか解説もお前かよ! .(_.
) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ .
- 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 00:16:13.59 ID:DCmDaLGC0
-
(メ ФωФ)「しかし、この程度の魔力で我輩を縛りつけられると思ったのか!?
WRYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」
ロマネスクは吸血鬼のような叫び声と共に、光の帯を千切りました。
N|メ"゚'`( ФωФ)「ふん、片腹痛いわ」
(; ^ω^)「志村ァーッ! 後ろおーッ!!」
見事、一瞬の隙をついて背後に回った阿部さんは、
ロマネスクの両腕を掴み、捻りあげました。
(メ;ФωФ)「痛ででででででででででででででッ!
痛い! 痛いのである!
アレ? やっぱ痛くない? いや痛い痛い痛いッ!」
N|メ"゚'` {"゚`lリ「ふう、ようやく捕まえたぜ子猫ちゃん。
ここからは俺のハイパーお楽しみタイムだ」
阿部さんはそう言うと、器用にロマネスクの両腕を片手で掴み直し、
空いた片方の手でつなぎのジッパーを下ろします。
(メ;ФωФ)「え? なになに何の音であるか?
うわっ!? なんかお尻に硬いのが当たってんだけど!?」
N|メ"゚'` {"゚`lリ「あててんだよ」
( ^ω^ )9m「次の展開はわかっていますね?
さあみなさん、あの台詞を御一緒に!」
- 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 00:19:15.03 ID:DCmDaLGC0
- /:.:.:.:/ / .!:ト、M:_:.:.:.:.:.:
.′:.:/ ¨二二メ、 l:ル' ´ヽ:.:.
/ ̄ ̄\ . l_:.:.:.j .ヘ弋以 ミメ __ i .!:.:
/ や | / l:.:l j / rrzx..`ヽj:.:.;
. | i .//ij !/ / :iト .ヾ┴ /:./
. | ら .|. .l l( v__, | ヽ .':./
. | > ∨ し `く__У / ':_:{
. | な .!. Y :| ー<⌒ヽ ./ / リ
. | !. | :! 、 ゙¨´ ./ / /
. | い i | 八 >一 /_/ ___
. | .! ! 丶、___ .ィ / : `
\ か / | ∨////`ヽ=彡' :| <. :
ー‐─' .. / | ∨ZZZ彡' :ト、 l. :
. __/ /| |: \ \
_/ :/ .! !: \
.x<./ .′:! :| ト、
x< / ; ! :! | \
/ ; J :| . | . \
. / .; :! |
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 00:22:14.89 ID:DCmDaLGC0
- _,,-i、
_,,―''"` ゙l, __
_,,-‐'″ ゙l、 /| `゙'''ー-
,,,,-‐"` _ |、 ,i´l゙ .l゙
.,,-''"` _,/"| ,li、 丿 .l゙ ,l゙
..〔 _,,,-'"゛ .| ,"|、 ,/ │ │
`ヽ .,,-'"` ,,,-, ,l゙ │ ゙l、 ,/ ,| ,i´
::::::::ヽ ,/ ./′ ゙ッ′ 丿 .゙l ,/ ,l゜ │
::::::::::::゙'ヽ、 ヽ .,/_,,,,,,,,-←i、 ,,-‐i、 丿 l゙ ,l゙
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- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 00:25:11.75 ID:DCmDaLGC0
-
:( ω ):ビクンビクン「汚されちゃった……アタイ汚されちゃったよ……」
純潔を奪われたロマネスクは、うつぶせでむき出しのお尻を天にむかって突きつけているという、
なんとも情けない格好で痙攣しています。
( ^ω^)「これはひどい」
N| "゚'` {"゚`lリ「さてと、降参なら呪いを解いてくれないかい?」
満足げにつなぎのジッパーを上げながら、阿部さんはロマネスクに声をかけます。
:(; ФωФ):「ま、まだ我輩は負けたわけでは……」
N| "゚'` {"゚`lリ「へえ、まだヤリ足りないってのかい?
それじゃあとことんよろこばしてやるからな」
:(;。ФωФ):「ひぃッ! 嘘です嘘です! 負けましたッ!
今すぐ呪いを解きますうううううッ!」
再びジッパーを下げようとする阿部さんを見て、ロマネスクは涙ながらに訴えました。
リ タ イ ア
もう、彼の心は再起不能同然です。
- 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 00:28:11.14 ID:DCmDaLGC0
-
( ^ω^)「でも、呪いを解くってどうするんだお?」
:( ФωФ):「我輩が合い言葉を言えば一斉に解けるのである。
では、言うぞ――」
ロマネスクは深呼吸して合い言葉を叫びました。
:( ФωФ):「カレーもいいけどシチューもね!」
ロマネスクが合い言葉を言った途端、ブーンの呪いのかかっていた指先が光りました。
それだけではありません。周りにいた人たちの指先も光っているではありませんか。
( >ω<)「おー……眩しいお」
指先の光が消え、ブーンは呪いのかかっていた指を眺めます。
すると、あの忌々しい空気の歪みが綺麗さっぱりなくなっているではありませんか。
ヽ(* ^ω^)ノ「おお! 呪いが解けてるお! やっほーい!」
ブーンはこれを見て大喜びしました。
事情を知らない周りの人たちも、よくわからないけれど”よかったね”と一緒に喜んでくれています。
- 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 00:31:10.12 ID:DCmDaLGC0
-
N| "゚'` {"゚`lリ「さて、ブーン。コイツをどうする?
今のうちにトドメでも刺しておくかい?」
:(;。ФωФ):「ひぃッ!? の、呪いは解いたではないか!」
N| "゚'` {"゚`lリ「だが、皆が迷惑を被った分、それ相応の罰は覚悟してもらわんとな。
ブーン。お前さんが決めてくれ」
(; ^ω^)「お? 僕がかお?」
ブーンは泣き顔になって腰を抜かしているロマネスクの方を見ました。
今でも体は震えていて、お尻も出したまんまの情けない姿です。
( ^ω^)つスッ
( 。ФωФ)「え?」
ブーンはロマネスクに優しく手を差し出しました。
( うωФ)「うう……少年の優しさが五臓六腑に染みわたるでえ……」
ロマネスクはブーンの差し出した手をしっかりと握りました。
( ^ω^)「――かかったなアホが!!」
(; ФωФ)「へ?」
- 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 00:53:28.42 ID:DCmDaLGC0
- __―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ―――― ==  ̄ ̄ ̄ ――_―― ̄___ ̄―
 ̄___ ̄―===━___ ̄― ==  ̄ ̄ ̄ ――_――__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐―
___―===―___ ―――― ==  ̄ ̄ ̄ ――_―― ̄ ̄―‐―― ___
 ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___ =―  ̄ ̄___ ̄―===━___ ̄―
―――― ==  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ―― __――_━ ̄ ̄ ――_―― ̄___ ̄―=
、__人__人__人__,
_) (_ 、__人__人__人__,
_) Wow! (_. _) (_
) ( _) Wow! (_. ┌──────────────┐
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y . グルングルングルン ) ( │ブーンはロマネスクを .....│
〃 三 ./⌒ 三=≡⌒ヽ‐ ─ ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y . │グルングルンと振り回し―― ....│
∧__∧ ..(ω^#≡^ω=# ^ω) =。・。∧__∧ └──────────────┘
⊂⌒つ(;。ФωФ)つoc三 ─ ニフ 三 ⊂(ФωФ。;)⊂⌒つ
 ̄ ゙ミ 三 =- 彡 〃  ̄ ..
、__人__人__人__, \\ ‐∩∧_∧ ////
_) (_ (; 三 −、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
_) Wow! (_. ‐ = 三 = ( ) = _) (_
) ( ‐ = し‐‐J _) あれえええええええええッ!? (_.
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y . ) (
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y .
__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ―――― ==  ̄ ̄ ̄ ――_―― ̄___ ̄―
 ̄___ ̄―===━___ ̄― ==  ̄ ̄ ̄ ――_――__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐―
___―===―___ ―――― ==  ̄ ̄ ̄ ――_―― ̄ ̄―‐―― ___
 ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___ =―  ̄ ̄___ ̄―===━___ ̄―
―――― ==  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ―― __――_━ ̄ ̄ ――_―― ̄___ ̄―=
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 00:58:15.45 ID:DCmDaLGC0
- __―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ―――― ==  ̄ ̄ ̄ ――_―― ̄___ ̄―
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___―===―___ ―――― ==  ̄ ̄ ̄ ――_―― ̄ ̄―‐―― ___
 ̄ ̄―‐―― ___ ̄ ̄――― ___ =―  ̄ ̄___ ̄―===━___ ̄―
―――― ==  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ―― __――_━ ̄ ̄ ――_―― ̄___ ̄―=
∧_∧ ┌────────────┐
ヽ(; )ノ │真上へと放り投げ―― ......│
|!( ) .└────────────┘
|し‐‐J
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| ! l| ! 、__人__人__人__人__人__,
、ハ, _) (_
ブン!! ^ < て _) YEAHHHHHHH!! (_.
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(# ^ω) `∩ ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ .
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- 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 01:01:22.15 ID:DCmDaLGC0
- ┌∧─────────────────┐
│ |i lli | ...│
│ .|l i li | ヒューン ....│
│ |i l i ll| ..│
│ n_n │
│ o( lヽ,,lヽ o .│
│oii( 。ФωФ)iio ..│
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.| .! ./ ((.´ヽ'.ヽ │ │ L I V E │ │
l. | / ‐*.- ヽ スチャ .│ └─────┘ │
| | ,' ___'`=''__.l .└──────────────────┘
! ! i -<_______,`ゝ r´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
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l !ヽ._ ノ !ノ ...
! .! i.ヽ. (__人__) |
.l. ! /\ \ / ┌──────────────────┐
.| |,/ヽ、`ヽ、`ー''ー'i´ │どこからともなくバットを取り出し、 │
,. -! !,'ニ二.`ヽ 、` ー ' {` ー- 、__ │落下してきたロマネスク目掛けて―― │
,. ´ ,l |/ニ二`、 `ヽ、、| ヽヽ { ` ー、 .└──────────────────┘
/ ⌒`ヽ l !' ー'ヽ、 ノノ ヽ、_ \V/ ヽ
/ ! .| i ` ー 、 〃 `丶、/ .⌒ ヽ
. / '  ̄ .! .|ヽ | ヽ `´、 `丶、 .ヽ
/ / 二 .rー} .|,...、 .! ヽ ヽ` 、 ` .、⌒ヽ.
// 三 ,f`-i .!| { ヽ ヽ ` ヽヽ.
{{ fヽ二二:} ヽ ` 、 ヽ
| { 〃i {ヽ.二二:} ┌、/´| |´ヽヽl´| i´ヽ ` 、 ` }
ヽヽ ヽ `ー ' | 、v/l.! !.i 、ヽ.| .! ! 、ヽ|ヽ ` 、 〃
- 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 01:04:25.24 ID:DCmDaLGC0
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 ̄___ ̄―===━___ ̄― ==  ̄ ̄ ̄ ――_――__―_____ ̄ ̄ ̄ ̄‐―
___―===―___ ―――― ==  ̄ ̄ ̄ ――_―― ̄ ̄―‐―― ___
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―――― ==  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ―― __――_━ ̄ ̄ ――_―― ̄___ ̄―=
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--------------------------------- 。<オボエテイルノデアルー!!
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、__人__人__人__人__人__, /⌒ヽ / / | \ イ
_) (_ .( ) / ./ | \ /
_) ライジング!! .(_. _ / )/ / | /|
) ( ぅ/ / // / | / .|
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ . ノ ,/ /' / |│ /|
_____ ,./ /∠ | / .─┼─ ┌─────────────────┐
(_____二二二二) ノ ( | / ┼┐─┼─ .│思い切り、バットを振り抜きました。 ......│
^^^' ヽ, | | /. ││ .│ ..└─────────────────┘
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- 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 01:07:22.45 ID:DCmDaLGC0
-
( ^ω^)「ふう、いっちょあがりだお!」
ロマネスクを空の彼方へと吹っ飛ばしたブーンは、
新しいパンツをはいたばかりの正月早々の元旦のような爽やかな表情を見せました。
N| "゚'` {"゚`lリ「ヒュー! なかなか容赦ないじゃないの。
ま、これでアイツも懲りたろうさ。
ところで今日の晩飯はどうするんだい?
ついでに買い物もしていくんだろう?」
( ^ω^)「うーん……今日は……
そうだ! シチューにするお!」
N| "゚'` {"゚`lリ「ふむ、トロリとした白濁液か。
楽しみじゃないの」
( ^ω^)「食欲なくなるからその表現マジでやめてくれない?」
こうして、呪いを解いたブーン達は意気揚々とスーパーへと入っていったのでした。
- 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 01:11:33.29 ID:DCmDaLGC0
-
――
さて、あの呪い騒動から一週間。
呪いも解け、晴れて魔女の家の食卓にはカレー以外の献立が並ぶようになりました。
ξ#゚听)ξ「で、どういうことなの? コレは」
ところが、何故か魔女の家の主はご機嫌斜めです。
ツンの示すテーブルの上には、あつあつの美味しそうなシチューの盛られた皿が置かれています。
( ^ω^)「何って……シチューですお?」
ξ#゚д゚)ξ「それはわかっとるわボケ弟子がァ!
アタシが言ってるのはね! どうして一週間もシチューが続いてるのかってことなの!」
(; ゚ω゚)「なん……だと……」
ξ#゚д゚)ξ「鰤の真似はいいからとっとと別のメニューを作りやがれッ!」
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 01:14:09.79 ID:DCmDaLGC0
- /..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ、
(,、:::::::::::_::::_,、::::::::::::::..゙:、 r´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
.l `'^'´ ..: :.: :. }::::::::::::::::::i | まあまあ、落ち着けよ御主人 |
._ 、__,、 〈:::::::_::::::::::| | そんなに怒ってばかりだとしわが増えるぜ? .|
!) ヘラヾ´ ゙! /ベ!::::::| 乂__________________.丿
.ソ ``` :.:.: ソ,iノノ::::::|
ヽ,- .:..:.:シ_,イ、:::::l
i==- .:..:.:イ ヾヘv
, ゝ...:. _,.ィ i ,.' } ` 、─────────┐ 、
, ´ ゙'ーイシ″ , /.:. . ` .///////////////}||ll\
,.. '´ \ ヽ/,ハ::.:..:. / ` ー- 、///////:}||ll|ll|}
/ ノト_,ノ┘″}:.:.:./ __ -─… ヽ///// }||ll|ll|}
/ _,. イ ヽ / -‐ '/////}||ll|ll|}
、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__, , 、 '////:}||ll|ll|}
_) (_ / ヽ ‘.///}||ll|ll|}
_) てめーはまず服を着ろおおおおッ!!(_. ,′ ,::.. V//}||ll|ll|{
) ( ′ ′ /;ハ:.:. ∨/||ll|ll|{
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ . .:i ..:.:.:/:.:..:ヘ:. ∨||ll|ll|{
, ′ .:.;:.:.:..:.':.. ‘ ...:..:.:.:./..:..:.:.:∧:. 'l||ll|ll|{
′ .:.:j:..:..:/ ! ::... ¨"´ ..:..:./..:.:.//∧ l|l|ll|{
.: .:..:.:;'.:.:; ′} / \ .:..:..: '.:.:://///ヽ 'l||ll|{
‘. .:..:..::// } / .:' ヽ ..:.::'´..:.://///// ヘ __ 'l|l|{
} ..:.:.:.:∠ -─} } ..:.:.:.::///////,.. ´ `ヽ 'l|l{
,.. . _ r─… `ー‐匕. -─, }:. .:.::_;厶 -‐ ''"´ 'l{
/ ` ' L._::{f¨ ̄三三三三三三,′ !:.:. .:.:/ j
/ ` <こ三三三三ン .::/ ! , ′ .:}. -──…… ' 二二|
./ ` 、/ { ′ j / / / / ̄ ̄三三三三三三|
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 01:18:07.24 ID:DCmDaLGC0
-
N| "゚'` {"゚`lリ「なんだい……この体は俺のアイデンティティーなのに……
それより二人とも。コイツをみて く れ な い か」
阿部さんはしぶしぶと青いつなぎを着てから、
さっきまで読んでいた新聞をテーブルの上に置きました。
_, ._
ξ゚听)ξ「なになに……全国チェーン、魔王カレー開店……
開店フェアとして、”カレーもいいけどシチューもね”を標語に、
シチューの割引サービスを行うというカレー店としては意外なキャンペーンを……」
(; ^ω^)「ま、まさかこれって……!」
ブーンは新聞を記事の内容を確認するや否や、自分の指を見つめました。
なんということでしょう、指先に消えたはずのあの空気の歪みが見えるではありませんか。
きっと、その呪いの内容はシチューを作り続けてしまうというものなのでしょう。
(# ゚ω゚)「や……やりぁがったなあのオッサン!!」
ξ;゚听)ξ「声紋認識に加えて二重の仕込み呪い?
ホントに頭おかしいんじゃないのこの魔王……」
- 144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 01:21:20.43 ID:DCmDaLGC0
-
N| "゚'` {"゚`lリ「で、どうするブーン?」
(# ゚ω゚)「聞かなくてもわかってるお!?
あのオッサンのところにカチコミじゃい!」
ブーンはそう言って、勢いよく居間から出ていき、たくさんの獲物を体にくくりつけて戻ってきました。
ゴルフクラブに金属バット、デッキブラシにスコップと、どれもこれも撲殺に適しているものばかり。
N| "゚'` {"゚`lリ「随分気合いが入ってるじゃないの。
もちろん俺もついてイカせてもらうぜ?」
ξ‐凵])ξ「ハイハイアンタ達、ちょっと落ち着きなさい」
ヽ(# ゚ω゚)ノ「これが落ち着いていられるかお!」
N| "゚'` {"゚`lリ「せっかく盛り上がってるんだ。
水を差すような真似はちょいと無粋じゃないのかい?」
ξ )ξ「……黙りなさい」
憤る二人に、ツンはピシャリと言い放ちました。
いつの間にか、彼女の纏う雰囲気が全く別の何かに変貌しています。
(; ゚ω゚)ゝN|;"゚'` {"゚`lリゝ「「イエスマム!」」
ブーンと阿部さんはその圧倒的な圧力を前に、従順な犬のように背筋を伸ばします。
ξ )ξ「別にアンタ達を止めるつもりはないのよ? ただ――」
- 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 01:25:01.84 ID:DCmDaLGC0
- /´〉,、 | ̄|rヘ
l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/ ∧ /~7 /)
二コ ,| r三'_」 r--、 (/ /二~|/_/∠/
''''' '''';;;;;;;,,,;/__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉,,, ,,,,,,;;;;;;;''''''
,,,;;;'''''' '''';;;;;;,,,, '''';;;;,,,, '''(__,,,-ー'' ~~ ̄ ャー-、フ /´く//>;,,,,,;;;;;;;;''''''
''''''''' ''''''';;;;;;,,,, ''';;;; ;;'' ,,,;;;;;''''' `ー-、__,| `" '''';;; ''''';;;;;;;,,,,,,
'/``""} _,,, -‐===‐;;...... {゛゛```゛ム ''' '; ''''';;;;;,,,
''''';;;;;;;,,,,,,, / /⌒',,. rf `丶、∠\ ', r´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
'''''''''''';;;;;;;,,,,,,, /=/::::/ 〃 ,., ヽ::::::ゝ=イ | このアタシも、カチコませてもらうわあ…… |
,,,,,,;;;;;;;;;''''';;;;;;;;,,,,,,;;;'''l ヽ《〃 `ヽ ./ 〃 ハ __,.=', ',:::ゝ `l 乂__________________丿
,,,;;;;''' ''';;;'' └-=∠i `""''' .// ‖ / ', ,.ィ{ ト/..,,,,,....} '';;;;;,,,,;;;;''''''';;,, ,,,;;''
,,,,;;;;;;''''''' ;' |`""'''''{ , .メ‐- l /,. -‐ ', }‐---‐┐ '''' '';;,, ''';;;;;;;,,,,,,,;;;'''''
' l . i i.l/:::::::::::::::.l./::::::::::::::: i .|l l ';, '''';;;;;''
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''';;, ,,,,,,,,,,;;;;;;;'|`"""゛.ト ii弋{::c}::::::::::::::::{:::c}ノi/i i.| |
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| `''''''´ | .',i,リ . _____ i/i /i |.,.、 } ''''';;;; ,,,;;;''';;'
ミ‐--‐′ .! ヽ ヽ _ _ .丿 / リ i=|`.|=‐┘ '''';;;;; ,,,,;'';,
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N|;"゚'` {"゚`lリ(こ、恐えッ!!)
(; ^ω^)(あのオッサン終わったんじゃね?)
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 01:29:11.48 ID:DCmDaLGC0
-
ξ ∀ )ξ「うちの食卓を乱したことを後悔させてやるわ……
ふふふ、どんな魔法でぶち抜いてやろうかしら……」
ツンは恐ろしげな笑みを浮かべながら、本棚から魔導書を選びはじめました。
N|;"゚'` {"゚`lリ「なあ、ウチのご主人って……」
(; ^ω^)「そうだおね、間違いなく敵にはしたくない人だお……」
二人は、そんなツンの姿を見て、しみじみと実感しました。
この人が味方でよかったなあ……と。
*(‘‘)*「――あ、シチューお代わりお願いできます?」
(; ゚ω゚)「お前いたのかよ!!」
そんな感じで、賑やかな魔女の家は、二人の新たな住人を得て、
より一層賑やかになったのでした。
- 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 01:32:35.66 ID:DCmDaLGC0
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ト=r;、 ゙"rィァ‐リメ }:::::}
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ヽ ゙こ´ /
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- 150 名前: ◆1XVjJezZIo :2010/10/13(水) 01:43:07.31 ID:b2A+TmHtO
- 最後の最後に猿喰らったので、携帯からあとがき的なものを
支援、合いの手、ツッコミ等、読んでくれた方々、スレ立て代理してくれた方、ありがとうございました!
現行とは違って短編は一発勝負なんで、すげー緊張したっす……
阿部さん動かしやすすぎワロタ
- 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 12:07:26.50 ID:DCmDaLGC0
- こんな時間まで残っているだと……
せっかくなんでAAに関するチラ裏的な話を
上の方でAAについて褒めていただいてくださった人がいますが、これくらいはAAで遊んでいれば誰でも身につけられる技術だと思います
自分は半角スペース連続は無視されることや、全角スペースと半角スペースのドット数の違いすらわからなかったAAド素人でしたが、
エディタをダウンロードしてハウトゥースレを読み、ちょっとAAをいじることで簡単に基本的な技術を身につけました
ですから、もし「AAって楽しそうだけど難しそう……」「AAで自分の作品に彩りをつけたい!」なんて方がおりましたら、
AAエディタを使っていろいろ遊んでみてください。すぐに技術が身につきますよ!
なんでこんなこと書いたかっていうと、
「もっとブーン系でAAを使ったいろんな作品を読みてえッ!」
ってことを言いたかっただけなんですけどNE!!
- 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/13(水) 12:25:23.19 ID:DCmDaLGC0
- あ、あと、既存のAAをいじりたいなら「やる夫AA録」でググってみると幸せになれるかも
やる夫スレで使われたAAがまとめてあるサイトで、今回使った阿部さんや版権もののAAはそこから引っ張ってきてます
やる夫スレでよく使われている阿部さんやダディクールなんかはかなり種類が豊富です。
あと、ブーンやドクオといった男AAを大型AAとして使いたい場合は、やる夫、やらない夫等を改変すればいいかも
ツンやクーなどの女性AAは他のAAで置き換えるか、自分で作るしかないかもしれません……
(自分は支援絵トレースなどで増やしてます)
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